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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
銀の黄昏健全化作戦!
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夢は幻の如く

ダッカーノ達を一ヶ所に集めてエトナーが縛り上げている間にアダムは改めて彼らの罪状を確認していた。


「違法な魔道具の売買、薬物、人買いに身売りの幇助。金が稼げれば何でも良かったみたいだな」

「私らが目くじら立てる理由がわかるってもんだろ?」


手早く全員を縛り上げ、頭を杖で小突きながらエトナーは言う。何時からかは分からないがダッカーノの子分は全員札付きの悪党になってしまっている。


「まぁな、コイツらの悪名が銀の黄昏の悪名になってると言っても過言じゃない」

「悪魔召喚でしょっぴくのも出来なくはねぇが、その証拠があればそんな事も必要ねぇ。こってり絞ってやる」


表向きは悪魔の召喚も罪と言えば罪である。何せ神と対になる存在だ。規制されて当然ではあるが、彼らの中には民衆の生活に根付いて土着信仰化していたりなんか親切な親戚のおじさん扱いされてるヤツまでいる。

天魔戦争の後、悪魔は既に種族の一つと見なされていると言っていいのだ。そんな彼等も権利を保護され、契約を遵守している以上「悪魔だから」というだけで取り締まる事は出来ないのだ。


「さて、年寄りの仕事はここまでだな。後は若いヤツらに任せるか」

「そうだな、ワシも流石にくたびれたよ」


腰を伸ばして唸りながらアダムはため息をついた。





「え、えと、その、銀の黄昏が再出発するため、綱領を発表したく」


ポエトが異端審問官の面々に睨まれながら綱領を書いた紙を手に発表の場に立っていた。

さすがのポエトも歴戦の異端審問官を前にすればその威圧感に気圧される。一人一人がアダムやエトナーにこそ及ばないものの一対多数での戦闘すらこなす腕利きの戦闘員であり、魔法局や治安維持組織の補佐もこなす捜査員。そしてなにより・・・


「・・・」


罪人を戒める執行官。時には拷問すら行う尋問官である。

彼らに疑いの眼差しを向けられる事は抜き身の刃物を突きつけられることに等しい。

そんな人々に集団で睨まれているのだ。ポエトの緊張も仕方ないのだが


実際は少しだけ違った。


(なぜこんなにボロボロになって・・・)

(もしかして彼は何処か先に罰を受けてきたのでは)


そう思っていたのだ。彼等は皆、隠された罪を暴き、抵抗する悪人を神の教えや聖術、時には武力をもって叩き伏せて調伏することが彼らの仕事だ。


「私は、数々の罪を犯しました。その罪はただその罪状を精算したからといって許されるものではないと思います」


その中、罪人を痛めつけ、悪人を絞りあげて自白を引き出す中でも彼等の中にあるのは彼等罪人の中にある善意の覚醒、もしくは悪意と罪からの脱却を望む気持ちである。

彼等はどうにかして悪人を更生させたいと思っているし、更生したいという人を信じたいとも思っている。

だからこそこうしてやって来たポエトの存在を彼等は半ば期待して集まったのである。


「それでは、如何様な償いをしていくと?」

「信頼を積み重ねることしかありません。今の私はまだ気づいたばかり、償うのも変わっていくのもこれからになります」


審問官の問いかけにポエトはそう答えた。

そして、綱領を広げて声高に読み上げた。


「一つ、魔法を極めることはその道を極める事!道を外れる者に魔法を極める資格はない!」


大きな声で叫ぶと同時にポエトは腫れた顔の痛みに顔を顰めた。しかしすぐに姿勢を正すと続けた。


「二つ!その道とは法と理と義である!」


(魔法局の治安維持部隊の訓示・・・!)

(なるほど、秩序に従うと)


審問官達はその言葉にポエトのやる気を感じ取っていた。

自身を罰し、その痛みが引かぬ内に自身の意志を示し、組織へのメッセージとするのだと。


「三つ!魔法の探究は決して公序良俗を侵すものであってはならない!」


中には懐疑的な視線を向けていたものも居ただろう。しかしそれもその言葉が、掲げられた綱領がそれを改めさせた。


「四つ!魔法の研究は、独占されるものでは・・・」


読み上げる途中でポエトはふらつき、膝を着いた。審問官が慌てて抱きとめるとその身体の傷が熱を持っている事に気づいた。


「身体を鞭で打ったのか・・・この状態で何も償っていないとは・・・」

「失神しているな・・・こんな状態で綱領を読んでいたのか」


審問官達はポエトの手から綱領を取るとその内容を読んでその内容に十分なものが書かれていると理解できた。

後半にはしっかりと違反者への処罰や除名処分などの項目も触れられており、組織の規律を確保するための文言も明記されていた。


「ひとまず彼の意志は十分に伝わった。後は彼がその言葉通りに行動出来るかを見守らせて貰おう」

「そうだな、異議なし」

「私もだ」


審問官達は揃ってポエトの意志と決意を信じ、次はそれを行動で示してくれる事を願いながら銀の黄昏への教会からの規制を緩和する方針を示す手続きを始めた。


「しかし一つだけ気になったのだが」

「何がだ?」


そんな中で一人の審問官が一つの疑問を口にした。


「精霊の混血である彼はどうやってあんなにボロボロに?」

「・・・」


精霊は物理的な力に対して受けるダメージは少ない。精霊の混血であるポエトもその特性により殴られたりと言ったダメージには耐性があるのだ。

その耐性をブチ抜く勢いで殴ったのか?と考えると彼等はポエトの謝罪の意思を疑う事は難しかった。


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― 新着の感想 ―
なんか親切な親戚のおじさん扱いされてるヤツに笑ってしまった ソロモンの悪魔には対価を求めないやつもいるそうですが(名前忘れた) 年を取ってひねくれたせいか〇〇の知識を与える系の能力で対価を求めない悪魔…
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