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第二章モルドレン編⑧ カナートとメルリのデート出発

YouTubeにて音声動画上げてます


OP「今はまだヒミツ」


https://youtube.com/shorts/ztOAm6DjzNI

「よし、準備完了! うん、かわいいよ、メルリちゃん」

「はい! ありがとうございます!」

 ヒミコに手伝ってもらい、着替えを済ませたメルリ。

「今日は皆さんも私服なんですね」

 普段着ているのを「戦闘服」とでも呼ぶなら、他の服は私服とも言えよう。

「わたしたちも出掛けるからね」

「わー! ミキミキさん、メルリとお揃いですね!」

「あー… うん、そうね…」

「ほら、早くしないと! カナートくん、待ってるかもよ?」

「あ、いけない! そうですね。それでは行ってきます!」

 とたたた、とメルリは駆けて行った。

「いってらっしゃーい」

「いってらー」

「…それで…ミキ姉さんはさぁ」

「うん…分かってる」

「…メルリちゃんに挑んだつもりなの?」

「違うの、聞いて。昨日の夜のメルリちゃんの見て、可愛いなって。それでね? 同じような組み合わせ、持ってたから、その…」

「…チャレンジしてみた、と」

「…はい」

「分かりました。その意気や良し、としますが」

「ありがとうございます。ヒミコさま」

「どうしてオタ女子に見えてしまうのだろう…」

「どうしてトドメを刺しに来るのだろう…」



 レリーフの下、とはここのことに間違いないハズだ。

 しかし、オレ一人。

 どうやら早く来ちまったようだ。

 そもそも時計の無い世界で時間指定をする『委員会』とやらが間違っとる! 責任者出てこーい! …あ、それ、パイセンか。


ポーン  ガラァ


 エレベーターのドアが開く音に振り返る。

 中からは小さな女の子が、一人。

「あ! ご主人様!」

「わー、走るな! 走るな!」

「あ!」


とすっ


「ふぅ。セーフ」

 危惧した通りコケたメルリをナイスキャッチ。

「あ、あの、ありがとうございます…」

「急いでないから。焦らなくていいから」

「はい…」

 しゅーんとしちゃった…

 …

「…様? ご主人様?」

 はっ?!

 ちょっと意識飛んだ!

 というのも…メルリに見惚れてしまった…

 白い綿のワンピース。

 黄色い…なんだこれ、丈の短いカーディガン…?

 ボタンが上だけ1個のやつ。

 ヤバいな…カワイイにもほどがある。

 …が。

 これは…何者かの意思が感じられる。

 斜めに下げたバッグのストラップが胸の谷間を通る時、人はそれをこう呼ぶ。

 π/(パイスラッシュ)

 二つの丘陵がその存在をこれ見よがしに主張してくる!

「ご主人様?!」

「あ、ああ。いや、その…服…カワイイな、って」

「ホントですかぁっ?! 皆さんが選んでくれたんです、このサマードレス!」

 サマードレスっていうのか。

「それだけじゃないんですよぉ? なんとこのボレロ。オスカレッテさんが選んでくれたんですっ!」

 ボレロっていうのか…

 エエッ?

「メルリさんや…今、なんと…」

「こ・の・ボ・レ・ロ。オスカレッテさんが選んで、く・れ・た・ん・で・す!」

 聞き間違いじゃなかった…あの脳筋女が…こんなカワイイ服を…? パイセン提唱のグランディール=乙女説、あながち間違いじゃないのか…

「ねぇ? ステキでしょ?」

 と、目の前でクルッとひと回り。

 ワンピースの裾がふわっと広がって…

 しかし…オレの中の邪神がイケナイものを見つけてしまった。

 微かに…下着が透けている…

 肌の色の合わせたはずのサーモンピンクが…強すぎた、らしい。

「…ご主人様?」

「え、ああ、なんでもない。また見惚れしまった…」

「え、そんな…」

 恥ずかしそうに俯く姿もカワイイ。

 そういえば、思考漏れしなくなってからあまり言ってないな。

 うちのメイドは世界一ィィィィ!

「あ、でも、ご主人様。今日はメルリの服はどうでもいいんです!」

 いや、よくないよ。すごく良いけど。

「今日はメルリが主人様のお洋服を選んで差し上げるのです!」

「そうらしい、な。よし! 今日はメルリ様の言いつけ通りに!」

「分かりました! ではさっそく参りましょう!」

 今日のメルリは気合十分。

 …なにより、元気で良かった。

 『委員会』の判断、恐るべし。

 ガラッと自動ドアが開き、数歩進んだところでメルリが立ち止まった。

 そして上目遣いにオレを見る。

 来たぞ久々、メルリクイズ。

 しかしこれは過去問だ、すでに答えは知っている。

 だからすぐ答えてもいいのだが、もじもじしているメルリに、オレは言い放つ。

「メルリ。今さっきオレは、メルリの言いつけ通りにするって言ったんだぜ? だから、言わないと分からないよ?」

「…ご主人様…いじわるです…」

 ヤベぇ。拗ねるメルリが超カワイイ。

 だがしかし。

 オレは、今日はメルリ色に染まると決めたのだ。

 そうと決めた以上、オレは、メルリの望みがそのカワイイ小さな口から出るのを聞きたい。

 そしてそれを全力で叶えたい。

「言ってごらん?」

「あの…手を…繋いでもいい…ですか?」

 はい過去問不正解ー。

 手か。そうか手か。

「右と左、どっちがいい?」

「…こちらで…」

 と、両手で左手を握る。

 …そういや、手を握るって初めてか。

 …小さいなぁ…メルリの手。

 強く握ったら壊れてしまいそう…

 だから、優しく包むように握り返す。

「これでいいかい?」

 パァッとメルリの笑顔が輝く。

「はいっ!」

 うおっ! 眩しっ!

「さぁ、行こうか」

「はい!」

 元気なお返事が返ってきた。

 昨日のことで気落ちしてるんじゃないかと思ってたけど、どうやら杞憂に終わりそうだ。



「お待たせー」

 カナートたちが出て行った後、エントランスにやって来たのはヒミコとミキ。

 待っていたのはリリア。そしてオスカレッテにユーリも。

「ちょっとミキセンパイのお着替えがありまして」

「ミキミキさん、粗相でもしてしまったっすか?」

「尿漏れとかしとらんわい! …まだ」

 ミキは先ほど白いワンピースとカーディガン、すなわちメルリと同じような服を着ていたのだが、ヒミコの指摘で心が折れて着替え、カットソーに七分丈ジーンズ、キャスケット帽を被る。

「まだ、とか…わぁ、リリアさんのスカート、かわいい!」

 リリアは長袖Tシャツに白のデニムスカートという出立ち。

「そうっすか? コーディネートエキスパートのヒミコさんに洋服で褒められるのは嬉しいっす。ヒミコさんは今日はボーイッシュな感じっすか?」

「うん。街の景観に溶け込まなくちゃね」

 ボーイッシュと言われたヒミコはTシャツの上にパーカー、下はフレアしたミニスカートでベースボールキャップを被る。

「先輩はフツーっすよね」

「ああ。警護任務とあらば非番扱いだ。いつでも騎士服に戻れるよう、服は【設定】で出しているからな」

 その【設定】で出した服というのが黒いキャミソールの上から白いオフショルドルマンスリーブのカットソー、下はジーンズでパンプスを履く。キャミソールを着ているのは下着の透け防止だ。

「フルルちゃんは?」

「フルル様ならここに」

 パカっとリリアのリュックの口が開くと

「おはようございますでして」

 元気にフルルが飛び出す。

「あら! おはよう、フルルちゃん。なんでそんなところに?」

「ウロウロしてるとおがまれたりたいへんになるかもでして。リリアのアイディアできょうはここなのでして」

「窮屈じゃない?」

「ううぅ…でもメルリのためならしかたないのでして」

「本当に…行くんですか? ノゾキ…」

「ノゾキとは失敬な、ユー君! 我々はメルリちゃんの幸せを見届ける義務があるのですぞー?」

「そう、なんですか…」

「尾行するのではないのか? 早くしないと見失うぞ」

「ああ、そうそう。じゃ、行きましょう! では『ドキッ♡ カナっちとメルリちゃんが急接近?! 以下略』尾行追跡編、行くわよー!」

「ぉ、おおぅ…!?」



ED「この穏やかなぬくもりに」


https://youtube.com/shorts/TfUN7HlPlsI

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