焼肉きんぐになった少年
書籍タイトル:焼肉きんぐになった少年
作者:326(ナカムラミツル)
ページ数:24(うち半数は絵)
前回意外と読めたので、他の本を物色。
実は私は本をたくさん持っているのだ。主に中古しか買っていない不届き者だが、特に誰のファンでもないのでこれからも中古だ。
1700円+税の本を11円で買った。良い感じの装丁の、「空色勾玉」という小説だ。
さっそくページをめくり、読んでみる。
「ひぃっ!」
思わず怯んでしまった。
左右のページにミチミチに詰められた漢字と平仮名が私を威圧してくるのだ。段落も4個くらいしかない。ほぼ真四角の、黒い文字の群れ。こんなの無理だ。そう思って本を閉じた。
次に手に取ったのは焼肉きんぐの本。お店に行くとなにかの特典で貰えるのだろうか。子ども限定かな? という感じの絵本。
表紙のキャラクターがかわいい。さっきいじめられたから癒してもらおう。
ということで入店。
あ、ちなみにこれは22円でした。1700円の勾玉の倍。昔ばなしは55円。
買ってから数ヶ月置きっぱなしでしたが、この機会に読んでみようと思ったのです。
@@@@読み読み中@@@@
はい、読んできました。10分くらいで読めました。文字はめちゃくちゃ少なかったのですが、絵が可愛いかったのでゆっくり読んでました。
感想ですが、「さびしい大人になっちまったなぁ⋯⋯」でした。
主人公のために整えられた舞台で主人公だけが正解の行動をし、目指していた『焼肉きんぐ』になる。というザ・王道な話でした。
こういう話を純粋に楽しめない大人に育ってしまいました。
"やきにくきんぐ"になりたいと夢見る少年ユウト。
うんうん、そうだよね、これぞ主人公だよね。というスタートから、いきなりお供のベビードラゴンのパピ登場。ドラゴン出てくるんだ、これ。
"やきにくきんぐ"は大会で決まるものらしい。が、今まで優勝者は出ていないそう。
もちろんこの時点で「ユウトくんが今までの参加者に足りなかった"何か"を満たして優勝するんだろうな」と思っていました。王道ですね。
この大会には参加資格を得るための試験がありました。焼肉に関するテストです。
焼肉大好きって言ってたし、ページ数的にここは楽勝でしょ〜。
そう思っていると、ユウトくんは頭を抱え「なんも分からん」と早くもピンチ。
なんでだよ。"やきにくきんぐ"目指してたんじゃないのかよ。焼肉大好きを自称しておいてそれはないだろ。
しかも、参加資格を得るための試験があることすら知らなかった様子。
そして次のページ。
「合格」
♡マークを出して喜ぶユウトくん。
いやいや⋯⋯⋯⋯なんなん?
「なんも分からん」の次はそれを乗り越えるシーンじゃないの? ビリとはいえ、なんの苦難も乗り越えることなく合格しちゃうの?
オモロいな!!!!!!!!
次に本戦。みんなで焼肉を食べます。(と言っても参加者はユウトを含めて3人)
1人は鶏を連れたマナー講師みたいなおばさん。もう1人は豚を連れた髭モジャのバイキングみたいなおっさん(食べ放題だからバイキングのデザイン?)。
おばさんはマナーを守って食べる自分が優勝すると自信満々。
おっさんはとにかく食べると自信満々。
お前ら、なんでそんな自信満々なんだよ。
前大会で敗退した人or初参加なわけでしょ? 自信あるのはいいことだけど、なんでここまで自信があるんだ⋯⋯主人公を際立たせるためか⋯⋯
あと、お供の鶏と豚とドラゴンの前で焼肉食べるのって倫理的にどうなのよ。鶏と豚はどういう気持ちで見てるんだよ。
で、もちろん優勝はユウトくん。
楽しんでたし、おいしそうに食べてたし、他の人の肉を焼いてあげたりもしてたから。納得の優勝だね。
で、エピローグ。
「やきにくきんぐ これは一人の少年がみんなをしあわせにする王様になるまでの物語」
いや「なるまでの物語」て!Σ\(゜Д゜ )
事前試験があるのも知らずに何も分からないまま臨んで普通に楽しく焼肉食べただけじゃん!!!!!!
「その日その場所でその大会がある」以上の情報を知らなかったユウトくんがポっと参加して優勝した話じゃん!!!!
んでなんでドラゴンお供してたんですか!!!
他の子らもだけども!!!!
焼肉食べる世界でそんなキャラ出すなよ!!!!!!!!!(っ・д・)≡⊃)3゜)∵