二匹:久しブリブリブロッ・・何でも無い
「猫・・・ねぇ・・」
まったく有り得ない話をされて、俺の脳みそは訳分からなくなっていた。
「で、結局何食ったんだ?」
「だーかーらー、カップ麺!置いてあったの!」
カップ麺、か。いくら体に悪いとはいえ、猫が人間になる訳など・・
「あっ!!!」
「にゃっ?!!]
俺は思わず声を上げた。思い出した事があった。
「そういえば俺、カップ麺食ったあと、実験とか言って色んな物を汁にぶちこんだ覚えが・・・・。」
「な、なにを入れたと言うのですか!」
幼い声で聞いてきた。 少し間が開く。
「確かな、砂糖と塩と重曹と味の素と蜂蜜と黒蜜と胡椒を入れた。」
「・・・・・・・。」
アルメの顔が青ざめていた。
「いい匂い〜と思って飲んだのに・・・。猫としての自信を失くした・・」
とは言っても俺から見れば人間にしか見えない。
「とにかくそんなに落ち込むなよ・・な?」
そう言いながら俺はアルメの頭を撫でた。フードがスルリと脱げる。
「み、耳がついてる・・・」
アルメの頭に付いていたのは紛れも無く猫の耳だった。
「あれれー、驚いてるの?」
からかうように言ってきたので、少し得意げに、
「んな事ねぇよ。」
と言った。顔は引きつっていたが。
「えー・・と。で、お前はどうする気だ?野良猫さん。」
意地悪な質問に怒ったり、悩んだりする。のかと思いきや、
「ここに住む!」
と笑顔で即答してきた。
「いや・・お前な?この部屋ん中みりゃわかるだろ?うちは金がねぇんだよ。」
「じゃあアルメがお金つくる!」
「いや、お金つくったら犯罪だから。とりあえず家で飼うことなどできんな。」
「・・・」
アルメの目がウルウルしていた。実際の所、長い間独りだし、ひきとってやりたい。それに、俺も一人の男だ。女子と同居なんて夢のような事だ。だが、二人も暮らしていける程の金は無い。迷う。迷う。
「だ、だ・・め?」
「よかろう、飼ってやる。」
やっぱり誘惑には勝てやしない。人生なんてノリだ、ノリ。
「やったー、やったー!!」
無邪気に喜ぶアルメ。だが、俺には「頼み」があった。
「そのかわり、自分の食費等はしっかり稼ぐ事!という訳だから、しっかり働いてもらうぞ。」
「らじゃ!」
良い返事だ。とは言え、こいつにどんな仕事ができるというのか・・・。
「・・・にしてもこの残り汁すげーな。」
更新が遅れてしまい、本当に申し訳ありません!
でも、嬉しい事に、一話の読者数は凄く多かったです!読者の方、ありがとうございます。