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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
銀の黄昏健全化作戦!
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大人しくせい!

アダムは嫌々ながら持ち合わせた武器を手にエトナ―に立ち向かうことになった。


(対人用でどこまで効果があるか・・・謎だな)


普段なら面倒くさがって勝手に引いてくれるがどうにも今はエキサイトしているらしく積極的になっている。


「おおっ!」


杖を振り回すとその度に誰が持ち込んだのか分からない石製の彫像や立ち木がなぎ倒されていく。

エトナーの膂力と不壊の神器である杖の耐久性の成せる技だ。


「なんて迷惑な奴だ 」


一応魔法使いの建前があるので火球を飛ばしたり、風をぶつけて見たりするものの


「かっはぁ!干し肉でも炙ってんのかぁ?もっと火力出してこいや!」


エキサイトしているエトナーは防御する素振りすら見せない有様だ。元より神の加護を受けて魔法に高い耐性を持っているだけにこの手合いを魔法で仕留めるのは難しい。


「仕方ないか」


アダムは逃げる足を止めるとエトナーが杖を横薙ぎに振り抜いたのをバク宙で躱すと袖から鎖分銅を取り出してエトナーの首に引っ掛けた。


「ぐっ!」

「大人しくしろ!」


引っ掛けた鎖を背負うようにして体重を乗せるとエトナーが足をバタつかせているのを感じていた。

本来ならこれで終わりだ、だが突然鎖から嫌な音がなり始める。


「ふがぎぎご」

「ぬうっ!」


手に振動が伝わり、突然すっぽ抜けた様な感覚を覚えたアダムは前転しながら鎖分銅を見る。


(鎖を切りやがったな、何を使った?)


鎖が何かで切断されたらしく千切れてしまっている。何かしら道具を使ったと思ったが・・・。


ガギッ!ゴギッ!


「ぷぇっ!鎖が細すぎるぜ、これしきじゃあな!」


エトナーが鎖の一部を吐き出しながらにっかりと笑っている。どうやら嚙み切ったらしい。

杖を振り上げて再び攻撃体勢に入ったエトナ―を前にアダムは呆れるしかなかった。


「つくづく人間やめてるな」

「お前も仲間に入れてやるってんだよォ!」

「断る」

大振りの杖の攻撃を体を捻って躱すと口の中に杖を突っ込んで火の魔法をぶっ放す。

すると口の中で小さな爆発が起こり、エトナ―も流石にたたらを踏んだ。


「ごほごほっ!煙てえな・・・ゲホッ!ごほっ!」


咳き込みながら悪態をついているエトナ―は玄関口でこちらを伺っている視線に気づいた。


「誰か帰ってきたな?」

「なに?」


杖の攻撃は止まらないが二人はまるで示し合わせたように回避と攻撃を繰り返しながらとある方向に注目した。

そこにはダッカーノ達がこちらの様子を伺っており、加勢するべきか否かを決めかねているようだ。


「お前の標的じゃないのか?」

「だな、やる気は起きねえけど」


雑魚だしなー、とブツブツ文句を言いながら距離を取って杖を掲げるとエトナ―の周囲に雷が落ちた。

アダムは防御の姿勢をとりつつ距離を取るとわざとらしくダッカーノ達に気付いたように声を上げた。


「ダッカーノ殿!加勢してください!聖人だ!」


アダムはそう言って彼らを戦いに巻き込むべく助けを求めた。彼らにとってアダムは自身が組織で影響力を維持するための欠かせない要素。見捨てることはできないだろう。


『・・・!・・・!』


「なんか言ってんぞ」

「流石に聞こえんな、雷がうるさすぎる」


大きな落雷の音を聞いたばかりだったのでさすがのアダムも彼らの声を聞きとることはできなかった。

しかしクノーツの制止を振り切ってダッカーノがやってきたので二人は内心でほくそ笑んだ。


「聖人め!我らに狼藉を働くとは!」


ダッカーノはそう言うと杖を抜いてエトナ―に突き付けた。


「ダッカーノ殿!」

「我らが来たからには聖人に良いようにはさせませんぞ」


ダッカーノはおそらく貴族階級か、もしくは社交界に返り咲きたいのだろう。そうなると大悪魔を召喚できる魔法使いのコネは失いたくないだろう。悪魔と契約する魔法使いは多々あれどその中でも最上級の大悪魔を召喚し、契約できるとなるとその希少性は言うまでもない。

なぜなら大悪魔と言えば悪魔の中でも王侯貴族のそれであり、魔界にて領地をもち、軍団を持ち、絶大な権威と魔力を持っているのだ。

誰だって王や貴族とのコネを持っている人材は欲しがる。それを傘下に加えていればその人物の価値も相対的に上がる。


(そしてあわよくば自身も契約を・・・とでも思っているんだろうな)


アダムもエトナーもそういった打算や陰謀には慣れている。それ故に彼の行動パターンは非常に読みやすかった。


「総帥が不在でどこまでやれるかな?」


エトナ―は不敵な笑みを浮かべながら以前の襲撃を思い出していた。エトナ―が念入りに集会所周辺に魔法を阻害する結界を発動する楔を打ち込んだにも関わらずポエトはなんとそれを中和する術を展開したのである。

魔法を阻害する結界を妨害しつつ、神官が使う聖術を魔力などの流れを読み切って彼らが構成員を攻撃するのを阻止したのだ。


「あのねーちゃんがその間に楔を壊したおかげでまんまと逃げたんだったか」


レイラが音で作動する小型の人形を操作して楔を地面から引き抜いたため結界が途切れ、シュトリクがその内に布による転移を繰り返して構成員を逃がしたのだ。その手際、魔法の精度は恐るべきものだった。

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