異能力
個人的に、ファンタジーの世界に異能力があるというのは面白い、と思っている。
まぁ、それはおいおい追加するとして、今回この『異能力メーカー』は、ステータスを導入するために使うつもりだ。
察しの良い人なら気づくだろうが、今まで使ってきたのは『キット』と名の付いたものだったのに対し、今回は『メーカー』だ。
『キット』がコンビニで買えるケーキだとすれば、『メーカー』はスポンジや生クリームなどを別で買い、自分で組み立てたケーキに例えられるだろう。
『異能力キット』を世界に導入した場合、知性ある動物にランダムで異能力が与えられる。
このキットと『異能力メーカー』との違いは、与えられる異能力にテンプレートが存在するか、自ら設定しなければならない点だ。
そこで僕は考えた、異能力の代わりにステータスの力を与えたら良いのではないか、と。
ランダムでステータスが使える人と使えない人がいる、というのも良い。
これならどれか一つしか選べない事もないだろう。
「でも、どうすれば良いんだ?」
『異能力メーカー』をダブルクリックして出てきた検索窓を見ながら、目的を達成する為の方法を考える。
検索窓の下には、
『作りたい異能力を、適当に言葉で表現して検索までに打ち込んでね☆
後は君の思考を読み取って補足するよ』
と書かれている。
思考を読み取る、なんて不気味な文言がついているが、これは僕も了承済みなので気にしない。
元々パソコン先輩は、人間に強大な力を与えた時どうなるかを実験したい、という名目で僕に力を与えた。
その時点で、僕は実験対象、もしくはモルモットとして観察される事は決まっている。
尤も、思考を読み取る方法があるなんて聞いていないが。
「考えていることが分かるのだったら、この文章を打ち込むこと自体には意味がない。あるとすれば、意思確認か雰囲気作りがメインか」
個人的にはこういうのも『作業している』って感じで好きだし、特に問題は無い。
「ド○クエ風ステータス、っと」
エンターキーを押すと、詳細設定の画面に変わる。
内容はレア度、与える生物の範囲などといったものだ。
レア度は『?人のうち?人の割合で保有』と『オリジナル』に大きく分けられる。
前者は『?』に数値を入れると、異能力が与えられる生物に、その割合で与える与えないが変化する。
後者は世界に一人だけ、その能力者が存在するという設定だ。
「元ネタ的に、『オリジナル』もありだ」
勇者の証はステータスが見れるかどうか、何てどうだろうか。面白い気がする。
与える生物の範囲は、人型の生物で良いだろう。
いずれはエルフやドワーフも生まれる予定だし、人間だけの特権にはしないように気をつけよう。
そうして僕はしばらくの間、検索窓に文字を入力し、レア度を決める作業を続けた。