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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
悪魔としての格!
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実技大会!

ルナが左右に揺られている中、周囲の生徒達はその騒ぎを聞きつけて視線を向ける。

すると明らかにルナ達を軽く見るような目線が混ざり始めた。


(Fクラスが参加してるの?)

(いくらなんでも無謀だろうに)

(落第スレスレだから来年に向けて授業料を軽くしたいのかもな)


クスクスと陰口が聞こえる。ティナとカティナはムッとした顔をしたがルナは一人涼しい顔。


「ルナちゃん悔しくないの?」

「全然、だってこれは作戦の内・・・でしょ?」


ルナがそう言うと二人はルナの言いたい事を察して頷いた。


「そうだった・・・まあ、仕方ないことか」

「悪戯も試験も準備が大事だからね」


三人はふっふっふと笑みを浮かべる。


「我に妙案ありって顔だな、期待してるぞルナちゃん」


ルナに引っ付いていたエトナ―はルナを撫でまわしながら言う。それのせいで別の意味で視線を集めてもいた。


(聖人様と女生徒・・・は、はうっ)

(尊い)

(スタイルいい人同士がくっつくと破壊力ヤバい)


エトナ―も普段の素行こそアレだが見た目はまさしく一級品かつスタイルも良い。まだ幼い顔立ちながら出るところは大人顔負けのルナと引っ付いていると色々と際立った。

ルナはそれを他所に積んであるカードを取ると、開始までの待機場所に三人で向かった。


「エトナーさん相変わらずだったね」

「うーん、酒臭ーい」


Fクラスの面々はルナ関連の事で何度かエトナーに会った事があるが大抵は酔っているので酒の匂いを撒き散らしていた。

しかもルナやティナは何かと抱きつかれることがあり、その度にその匂いに困っていた。


「もうじきだね・・・」


スタート地点で既にたくさんの生徒が集まっており、皆やる気に満ち溢れている。


「注目!」


そんな中、先生の声が響いた。全員が声の方向を見るとそこには校長先生が立っている。


「皆の衆!今日は実技大会の日じゃ!クラスの代表としてガッツで挑むのじゃ!」


うおー!とやる気満々の校長先生。


「しかし!昨今暴力沙汰に傾倒した生徒が多すぎる!競うべきは己自身の限界ということをまず念頭に置き、クラス間はもちろん!上級生たちも下級生たちに大人げない事をしないように!」


知恵と体力で競うのじゃ!と校長は顔を大きくしながら叫ぶ。ルナ達は過去にどれだけ大会が荒れたのか呆れながら聞いていた。


「私達は緩く行こうか」

「そうだね、ゴールできたら上等だよこれは」


三人でひそひそと話していると周囲はそれをちゃっかりと聞いている者がいるのがわかる。そして自分達への侮りがそのたびに深くなっていくのが感じ取れるようだった。

そしてそれは三人の計画の通りであった。


『どうせなら敵とみなされないくらいに侮られてやりましょう』


これはダズの提案である。校長はあのようにクリーンな大会を標榜して演説をぶち上げているが周囲の盛り上がりとアダムの言う悪しき慣習からすればどうあっても揉めることは想像に難くない。

そうなればそれを逃れるために自分達の実力を過小評価させることが必要だ。


「それでは!これを読んだものからスタートじゃ!」


校長が光を操作して空中に文字を浮かびあがらせる。それは前提となる禁止条項。


1,転移・移動系の魔法の禁止。己が足で走るべし

2,知恵・予知系の魔法の禁止。知らぬなら書を紐解くべし

3,破壊をもたらす魔法の禁止。知恵と体力を競うべし。会場を荒らすべからず。


三つの条項が出たが生徒達は我先にと走り出していった。


「誰も読んでないね・・・」

「マジでどうなるんだろ・・・」


ルナ達は揃って条項を読み込んだ後、すたすたと歩いて行った。


「最初のチェックポイントってなにするんだろうねぇ」

「ねー」


呑気に歩いていると先生が立っているのが見えた。


「こちらが最初ですよー」


先生はこちらを見つけると手招きして課題をこなすように促した。三人が見てみるとそこにあるのは的である。

先生が言うには的当ての要領で魔法をぶつけるのだとか。


「魔法をとばして当てるのが課題ですか?」

「そうですよ、しかし!ここでは逆に威力を落とすことが課題です」

「威力を落とす?」


三人はそろって首を傾げた。先生はそれに対して待ってましたとばかりに説明を始めた。


「魔法は魔力を籠めれば籠めるほど簡単に遠くに飛ばせます。矢で言えば弓を強く引くことに近い。ですがそれでは的に対して威力がありすぎますし、魔法を目的の通りの飛ばし方をするには非効率といえます」

「つまり、魔法をできるだけ小さい力である程度の精密さを維持して飛ばすと」

「そうなります」


ルナ達にはこの課題の難しさはピンとこなかった。というのも3人ともコントロールについては天性のもの、肌の感覚でそれを知っているのである。しかしながら一般人にとっては自分で火をつけるタイプのガスコンロの火の調整に感覚が似ており、消えるかどうかの小さな火を維持してそれを使用するという感じで苦手な人にはとことん合わない課題となっている。


「それじゃ早速・・・ほいっ」

「お、すごい。初弾で成功ですね」


ティナが雷の魔法を的にぶつける。指先ではじくような感覚でやれば真っ直ぐに、そして威力を考えなければ簡単なものだ。


「はい、これがハンコですよ。続きもがんばってくださいねー」


スタンプカードにハンコが押される。数は残り2つ。ハンコを貰ってから最初に山を下りてきたものがゴールというわけである。

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