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四つ目。


 「四つ目…。自らが自らの意思とは関係無く姿を隠す…。」


 私の思考は追い付かない。彼の言葉を反芻すれど、その言葉の真意が理解出来なかった。彼の言葉が脳裏を巡る。巡れば巡る程に全体像は解体され個々の言葉だけが残る。まるでゲシュタルト崩壊の様だった。文字や言葉が崩れていく。形が崩れ、意味を成さないバラバラな線が脳内を埋め尽くしていく。そして…。ソレは私の内を崩していった。私の形は崩れていく。私は意味を成さない肉と骨と皮になっていった。


 「この意味が解るかい?」

 彼は無機質な表情を浮かべる。ソコには何の感情も無いかの様に見えた。彼の瞳から、光が失われていく。艶を失った瞳に私の本能が恐怖を感じている。


 「我を見失うって事だよ。文字通りの意味でだね…。君には、この意味が解るかい?僕等は誰しも…。多かれ少なかれ…。心に何らかしらのきずがある。その心の瑕が自らの許容範囲を上回ってしまう時…。」


 彼はソコで言葉を止め…。

 一呼吸置いてから…。


 「解離性遁走の状態になっても何ら不思議では無いんだよ。」


 と云った。

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