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三匹:三人寄れば文殊の知恵

「いざ、開・店!」

がらがらがらがらー、ピシャン!

朝の六時。 まるで目覚ましのベルのような、うるさい音をたててシャッターが開く。

「ほら、起きろアルメ。仕事だ仕事!」

俺は嬉しそうに言った。 初めて仕事仲間ができたのだから。

「ふあぁぁ〜。(あくび) きークン、早くない?まだ六時だよ?」

アルメは目をぱちぱちさせながら眠たそうに言った。

「ここは学生も通る道だからな。早めに用意しねーと常連さんに失礼だからな。あと、きークンというあだ名は認めよう。」

『きークン』かぁ・・・。 俺はあんまり仲の良くなった女子が居なかった。だが、一人だけ俺の事をあだ名で呼んでくれた人がいた。それは中学生の時。学校中でかわいいと人気のあった女子が居た。偶然その人と同じクラス、隣の席になり、よく俺の方から話しかけた。するとその女の子も話してくれるようになり、あだ名を付けてくれた。それが『きークン』だった。その後も仲良くなり、いっしょに遊園地にも行ったりした。そこで俺は思った。告白したら成功するだろうと。そしてクラブも無い休みの日、俺はその人を公園に呼んだ。砂場の所で二人で遊んで、すぐに俺は告白した。「付き合ってくれ」と・・。だがその人は、「お前なんか恋愛対象に入ってねぇんだよっ!!」と言いながらその場で俺にストーンコールドスタナーをくらわして、そのまま帰ってしまった。その日から俺はその人と話したことが無い。

「どうしたのきークン、悩み事?」

「あ、いや、別に。」

俺としたことが脱線しちまってたようだ。

「今から商品を並べるのだが、ここでアルメに問題だ。この時間帯は何を並べたらいいと思う?」

「ざぶとん!」

「いや、なんでだよ。ヒントはなぁ、学生が昼に食べたりする物。」

「納豆!」

「ちっがーう!パンだよパン!おにぎりとか!」

「あ、なるほど。」

なんだよこの馬鹿みてーな会話。 そんな事してると、もう学生達が通り始めていた。

その中の男子学生が店の方に来た。 おれは急いでアルメを店の奥に行かせる。

「希久夫さん、おっはー。今日もパン買いに来ましたー。」

「おう、おはよう。まだパン出してきてねーから、ちょっと待ってろよ。」

そう言って俺は、アルメの方に向かった。

「よしアルメ、初仕事だぞ。まずそこのパン並べて、その後接客。あと、絶対フードは被っとけよ。」

「らじゃ!」

そう言うと、パンを持って並べに行った。

「んじゃ、俺も運ぶか。」

とりあえずパンを持って、アルメの後に続いた。

「いらっしゃいませー。新入りのアルメでーす。」

そんな事言いながらウインクしてやがる。 なんか子供っぽいというか・・。

「あれ?希久夫さんバイトさせてるんすか?それとも彼女とか?」

「なんつーかなぁ・・拾った。」

「拾ったってどういう事っすかぁ?なんか犯罪の臭いが・・・。」

「バカなこと言ってんじゃねーよ。」

こいつとの会話はいつもこんな感じのくだらない話だ。

「あ、やっべぇ遅刻!今日朝礼だった!スンマセン今日やっぱいいです。それじゃ!」

「おお、いってらー。」

「いってらっしゃーい」

結局なんも売れなかったか。 するとまた、お客さんが来た。女の人だ。

「すいません、このへんの地図って売ってますか?あんまりこの辺、分かんなくて。」

「あ、地図ならありますよ。えーと、100円です。」

そんな普通のやりとりを、じーーっとアルメがみていた。

「あ、おはようございます!アルメでっす!」

アルメの挨拶ににっこりとその人は笑った。

「あの、道が分かりにくいんでしたらお送り致しますよ。」

俺は何でも屋として、このお客さんは逃がせられなかった。なぜなら最近、なかなか客が来てなかったからだ。

「おやおやおやー。きークン、ありとあらゆるいやらしい事を考えてませんかー?」

「んな訳ねーだろうが。」

お客さんの前でまであんまりバカな話してられないんだが。

「あの、行きたい所分かんないんで、着いてきていただけますか?」

「あ、はいはい、えーと少々お待ちください。」

そう言って、アルメを店の奥に連れて行った。

「アルメ、お前は店番をしてろ。今からの時間帯、あんまり人も来ないから大丈夫だろ。」

「えー。きークンが店に居とけばいいじゃーん。」

「あのな、読者の皆様は知ってるんだがな、あの人ストーンコールドスタナーの人なんだよ。どうしても、頼む!」

「よく意味わかんないけど・・・、しょうがない。ここはアルメ様にお任せを!」

「すまん、恩に着る!」

そう言ってから俺はその人と町に出た。


――― 30分・・あ、32分ぐらい後 ―――


「ただいまー」

「だああああーーーー!!!!ちょっと待って!ストップ!!」

アルメが部屋の奥に「何か」を押し隠しながら大声で言った。

「アルメさ、お前ほんと子供っぽいな。なんか拾ってきたのか?虫とかか?」

俺がそう言うと、部屋の奥から誰かが出てきた。

「あ、あのー」

そう言いながら出てきた人の頭に付いてたのは、

「猫耳じゃん。」

びっくりしすぎて素で反応してしまった。 それより、

「おいアルメ、これはどういうことだ?」


だっはー。やっと三話までいきましたよー。最近テスト終わったんでやっと投稿できました。一話、二話と読者数が多いんで、読んで下さった方々は本当にありがとうございます。これからもがんばりますよー。

あと、感想、評価など、気軽に送ってもらうとありがたいです。 では四話で!

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