愛慕
夏があまりに強いから
その空気に飲まれて 暑さに呼吸を忘れて 茹だり
飲食もできず 痩せ細り 奇妙に温度の下がった肌は白いままで
私は向日葵の花であった
馬鹿みたいに天を向くことしか能が無い
首を垂れることは許されない 価値を認められない
枯れた花など見向かれない
太陽が隠されても 厚い雲しか見えなくとも
ただもう一度 照らされることだけを望んで
たまに気まぐれに温められて
生きようとしたところで すぐに雨に打たれる
せめてひと夏生きようとしたが
けれどもう 少し疲れた
夏があまりに綺麗だから
夏よ 私は今日死ぬ