Ep.13変化
「おにぃ。」
そう呼ばれた。憎しみしか出てこない声、呼び方。
「うるさいっ!」
やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ
そんな声で俺を呼ぶな。
「お前は俺に勝ったんだ。それでいいだろ。俺の代わりに頑張れよ。」
「・・・おに・・・」
「早く行けよ!」
そして彼女は俯いた。俯きながら、
「・・・う、、ん。」
そう言い残して。消えていった。
「・・・くそっ!」
八つ当たりなんてして馬鹿らしい。
『それがニンゲンというものでしょう。』
「!?」
突如声が聞こえた。
相棒が出てくる。
「な、んで。」
お前は喋れる?
『当たり前です。それだけ強い魔力があればなんだって喋れるようになります。』
「そう、か。」
『でも、』
彼女、ティルフィングは言う。
『あなたはそのチカラを使いこなせていない。もちろん、あなたの妹もです。あなたが負けた理由はあなたの妹が頑張った結果、あなたよりチカラを使いこなせるようになったからです。あなたは、そのチカラを使いこなせるようになれますか?』
「・・・」
沈黙が流れる。
でも、
それでも、
「俺に出来るかは分からない。でも、やれるだけはやって見る。」
そう言うとティルフィングはふふっと笑いながら。
『あなたになら使いこなせます。魔術人形の真髄を。』
ティルフィングに支えられている。そう感じた。
「ほいじゃ、気合い入れて頑張りますか。」
そう言って、ティルフィングとの訓練が始まった。