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異世界製作日記  作者: 水井 知晴
メイキング異世界
6/13

シード


「終わったー」


 入力と選択を繰り返すこと二日間。

 いや、流石に二日間は誇張になるが、まる一日は間違いなく超えている。

 にしても、ステータスの種類が多かった。まさに暇を持て余した神々の遊びな訳だが、それをすべて導入しようという僕も、なかなかに暇なのだろう。


「この解放感、癖になる」


 神になった特典なのか、疲労感は無い。

 それは精神的な面もそうなのだが、なんというか、束縛感からの解放は別枠みたいだ。


「次は人類について考えないと」


 人類のいない異世界なんて、餡のないいちご大福みたいだ。

 奇をてらうという意味では悪くないし、人類じゃなくとも知的生命体は作れる。

 食べられ無くもないが、正直餡ありのいちご大福には負ける、といった具合だ。


 ……うん、テンションがおかしくなっている自覚症状はある。

 元人間がまる一日ぶっ通しで作業をしたんだ、疲労がなくとも精神には悪影響があって然りだろう。


 それはともかく。


 世界の中に生物を生み出す方法は三つある。

 完全な自然発生を待つ、直接その生命体を配置する、がわかりやすいはずだ。

 自然発生を待つのであれば、どんな生命体が生まれるかわからないというドキドキがあるが、特定の生命体を選ぶ事ができない。

 直接その生物を配置するのは、自分好みの世界にできる反面、手間がかかり、生命誕生が神話チックになるという問題もある。


 じゃあ、三つ目はどうなんだ、と質問してくれたら個人的に話しがいがある。


 三つ目は名前に『シード』を含むシリーズだ。

 これは『さり気なくその生命が誕生するように介入するプログラム』と言える。

 遺伝子操作、もしくはさり気ない自然災害によって、目的の生物を作り出してくれるのが、この『シード』シリーズだ。


 これの利点は生命誕生が科学っぽくなるだけでなく、その過程で生まれた生命体も残る、という点だ。


「ヒューマンは考えるまでも無く必要。エルフやドワーフは種類が多いな、……ん?」


 待てよ、種族は基本、遺伝的な要素で決まるものが多い。

 でも僕が望んでいるのは、遺伝とか関係無しにランダムで種族が決まるものだ。

 ランダムなものを増やしたり、魔法の種類も多く導入することによって、僕はこの世界を『カオス』にしようと企んでいる。


 例えば、エルフが閉鎖的な種族である、という設定は、エルフの森の外でエルフが産まれない状況、エルフの森の中でエルフ以外が産まれない事が、ある意味前提条件として存在している。


 それじゃ駄目だ。

 僕の望んでいる『カオス』に、そんなものは不要、むしろ邪魔とも言える。


「そういう種族はないのだろ……あるんかい」


 『シード』シリーズの中から目的に適したものを探していたら、予想を裏切って存在した。


 まさに暇を持て余した神々の暇つぶしだな。似たような事を言った気がするが。


 『人類』、人型且つ創作物の中でも比較的ヒューマンと友好的な種族をすべて含めた、ある種代表的な種族。

 どのような種族の子供が誕生するかは、完全に運。


 理想的過ぎて、若干怖い。


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