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待ち伏せ その2

ダズの魔法とカティナの魔法で馬車のダメージが抑えられたもの依然として攻撃は続く。


「前方の異変に注意してくれ、そろそろなにかしらの妨害があるはずだ」

「言われずとも!」


山賊はどういった方法かは知らないが木々に身を隠しつつも馬車に並走するという離れ業をやってのけている。


「魔法使いがいるかも・・・」

「どうしてわかるの?」

「人影が減らないの、皆ずっとついてきてる」

「馬車の速度についてくるのか、魔法使いがいるとそんなことができるのか?」


ルナが窓を見ながら言うとテイロスは疑問を浮かべる。魔法使いとしての経験も知識も浅い

テイロスは身体強化など知識としてはあってもそれが馬車などに匹敵するとは思ってみなかったのだ。


「相当に腕が立つはず・・・」

「ヤバいじゃん、そんなのが・・・」


ティナは顔を青くする。身体強化を複数人に施すだけでも相当な技量のはずだが

それが馬車に追随できるほどとなるとさらに難度は上がるはずである。


「わかんないけど、そうなるとディーン先生だけじゃ対処が難しくなるんじゃ?」

「そうなると私達も戦わないといけない」


Fクラスの皆は杖を取り出し、戦力の確認を行う。


「えっと、じゃあ得意な魔法を一人ずつ教えて!」

「雷!」

「霧・・・」

「「土」」

「風」

「水と風です」


ティナ、クロエ、ダズとテイロス、カティナ、マリーが言う。


「ルナちゃんは?」

「火はちゃんと使える」

「じゃあルナちゃんが攻撃か」

「土の魔法なら矢や飛び道具は防げるとおもう」


あれこれと話し合う中不意に馬車が大きく揺れてルナ達は馬車の中を転げまわった。


「わーっ!?」

「ぐえっ!」


テイロスは巨体故に天井に引っ掛かって誰かを押しつぶすことはなかったが

他の面々は前方に転げてぶつかり合っている。


「うぅ・・・なにが・・・」

「馬車がとまったっぽいね・・・いたた」


窓の外を見ると馬車は止まっている。そして既に戦いが始まっているのか金属のぶつかる音が

響いていた。


「どうなっているんだろう?」

「外にでると危ないんじゃ・・・?」


マリーがこわごわ呟いたと同時に馬車のドアが開け放たれる。


「昼間のガキはどこd・・・おごっ!」


覗き込んできたのは厳つい顔の山賊だった。しかし運が悪くテイロスの手が届く範囲だった

ので服を掴まれて馬車の屋根に叩きつけられて突き飛ばされる。


「外にでるぞ!」


テイロスを先頭に馬車の外に転がりでるFクラス一行。頭をぶつけて悶えていた山賊は

かわるがわる一行に踏まれて失神した。


「御者さんは?」

「ここでーす!皆さんあまり馬車から離れないで!囲まれてます!」


御者台から振り落とされたらしい御者が馬の背に引っ掛かる形で手を振っている。

通り道は倒木が塞いでおり、急ブレーキをかけた結果があの揺れらしい。

御者と馬にはカティナの矢避けの魔法が聞いているからか体を晒していても無傷だが

御者を飛び越えるように時折矢が飛んでいる。


「ダズ君!壁!壁を作って!」

「はいっ、と」


杖を振ると土壁が出来上がり、全員が馬車を背に土壁を前に出して隠れる形になる。

土壁は矢や礫を防ぐのに十分な強度があり、なにより彼らの視界を遮るので十分な

機能を持っていた。


「皆さん!追手を分散するために馬を逃がします!私も逃げて宿場町で応援を呼んできますから頑張ってください!」


御者はそう言うと馬を繋いでいた綱を切ると一頭の馬に鞍を乗せて鞭を入れた。


「えっ!ちょ、まって!」


魔法学校の生徒ということで戦闘能力があると思ったのだろう。御者はカティナの矢避けの魔法が

残っている内にその場から逃れて助けを呼ぶという作戦に出たようだ。

しかしながら残っているのは一年生。もちろん実戦で魔法を使ったことなんかない。

唯一の実戦経験者は泥団子を投げていたティナとテイロス、ダズだけである。


「はっ!」


御者は騎手としてもかなりの腕前らしい。馬を巧みにコントロールして倒木を飛び越えると

一目散に逃げ出していった。もう一頭もその御者に追随する形で倒木を越えて走り出すと

山賊は何人かが馬を追いかけて走って行った。


「減ったのは減ったけど・・・うわっと!」


移動できなくなったことを知って山賊たちはじりじりと近づいてくる。

剣戟の音が続いているのが聞こえるのでアダムはアダムでまだ戦っているのだろう。


『昼間のガキ!出てこい!』

「ひえーっ、根に持たれてる」

「何やったのさ」

「石ころ詰めた泥団子投げまくった」


あっけらかんと答えたティナにクロエは唖然としている。


「そうだ、クロエちゃん、霧はどれくらい出せるの?」

「・・・二メートルか三メートルくらいの目隠しができるくらいかな」

「土壁の前に出して、その間に馬車の反対のドアから出て山賊の後ろに・・・」

「ダメだ、反対側からも来てたからドアは塞いできた」


テイロスの言葉にルナは振り返ったが、確かに馬車を見ると移動させた荷物がドアを塞いでおり

その窓から山賊たちが近づいてきているのが見える。


「くっそー、こうなったら戦うしかないんだね」

「特にティナはひどい目に遭いそうだし」

「嫌なこというなー!」

「とりあえず全員に矢避けの魔法を!」


カティナは頷くと再び杖を振る。すると全員の体が淡く光った。


「これでよし、でも矢に魔力が込められてると効果が薄くなるかも」

「そうなったらもうどうしようもないけど・・・抵抗しなかったらどのみち大変だから!」


全員は顔を見合わせて頷くと土壁を乗り越えた。

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