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親愛なる君へ
今は亡き。
親友へ捧げる。
これは私ー。
高野良彦が学生時代に出逢ったー。
ある人物との想い出を書き記したモノである。
彼ー。
倉木英知はー。
何処か影のある人物であった。
彼とは成人になる前にー。
音信不通になってしまったのだが…。
此処から紡がれるのはー。
彼が行方不明になってしまったー。
数日前のー。
ある日常だ…。
他愛もない思い出話である。
遠き日の記憶の欠片だ。
記憶なのだから、書き記されている事にー。
差異がある。
それにー。
多少の脚色をして物語として書いていこうと思う。
そしてー。
この物語が彼を見つけ出せる手掛かりになるのではとー。
淡い期待も込めて…。