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プロローグ「物語は須らく自分語りから始まる」
プロローグ
物語は須らく自分語りから始まる
いつからだったか物語が好きになっていた。
特に高校生活を題材にした青春物語が好きで、そればかり読んでいた気がする。
小説でも漫画でも部屋の本棚にはたくさんの青春が並んでいると思う。
きっと、僕には手に入れられない物だと思ったからその世界に魅力を感じたんだと思う。
無い物ねだりと言うやつだろう。
「僕には手に入れられない物」
そっか、手に入らないのか。
なら仕方がない。
なんてそう簡単に諦められず余計に欲しくなってくるのが人間というもので、やはり僕も人間だった。
どうにかして青春を手に入れられないか。
気づけばそんな事ばかり考えていた。
青春、つまり高校生活は一度きり。
それを逃したらもう二度と手に入らない。
そんな事は当然わかっている。
一度きりのチャンス。チャンスは一度きり。
二度目の青春は来ない。
そうだ、だったら…
そして僕はある一つの決意をした。
「自作自演の青春物語を作ろう」
答えは結構簡単に最も単純なところで決着がつき。
僕は早速青春の舞台作りから始めた。