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桜天界下ニテ  作者: 双葉奏
5/46

#5

「はぁ~あ、疲れた…。ありおりはべりいまそかり、ありおりはべりいまそかり…」

「ちょっと翼うるさい!!!すいへーりーべーぼくのふね、すい、へー、りー…ああああ忘れちゃったじゃん翼のばか!!」

「バカってなんだよ!おまえの方がバカだろーがバカ都!!」


そんな他愛ない会話をする塾帰り。二人とも、それぞれ暗記テストのやり直しで居残りをさせられていた。

「今夜は月、明るいな…ん?おい都、あれ…。」

俺の視線の先には、妙な灯りがともる桜舞神社があった。

俺らは普段塾の帰りにここを通るのだが…



初夏なのに満開の桜、それを燈す提灯…まるで、そこだけが違う世界のように綺麗なのだ。

こんな桜舞神社、見たことない。


「なんか、綺麗だな。ぼやぁ~っとしてて…」


都はその景色に吸い込まれるかのように近づいていく。

手が灯りに届く…そう思った時、




ドォォォォォォォォォン!!!


物凄い轟音ごうおんがした。反射的に体は後ろへ下がっていた。



「おい、なんだよ今の…っ!?」



______そこには、見たこともない大きな怪物がいた。いきなり拳を振り上げてくる。


「わっ!」

慌てて攻撃を避ける。間一髪避け切れたようだ。



しかし、都が見当たらない。

「都…?」

名前を呼ぶと、袖を引っ張られた。どうやら俺の後ろへ逃げていたようだ。


「翼…何、これ…!?」


「わかんねぇけど、とりあえず逃げるぞ!!」


俺は都を立たせて神社の奥の森まで走る。






5分ほど経っただろうか。俺たちは、森を抜けてもう一度神社の境内の裏で座って休んでいた。


「はぁ、はぁ…都、大丈夫か?」

「大丈夫…ちょっと疲れたけど。」


もう足音は聞こえない。何とか逃げられたようだ。


そう思ったのもつかの間。


「翼…後ろ!!」


そう言われ後ろを向くと、さっきの怪物の姿があった。

怪物は拳を振り上げる。


立ち上がろうとしたが、駄目だ…もう間に合わない!!!

せめて…せめて都だけは!!

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