#6
せめて、せめて都だけは…!!
怪物は情もなく上げた拳を思いっきり振り下ろしてきた。
俺は死を覚悟した…
しかし、拳は俺の頭に振っては来なかった。
代わりに…
ドォォォォォォォン!!!
二度目の轟音がした。
咄嗟に都へ駆け寄る。
「都!!大丈夫だったか!?立てる…?」
「うん…よいしょっと…」
だけど、一体何が起きたんだ…?!
「おい、ガキども!!何でこんな夜中にこんな危ないところうろついてんだ!!」
「やめなさい、夢斗…怖がっているじゃないか。」
急に怒声が飛んでくる。誰なんだ?この人達…
頭にははちまき…袴を履いている…?
今起きた状況が理解できないでいると、二人組のうちの一人がこっちに駆けてきた。
「君たち…これを口に含んだまま、早く家に帰るんだ。家に着くまで、絶対に飲み込むんじゃないぞ。」
こくんと頷いた後に俺たちの手のひらに乗せられたのは、小さい金平糖のようなものだった。そしてすぐ口に含む。
「よし、いい子達だ。それでは私は失礼するよ。」
そう言って彼は神社の境内の方へ走って行ってしまった。
だけど、今はそれを気にしている場合じゃない。
「おい都、とりあえず帰るぞ!!」
そういって都の腕を引っ張る。
「おっけー…いっ…」
急に都の顔が歪み、その場にしゃがむ。
「おい、大丈夫か?!」
「ごめんごめん、大丈夫。さっ行こ!!」
そうして俺は走って都を家に送り、隣に立つ自分の家に帰った。
突然現れた大きな怪物…
その前に立つ和装の人物たち…
彼らはいったい何者なのか?
次回、お楽しみにっ!