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国境沿いの町、ウッドリーフ

採取班はアダムの引率の元、装備を整えて山へ向かうことに。


「せんせー、どうして今から装備買うんですか?」

「ユピトール、お前ここの魔力草がどういう扱いかわかってるのか?」


アダムが問うとティナは首をそのまま傾けた。


「ここに来るまでの話聞いてなかったのか?」

「え、なんか言ってた?」

「魔力草って売れるでしょ?そうなると国とかってどうする?」

「国が商売にする!・・・なるほど、国で管理されてるのか!密猟扱いされない為にここで装備を買うんだ!」


ダズが利益に絡めて説明するとティナは手を叩いた。

アダムとテイロスは呆れ顔だ。


「ともかく、採取の道具を揃えるぞ」


昨日は来たばかりなこととルナとアダムが別行動だったために皆町の事は殆どしらなかったが

ここで改めて町の事を調べることに。


「ここは山間部国境沿いの町、ウッドリーフ。元々は木材の加工を行っていたところだそうだ」

「木材?」

「近くに山からふもとまで流れる川がある。今でも小規模ながら木材の加工業が行われてるようだ」


馬車の道中で見ただろ?とアダムが言うとダズ以外のメンバーが頷く。


「木材は何時でも需要がありますよねぇ、どうして今は規模が小さいんですか?」

「治安と国境の問題らしい。以前は国境の向こうまでが樵の作業場だったらしいが魔力草を原因にした国境紛争が一時起こったために樵たちは追いだされ、人が居なくなった場所に両国から逃げてきた犯罪者たちが住み着いた」


四人は町の簡単な歴史にふれつつ町を探索すると、魔力草の採取においてガイドを請け負う店をみつけた。


「ここか」

「こんな色んな商店の中にあるもんなんですねぇ」


ガイドはなんと土産物屋の列の中にあった。待機班があれこれと土産物を物色しているのを後目に

アダム達は店の中へ。


「ごめんください、魔力草の採取に行きたいのだが」

「いらっしゃい、ええと四人でいいかな?」

「そうです、道具はここで借りられますか?」

「もちろん、むしろここで借りたもの以外を使うと咎められますよ」


そう言いながら応対してくれたのは中年の男性だ。店にはいくつかの道具が置いてあるが

どれも驚いたことに錠前のついた箱に収められている。


「この鎌で花の部分を刈り取るか根っこからこのシャベルで掘り出してください」

「なんでそんな厳重に直してるんですか?」

「これは魔力を通さない特殊な加工がされているんです。そのお陰で魔力草を採取した時に変質したり劣化したりしないんですよ」


ガイドの男性が言うには魔力草というのは採取した際に魔力を持ったものが乱暴に触れると

その魔力の影響を受けるのだという。元より魔力鉱石の影響を受けて生える植物だから

仕方ないのだが、それは採取する人間によっても変わる。


「影響を受けるとどうなるんですか?」

「基本的に刺激を受けた魔力と同質の魔力に変質するか、収穫期の物だと魔力の過剰反応で枯れてしまいます」


無属性の魔力を含む魔力鉱石、それに魔力草。それぞれにある不思議な特性は

魔力を持った生物の刺激に触れると変質してその魔力と同等の性質を持ち始める事だ。

それ故に数多の生物がその魔力草を乱暴に引きちぎって食べたりする。

本来は同等の魔力性質を放つことで同族と認識させたり、同質の魔力を持つことで生態系に

適応する能力だと思われており、魔力草が持つ防衛機能ではないかという話だが

それが機能するのは植物同士だけである。

生き物は引きちぎると自身と同じ魔力の性質を持つことが自身の魔力補充に繋がることを

意味するので緊急時にそれを食べることで魔力を補充するのだ。


「植物が植物を攻撃するんですか?」

「魔物なんかは例外的にな、もしくは発芽すると魔力を散布して周囲の植物を攻撃する植物もあるんだがその場合にも魔力草はそれに適応して生き延びることができる」


植物でも魔物に属する者は移動することがあり、一見すると動物のように見えるものもある。

これらは魔力を必要とするため他者の魔力を奪う目的で動物などを襲うことがある。

これは魔力草とは別ベクトルの防衛本能で、現地の魔力を得ることで移動した先の土地で

適応するためらしい。


「へぇー、ん?でもでも先生、一旦それで反応しちゃった後に別の奴きたらどうすんの?」

「いいところに気が付いたなユピトール。実は魔力草の面白いところは定期的に自分の中の魔力を入れ替えることができるんだ」

「入れ替える?」

「植物はわずかずつではあるが水を放出しているんだが魔力草はそれと同じ要領で過剰に溜まった魔力や外部の刺激で変質した魔力なんかを放出できるんだ」

「それで失った魔力は水と一緒に近くの魔力鉱石から吸い上げると」

「そういうことだ」


ダズとティナが興味津々で色々と聞いてくれるのでアダムは笑顔である。

それを他所にテイロスはガイドの人と道具について話し合っていた。

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