準備は大事
ものを作るとなると準備が必要だ。
神の力があるなら、準備なんてしなくても良いだろ?
確かに僕も生前そう思った。だからその気持ちはよくわかる。
まず、世界を作るという事がどういう事か理解してもらおう。
世界を作るにあたって最も重要なことは何か。
それは『世界の法則』だ。
物理法則がない世界に、宇宙を作り星を作り、海を作り山を作ったところで、それは僕たちの思い描くような動きはしてくれない。
じゃあ『世界の法則』を1から作らなければならないかというと、そうではない。
神々は暇を持て余している、という話を覚えているだろうか。
勿論神々の大半は世界を作ったり、作った世界に降り立って遊ぶが、それが出来るのも一部の物好きが『世界を作ろうキット』なるものを作ったからだ。
なんと! このキットを無の空間に放り込めば、地球が存在する世界と全く同じ世界が作れるのだ!
一部の物好きはオリジナルの科学法則を作るらしいが、一般的な男子高校生にできる事ではない。
世界を作れる存在なら、このキットは自由に使える。
しかも物ではないので、無料で使える。尤も有料だとして、何を払えばいいのかわからないが。
「という訳で、ていっ」
神になってからおよそ30分後、初めて自分の世界を作った。
ん? 世界を作るなんて壮大な事を言っておきながら、あっさりと終わり過ぎだと思ったかい?
むしろここからがメインだ。
この日記の題名をよく見てくれ。
僕が作りたいのは世界じゃない。異世界なんだ。
この世界を如何に自分好みの世界にするか、それを楽しもうってのに、ここで終わる筈がない。
さて、どんな世界にしよう。