ステータス
「うーん」
僕は魔法をどれにしようか、と迷っていた時と同じ様に悩んでいた。
ステータスを使用した魔法を導入する、と言ったが、ステータスの種類によってキットも違ってくる。
例えばこの『ドラ○エ風ステータスキット』だと、ル○ラやレミ○ラといった魔法が使える。
その下にある『F○風ステータスキット』だと、ケア○やテレ○の魔法になる。
それに、ステータスキットは文字通り、その世界のステータスのあり方を決めるものだ。
一例を挙げるなら、『ステータス、卵が先か鶏が先か問題(命名自分)』がある。
ステータスの表示には2通りの意味がある、と僕は考えていたし、事実その予想はあっていた。
まず、『ステータスがその数値だから、これだけの事が出来る』というパターンだ。
レベルアップと共に数値が上がり、それに従って能力も上がるのであれば、これだ。
ステータス主義、ステータスが世界の法則の一部とも言えるのがこちら。
次に、現実でできる能力に対して、ステータスの数値を当てはめる、というものだ。
現代日本における握力測定がこれに近い。
握力60キロと50キロでは、10キロの違いがあると比べる事は出来る。
だが、握力が60キロだからその力が出せる、とは違うのがわかるだろうか。
……すまない、自分でも言っていてよく分からなくなっている。
重要なのは、前者と後者で明らかにシステムの違いがある、という事だ。
複数のステータスを同じ世界に導入する事は、将棋にチェスの駒を追加する行為に等しい、程度に考えてもらえれば良い。
「でも、どうせなら全部入れたいなぁ」
様々な魔法を導入したことで、この世界をどういうものにしたいか、それなりに案が固まった。
テーマは『カオス』、ファンタジーもSFもラブコメも、全部がこの世界にある、を目指そうとしている。
「このままじゃ全部を導入する事は出来ない。なら導入できるように、いじれば良いじゃないか」
僕はモニタ上にある『異能力メーカー』に目を向けた。