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1.女神様?

なろう版のお試しです

大学に入学して図書室へ行った日。

初めて彼女を見かけた。


透き通るように白い肌。亜麻色の肩までのセミロングの髪型。

姿勢良く目を細めて本を読み、時折パッチリとした目を開いて。


まさに女神がそこにいた。



俺はこの春から大学に入って一人暮らしを始めた。

名前は黒崎 蓮(くろさき れん)

高校時代はサッカー部に所属していて運動はある程度出来て勉強もそこそこ。男女ともに友達もそこそこ居る。

ただ…友達にはヘタレと言えば蓮。蓮と言えばヘタレと揶揄されていた。


異性と仲良くなっても最後の1歩が行けず…

部活を引退してから頑張ってみたんだけど。


「もう、遅いよ蓮くん…」

「今更ずるいよ蓮くん…」


なんて言われて女友達が減っていった過去を持っている。

彼女歴0人だ。


女っ気なんて、母親と妹の美羽みうくらいしかない。

家族だし女って見てないけど。

お兄ちゃんをやっている俺としては妹では無く、姉が欲しかった…


自分では社交的なタイプって思ってるんだけど。

小説を読むことも好きだから大学に入学してから図書室へ行く事も多くなっていた。


そして、彼女を見つけた。


彼女が座るテーブルだけは異空間のような気がして。

女神が微笑んでいる。


声を掛ける?

いや、あの空間に入る事は出来ない。


見てるだけで心が和むことなんてあるんだな。


いつの間にか図書室へは、小説見る事では無く、彼女を見る事が目的になっていた。


そんなある日に図書室へ別の女の子が入ってきた。

茶髪にしていて、幼い感じがあるけど。大人っぽい綺麗な人。

でも、見たことは無いし…

女神様もあの子も同い年なのかな?



「ま〜た、本ばかり読んでるの〜??たまには遊びに行こうよ〜!!」

「う〜ん。ちょっと面白いんだよねぇ。じゃあ久しぶりに買い物にいく??てか、またこっちに来たの??」

「だってぇ。遊びたかったんだもん!それにママ達に様子見てきてって頼まれたしさぁ〜」

「それはありがとう!今日は泊まっていく?」

「明日一限からだよ〜」

「それなら遅くなる前に帰らないとだね。」

「親友の為に2時間掛けてここまで来た私を労ってねぇ」

「はいはい。じゃあクレープの美味しいお店があるから行こうよ!」

「うん!自分が食べたいだけの気がするけどねぇ〜」

「1年生の頃に色々探したもん!」



1年の頃??ほぉ〜年上かぁ・・・・・良い!!



他に人が居ないけど、少しだけ賑やかになった図書室から2人が出ていった。



そして…偶然というのはある物なんだって思った。


翌日に買い物に行こうと思って家を出た時。

隣の家の人も出てきた。

引っ越してきたばかりで、どんな人か知らなかったけど。


「あっ・・・・・」

「あぁー!図書室に最近来るようになった方ですよね??」

「そうです!!覚えててくれたんですね!」

「図書室ってあまり人が来ないですからね…流石に覚えますよ!1年生ですか?」

「そうです!!先輩ですよね?」

「私は2年生ですよ。」

「僕は1年の黒崎蓮です!蓮って呼ばれてます!」

「蓮くんかぁ。私は月梨るなって呼ばれますよ」

「月梨さんですかぁ。名前も可愛い…」

「えっ・・・・・」

「あっ!いや、すみません。忘れてください」

「ふふふっ。面白いお隣さんで良かったわ。」



月梨さんはバイトに行くみたいだ。

てか、女神様とお話が出来た…

しかも!!隣に住んでるって・・・・・


やばっ!!


その日から俺達は徐々に会う機会が増えて。

図書室でも会話をするようになった。




…………………………………………………


もう大学2年生になった。

今までは小さい頃からの親友とずっと一緒にいたから。1人になる時間って少なかったけど。

親友は食物栄養学科のある大学に行って。

私は看護学部のある学校を選んだ。

元気があって、ムードメーカーな友達をいつも頼ってた。

年の離れたお姉ちゃんもいる事もあって。

私は甘えん坊って揶揄されている。


妹か弟が欲しかったって思う、

一人暮らしを始めて、折角だからお姉さんキャラになれるようにしようと思うの!


1人は寂しいけど。趣味の読書をする為に図書室へと通うようになっていた。


そんな時…1人の男の人が図書室に入ってきた。

たまに視線を感じるけど…ナンパされる時の嫌な視線ではなかった。

多分…1年生かな?


私はお姉さんキャラになる為に…姿勢を正して本を読む事にした。


その男の人は本を落としたり…何も無い所でつまずいたり。

ドジなのかな??

母性本能??顔も悪くないし。こんなに男の人に興味を持ったのは初めてだった。


気が付いたら私はいつもよりも図書室へ行く事が多くなっていって。


昔、ママに言われた事なんだけど。


「男ってスカートが好きだからね。好きな人が出来たらスカート履くといいよ!パパもスカート大好きなだったんだから!」


その時、ちょっとだけパパを軽蔑した目で見ちゃったけど。

今ならあの時の言葉がわかる。

あの人の前では可愛くいたい!


そして、私が運命を感じた日。


バイトに行こうと思って玄関を出ると。

最近引っ越してきたお隣さんが丁度出てきた。


お隣さんは、あの男の人だったの!!

少しだけど…話も出来た!


名前は蓮くんって言うらしいんだけど。

仲良くなりたいって思って。

勇気を出して話をして、すごく気持ちが舞い上がっちゃった!


バイト先でも

「今日はニコニコしてるね!」

なんて言われて。

顔に出ちゃってたのかな?


その日以降は図書室でも話をするようになって。

コンビニ弁当ばかりって聞いたから。


私は多めに夜ご飯を作って。

何度も鏡の前で身だしなみのチェックをして。

この日の為に買ったミニスカートのワンピース。

あまりミニスカートは履かないからスースーしちゃうけど。

頑張れ月梨!!

自分を応援してからお誘いする為に、彼の玄関の前に立った。


このインターフォンを鳴らすと…

未来は開けるのかな?









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