悪魔になれ!少年と少女の物語~
「ねぇ、君は生きてほしい?」
「......欲しくも何も、今の僕は、死んでいるのか」
暗闇の中、少年は裸で自分の体を抱き込んでいる。突然どこからにもわからない声が出ていで、少年は少し困惑している。
「そが~わからないのか~」
その声は、なんだか楽しそうに聴こえる。
「僕はともかく、あなたはだれ?ここは僕一人しか存在していない空間のはず、そもそも、僕は何者だ」
「フンフン~焦るな、もうすぐだよ、もうすぐ、君はすべてを知る、いえ、すべてになる。それまでは、もう少しの辛抱だ」
声がだんだん遠く離れつつ、少年は慌てて叫んでいる。
「待て!行かないで、まだ問いたいことがある」
体は激しい震えている、でも体制は変わっていない、まるで制限されたのようだ。
「フフフ......」
声は少年の叫びを気付かないように小さくなりつつ、それで完全になくなった。
暗闇の世界、ただ少年一人、必死に叫びこむ。
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大陸の一角、白き雪が大地に真っ白な色を染める、嵐の声は野獣が吠えるのように世界を満たす。
新生ソヴェトの秘密実験室がそこにある。
「ハイロン博士!本部より、実験品666番を本国に移送要請が入り、それに実験データを我々に渡してください」
薄暗い実験室の中、不気味な生態維持装置がそこそこにある、忌々しい緑の光の中、化物のようなものが浮かんでいるいる。
真っ白な白衣を被っているご老人、はまっている目つきで目の前にある一つの装置。彼の後ろに、黒い軍服を着ている軍人が立っている。
「見ゆ!少尉、これは傑作だ、何と言う美しい!」
「は、博士、そろそろ行かなくきゃ......」
「ぜぇ、だから言った、貴様ら軍人共は美学のセンスがない、まぁいい!気を付けて運べ!」
老人は不機嫌な表情を晒して手を振る。
「は!」
少尉と呼ばれた軍人は実験室を出る、外は黒い巨大な飛行艇が泊まっている。黒ずくめの軍服を着ている軍人がマシンガンを持って周囲を見回す。
少尉は軍人たちにこえをかけ、実験室に連れて入る。
誰も気つかなかった、いつの間に老人の姿はその場で消えた。
「愚かな奴らめ、そんな実験が成功したにしても何になる。」
老人は中のある部屋の机に座って、周囲は炎が燃えている、色んな書類が燃えつくす、彼はまるで別人のように、態度が変わった。
「いずれに、人は人の手で滅亡だろう、儂は、あの世で見守ってやろ、うふふははは」
狂気な笑い声の中、赤き火炎は老人を喰う。
「火事だ!」
「慌てるな!実験品の安全を第一に!」
炎に気付いた軍人たちは慌てて装置を運ぶ。
夜の雪原、燃え上がっている紅蓮は目立つにしてもすぐ消え、その嵐に埋められた。
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