Ep.7耀の機体
次の日
まだ葉月は帰ってこないらしい。まだ、俺には勝てないと思っているのだろう。
「1週間来なかったら、まあ探してやるか。」
なんやかんや妹に甘いな。と苦笑しつつその日の授業を受け、テストを先生に渡しに行った。
「これ、お願いします。」
「はいよ。んん!?」
先生は驚き過ぎて声は裏返り、テストを握る手は震えていた。
「これ、君が?」
「ええ、そうですが?」
なぜそんな事を聞く?当たり前だろ。と俺は思いながら不思議に思っていたが、その答えは直ぐに先生から出てきた。
「馬鹿な・・・これは、3年間の授業を全て集めたテスト・・・1年の、しかも入学したてでこんな問題解けるわけが・・・」
なるほどな。そこまで落ちてたと。そういう事か。
「俺、どうなるんですか?」
「わからん・・・が、一つだけ言えることは、自分の魔術人形を好き勝手していい。という事だ・・・」
「あー、ならなんでもいいです。」
そこで俺はニヤリと笑い、
「先生・・・実は、相談があるんです。」
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黒乃葉月視点
まだだ、まだ足りない。
沢山の人に勝負をしかけた。
沢山の人に勝った。
沢山の人に化け物と言われた。
でも、
「おにぃには・・・適わない。」
泣きそうだった。
諦めそうだった。
でも、
諦めないでいられるのは・・・
「やっぱり、おにぃの、お陰。」
そう零し、私は夜の街で、また魔術人形を戦わせる。
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黒乃耀視点
次の日。
「まだ、って事か。」
葉月は今日も来ない。
「ま、そうだよな。」
あんなにボコボコにしたらそりゃあいつの性格上すっげー努力するだろう。
そして今以上に強くなって戻ってくる。
「楽しみだなぁ。」
俺は口元を歪ませた。
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???視点
新入生の黒乃耀。
入学したてであの強さ
そしてあの秀才っぷり。
先生達も耀を常識破り。そう言っている。
「これは、何かありそうね。」
私は零した。
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黒乃耀視点
「ん?」
付けられてる。か。
無理もない。
「ま、本気を出し過ぎた。」
これに関しては自業自得だ。
仕方ない。
「ま、なんでもいいけど。」
そして俺は、ある所へと向かった。
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???視点
「なに・・・これ・・・」
私が目にしたのは、彼の、恐らく最も秘密の情報に近いだろう。
私が目にしたのは、
とても美しく
とても繊細で
とても残酷に相手を狩る
そんな造形、装飾を施されている。
魔術人形だった。
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黒乃耀視点
「学校出る時からバレてるぜ。出てこいよ。」
ここに連れてきたのは俺が尾行に気付いてない。そんな訳ではもちろん無い。
俺は、完成したこいつを使って、
「戦おうぜ?ストーカーさんよ。」
そう叫んだ。
相手が出てこなかったら探してやる。
出てきたら最高傑作にボコボコ
出てこなくても見つけた後ボコボコだけどな。
「自分から出るか、俺に探された後ボコボコになるか。どっちがいい?ストーカーさん。」
久々に煽り文句をつけた。
上手くいくかは知らない。
俺の頭にあったのは
こいつを今、早く使いたい。それだけだった。
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「仕方ないか。」そう声が聞こえ、彼女は現れた。
「美人じゃねえか。なんだ?俺に何の用だ?」
「別に、見かけたから付いてきた。それだけよ。」
それをストーカーと言わずになんと言うんだろうな。
「まぁ、なんでもいいけど、それより」
俺は笑みを浮かべて言った。
「俺の相棒と戦おうぜ?」
どうも。モチベが沢山上がった黒猫系な人です。
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以上。黒猫でした( ´꒳` )