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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
銀の黄昏健全化作戦!
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ケチと倹約の違いとは

エトナ―は立ち上がると荷物を抱え、まるで夜逃げスタイルの二人を笑顔で出迎えた。


「やぁやぁ、いつぞやのドケチじゃねえの」


どうかしたのか?と笑顔で話しかけると二人はいかにもな作り笑いを浮かべて背筋を伸ばした。


「ほっひっ!き、きょうはお日柄もよく!」

「前置きはいい、お前ら教会に来るような信心深い人間じゃなかったろ?用件をいいな、懺悔したいってならそれもいいが」


二人はしゃかしゃかと足を動かしてエトナ―の前にやってくると鞄を降ろしてそこから金貨の詰まった袋を取り出した。


「教会に罰金で許してもらえる罪があれば、これでどうにかしてほしいのですぞ」

「なに?」


二人は鞄から出す際まるで詰まったものを取り出すように嫌々、すごく嫌々ではあったがなんとエトナ―にお金を差し出したのである。


「罰金で済むことか、まあ確かに大なり小なりやらかしちゃいるが・・・なんでまたお前さんたちが?」

「ほひ、実は、私たちの組織に変革の兆しがやってきたのですぞ」

「ほーん?それで?」


エトナ―は内心でアダムやルナ達の事が思い当たったがそれを出さないようにしつつ、二人に話を続けるように促した。


「そうなると、私達のやるべきことは、今まで儲けさせてもらった恩を返す事ですぞ」

「恩返しね・・・それで罰金を代わりに払うって?」

「ほひ、私達は教会に後ろめたいことなんてしてないわけだからして、処罰なんて、受ける謂れはないが・・・組織が再出発するなら、それをお手伝いする義理はあるんですぞ」


エトナ―はそう言われて記憶を辿った。たしかにこの小太りの男たちは前回の集会所襲撃の際も真っ先に逃亡こそしたものの、後から調べたところこいつらは組織内の金を勝手に溜め込んでいただけで教会が取り締まるようなことはしていない。


「なるほどな、そりゃあご苦労な事だ。しかしなんだ・・・」

「?」


エトナ―がくすくすと笑いながら言う。


「金に関しちゃうるさいお前らがこんなことをするとは思わなかった」

「無駄も出費も大嫌いだが、無駄をなくして必要な時に使うのが倹約ですぞ。私達は今倹約をしているのですぞ」

「倹約ね、まあ確かにそうか」


恩義のある組織の為の必要な出費と考えてこの二人はお金で解決できることを清算していくつもりのようだ。


「いいだろ、きちんとやり直すってんなら私からも口きいてやるよ」

「ありがたし!」


そう言ってエトナ―は立ち上がった際、不意に感じた魔力に違和感を感じた。


(誰かいるな・・・?)


ちらりとジダーノとケッチータを見るも、二人はケチの習性なのか長椅子でお金の入った袋を凝視している。こいつらが誰かを引き連れてきたとは考えにくい。となると・・・。


「お前ら、誰かと一緒に来たのか?」

「・・・いえ、誰とも来てませんぞ」


エトナ―は杖を呼び出し、床を突いた。すると二人を中心に結界が張られ、透明な壁が二人を覆った。


「ちょいと出てくる。隠れてな」


エトナーはそう言うと玄関に向かう。そしてその扉に手を掛けるとじろりと扉を睨んだ。

魔力の反応が一つ、そのさらに奥にいくつか。自分の塒だと分かっているはずだが・・・。


「どこのどちらさんかな?教会に押し入ると罰が当たるぜ」


扉を開けた瞬間に飛んできた魔法を右手で叩き落すと目の前の魔法使いは杖を向けたまま呆然としていた。


「ば、ばかな・・・魔法を素手で・・・」

「馬鹿かお前、そんなもんが魔法と呼べるか」

「ば、ばけも・・・ぐえっ!」


杖を突き出して喉を軽く突くと魔法使いは悶絶してのたうち回っている。


「銀の黄昏の連中か。馬鹿が極まったな、ここいらで私に喧嘩売るとどうなるか知らんわけでもあるまいに」


悶絶している魔法使いを足蹴にして外にでると数人の魔法使いがこちらを見ている。エトナ―は首をごきごきと鳴らしながら杖を手にゆったりと歩き出した。


「聖人エトナ―、ここに結社の裏切者がいるはずだ。だしてもらおう」

「知らんな、人探しなら他所を当たりな」

「・・・後悔するぞ」


まるで脅すような言葉にエトナ―は腹を抱えて大笑いした。


「あはははは!お前らごときに何ができるんだ?私からお前らが何を奪える?笑わせんなバカ」

「ぐ・・・我らとて・・・」

「我らとてなんだ、言ってみろ。総帥様にお願いでもすんのか?」


くっくと笑いをかみ殺しながら杖を肩に担ぐとエトナ―はすいっと手を横に振った。


「汝に罪ありき、浄罪の一振り」

「なにを・・・ぎゃっ!」


エトナ―がそう言いながら杖で地面を突くと数人の首に衝撃が走り、そのまま気を失って倒れた。エトナ―は手を握ったり開いたりしながら感触を確かめつつ、頭を掻いた。


「鞘を払っちゃいないから死んじゃいねえはずだが・・・死んでないよな?」


こいつら雑魚っぽいし大丈夫かな、と倒れた魔法使いたちを突いて確かめる。全員が唸り声を上げているのを見てエトナ―はホッと一息ついた。


「アイツら上手くやってんのかな・・・なんか心配になってきたぜ」


エトナ―は銀の黄昏の本部がある方角を見据えて溜息をついた。


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