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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
悪魔としての格!
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お薬のめのめ!

二人がおろろーん、とめそめそしている中ルルイエは薬を手早く完成させた。


『おお、綺麗な色になった・・・』


悪魔の涙というものは希少も希少、混ぜてどのような発見があるのかはわからなかったが実際に混ぜてみるとまるで彼女の純粋さを表すかのように透き通った色をしている。


『よし!後はこれをお孫さんに飲ませれば完了よ!』

「「わぁい」」


三人は意気揚々と地下室を出て庭に戻る。すると驚いた事に庭先にでていたゴミの山が一回り大きくなっているではないか。



「御、片、付、け~」


鼻歌交じりに屋敷の物をどんどんと庭先に放り出していく少女。使用人たちは体力が尽きたのか死屍累々といった有様である。


「これはひどい」

「止める人が居なくなったらさらに加速していくのでは・・・」


二人が呆然としているとふと、ルナの耳に笑いをかみ殺す声が聞こえた。


「?」


ルナが顔を向けると屋敷の塀の隙間からアルディーノと同じくらいの年齢だろうか、紳士風の男性がニヤニヤしながら覗いているのが見えた。


「誰か覗いてます」

『ん?ああ、ホントだ。ああいう時困ってる人を見て笑う奴って性格が終わってるか』

「もしくは犯人!」


ルルイエの言葉を補足してティナが走り出した。ルナもそれに続く。

男性は二人が追いかけてくるのに気付いて慌てて踵を返したが老人と女性とはいえ若者二人。あっという間に距離を詰められた。


「まちなさい!」

「ひぃ、ひぃ・・・!」


アルディーノはやせ型の老人だったが彼はどうにも小太りで足を動かすのが得意ではないらしい。

逃げようとはしていたようだがすぐに二人に肩を掴まれた。


「は、はなせ!ワシはただアイツが困っているのを見ていただけだ!」


呪いなんかしらんぞ!と叫んで抵抗する老人にティナはにっかりと悪い笑みを浮かべながら老人の手を捻った。


「呪いがどうとか私達は言ってないけどぉ?」

「あっ」

「あんまり賢くない人?」

「うぐぐ・・・しまったぁ・・・」


老人は焦るあまりに要らぬことを口走ったと渋い顔をした。そして荒い息をしながら観念したように膝に手をついて息を整え始める。


「ああくそ、こうなったらもう言い逃れはできんな。そうだ、ワシがヤツの孫に呪いをかけた」

「あっさり白状するんですね」


それに対して老人は当然だ。とふんぞり返った。


「非致死性の呪いだ、かけたところで誰も死にはせん」

「解呪にとんでもない素材を要求されて大変だったんですよ!」

「それは災難だったな、奴に材料費を請求すればいい」

「むーーーん!」

「おい、辞めろ!うおおお!?」


あくまで悪びれない老人に怒ったルナは老人の首根っこを掴んで屋敷まで走った。

老人は旗のようにあちこちに揺れながら来た道を振り回されながら戻っていった。


「捕まえました!」

『お疲れ、ソイツが犯人?』

「そうみたいです」


ルナはそう言うと老人を芝生の上に転がした。動かない所をみると失神したのかもしれない。


「ところでお薬の件はどうなりました?」

『それが存外頑固でね、呪いに制御されてると私も干渉しづらいから参っちゃうわ』


精神干渉を得意とするルルイエだが呪いや失神状態、恐慌状態など、精神が乱れているとその干渉が上手く行かない場合がある。今の彼女の場合呪いによって『片付ける事』以外が選択肢と視界に入らない状態になっているので幻覚を見せても彼女の頭が片付けを優先してしまう為、とっかかりがないのである。


「どうしましょう?」

『おびき寄せて私とルナちゃんで取り押さえるしかないわ』

「わかりました、ティナちゃんもお願い!」

「合点承知の助!」


三人は並んでアルディーノの孫へと突撃する。まず最初にルナが後ろから少女を羽交い絞めにする。


「む、む、むーん!」

「御片付けの邪魔しないでくださーい」

「むぐぐ」


ルナは顔を赤くしながら少女をどうにか押し留める。


「すごい、私達だけじゃ止める事なんてできなかったのに」

「ええい、見てる場合か!いくぞ!」


使用人たちはルナの奮闘を見て少女の足に縋りついた。


「今です!お願いします!」

『はぁい』


ルルイエは距離を詰めると少女の額に指を当てた。そしてなにかしらぶつぶつと呟くと指先が光り、少女の目線が僅かに揺れた。


『よし、これなら話を聞いてくれるはず・・・!』

「よっしゃ!じゃあこれを飲んでちょうだーーい」


ティナがルルイエの隣に並んで薬の蓋を開けた。そして少女の口に突っ込む。


『もうちょっと丁寧に!前歯が欠けちゃうわよ!』

「口をあけてちょーーーだ、いよーー!」


口をいーっとしたままの少女を見てティナは無理矢理薬の容器を押し付けている。


「むぐぐ・・・あ、埃が!」


咄嗟にルナが口走った。すると・・・


「え、どこど・・・むぐっ」


少女が埃の存在に気を取られた隙にティナが容器を口に突っ込むと鼻をつまんで上を向かせた。


「・・・ごくん」


容器が空になり、床に転がった。そしてそれと同時に少女は糸が切れたように倒れ、彼女を取り押さえていた全員が床に倒れた。


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