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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
悪魔としての格!
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悪魔にもらったもの

コンパスがティナを指し示したのをみて三人はそれを覗き込んでおー、と声を上げた。


「ティナちゃんの方を向いた!」

「おお、すごい!」

「不思議!」


それを見てアダムは呆れる。


「仮にも悪魔の道具だぞ、それくらいは当然だろう」

「それはそうだけど実際見るのとじゃ全然違うでしょー!」

「悪かった、それもそうだな」


ティナがそれに不満を叫ぶ。アダムはそれに苦笑しつつもティナに軽く謝る。生徒が未知に触れたのだから当然の反応だと思うべきだ。


「これとカティナちゃんの鼻があれば最悪道には迷わないで行けるかな?」

「コンパスとアインザッツの鼻がどう関係してくるんだ?」

「コンパスで方角が知れるし、匂いで距離が分かるも思います!」


なるほど、とアダムは今度は感心した。ティナが思ったよりもよく考えていた。さらにその理由を尋ねたところアダムはティナの洞察力にさらに感心することになる。


「コンパスで方角がわかるなら匂いは不要なんじゃないのか?」

「それがさ、先生。このコンパス方角しか分かんないんだよね」


アダムがそうなのか?と尋ねるとティナはコンパスを手のひらに置いた。


「これだと私の顔を差してるけど」


こうすると、とティナはコンパスを器用に頭の上に置いた。

すると針は僅かに中心点からズレているのか固まったまま僅かに針を揺らしている。


「この通り私の真芯を指し示してるから距離は分かんないんだよね」

「なるほどな、正確すぎるのか」


本来なら失せ物に使うダウジングなどは目的地を示し、目的地に着けば反応してくれる。しかしこのコンパスはどこまでも完全に中心点を差すように出来ているからか鼻先に突きつけるくらいの距離まで近づかないと目的地かどうか分からないようだ。


「さらに言うと雑念にめっちゃ弱いです」

「雑念?」


カティナがティナにコンパスを持たせ、ルナを目的地に設定させる。その状態で反対側に立ったカティナがおもむろに銅貨を地面に落とした。


「あっ、コンパスが!」

「ユピトール!お前という奴は・・・」


ルナの方を向いていたコンパスが即座に落ちた銅貨の方を向いた。そしてティナはまるで猫のように銅貨に飛びついた。


「ど、銅貨!」

「銅貨一枚でそんな・・・!」


わーい、と銅貨を持ち上げるとそれをカティナに取り返された。


「ふぎゃー!」

「私のよ!」


悲鳴を上げるティナだったが、当然ながらカティナの財布の中に納まった。ティナはそれを見て悔しそうにしながら立ち上がるとコンパスの針が再びルナの方を向いた。


「こんな感じですぅ・・・」

「滅茶苦茶悔しそうにしてるが他人の金だからな?」

「一旦地面に落ちたなら!」

「それは盗人の思考だぞ」


アダムが言うとさすがにティナも諦めた。元より彼女もふざけ半分だっただろう。たぶん、おそらく。


「使う人が妨害を受けるとダメになる可能性もあるので複数の方法で距離や方角を測る必要があるんですね」

「ふむ、まあ地図や案内板が設置されるだろうからそこまで必要にはならんだろう」

「案内板とかあるんですか?」

「課題をクリアすることがそもそもの目的だからな。体力と知力と魔力を競う大会というわけだ」


校長はフィールドワーカーだったらしい。放浪の末に魔法を修めたというわけだから彼にとって魔法や勉学をやり遂げるための体力にも重きを置いているのだろう。


「それで、移動中や探索系の対策はいいとして・・・他はどうするんだ?」

「ほかというと?」


三人がきょとんとした様子でこちらを見ている。


「知識についてだが」

「ルナちゃんがいるから・・・」


ティナが絞り出すように言うとカティナと同時に違う方向を向いた。アダムは二人の頭を掴んでカスタネットのようにぶつける。


「他力本願は!やめろ!お前らの為に!フラウステッドは!参加するんだぞ!」

「「あいっ、きゃいっ、ひゃいっ、ぐっ、うげっ」


アダムが手を離すと二人はずるずるとそのまま床に倒れ込んだ。


「それにフラウステッドが知らない知識くらい出てもおかしくはないしな」

「そうなんですか?」

「うむ、実際ウチはしょっぱなから校外学習で授業日数が・・・」

「だから授業が進んでないんですね・・・」


アダムは苦い顔をしながら頷いた。カティナを迎えに行った際に掛かった時間の分だけ授業が遅れているのである。さらにはルナ達の特殊性からさらに座学は遅れている。

反対に実技に関してはルナとティナは飛びぬけており、ダズとテイロスは工芸の分野で頭一つ抜けている。

ただ、こちらに関しても特殊過ぎるために他のクラスと歩調が合わないという欠点は消えないが。

なにしろ大抵の魔法使いの学生が魔導工学の金属加工に関して座学の域を出ないのに対しダズとテイロスは鍛冶の経験や金属彫金、鑑定の技能がある。実地経験で下手なプロ顔負けの経験値があるのだ。

どれくらいかというとテイロスは叩いた感触で金属の種類がわかるし、ダズは叩いた音で種類がわかるくらいである。


「劣ってるとは断じて言わん。ただ、特殊というか・・・尖りすぎてる感じだ」

「かなり言葉選んでますね」

「一点突破型ってことだね」


アダムはそう言うと三人から目を逸らしながら口をへの字に曲げた。

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