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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
悪魔としての格!
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実技大会にむけて

強制的に実技大会に参加することになったルナ。二人の経済状況を見る限り協力することはやぶさかでないのであるが・・・。


「大丈夫かなぁ・・・」


ティナは筆記がダメダメであるし、カティナもエルフの知識がほとんどなので人間が作り上げた魔法知識とはちょっと感覚が異なる。なにせ風を読んだり、風に含まれた魔力の感覚を嗅覚で読み取ったりと様々な特殊能力が純血に近いエルフには備わっているのだ。


「手から魔力がふわっと香ってくるから、その時に火がつくイメージ!」


とか


「この匂いは土の属性がある」


なんて言葉が出てくるのである。他の魔法使いでは理解できない。


「感覚派の魔法使いが三人寄ってしまったか」


アダムは魔法使いとしての能力を上から数えたメンツが単純に並んだだけの陣容にちょっと不安だった。

ティナはムードメーカーであるし、行動力の塊だが考えが浅かったり目の前の利益に飛びつく悪癖がある。

そんな彼女の手綱を握る参謀役が不可欠だがルナは押しに弱く意見を引っ込めがちだし、カティナも優柔不断なところがあるのでティナのストッパーとしては非常に不安なのだ。


「ユピトール、実技大会とは言うが関門には魔法知識が試されるものが多い。くれぐれも先走った行動は避けるんだぞ」

「オッケーオッケー!私だってそこまで馬鹿じゃないって!」

「馬鹿だから困るんだが」

「ええー!」


悩むより行動派、知識よりも経験で何事も片付けるのがティナの行動パターン。

少人数故ににアダムは各家庭に訪問して近隣に住む生徒の両親の事も把握している。理由としてはFクラスのメンバーの性格や素行から指導要領を作るためである。


『うちの子ね、悪い子じゃないんだけど・・・まあいっちゃうと馬鹿だから直線でしか動けないのよね』


商会の一人娘であるティナを母親がそうきっぱり言い切った。まさかの親公認の馬鹿と来た。


『それは流石にストレートすぎませんか』


そう言って苦笑した記憶がある。ティナは馬鹿とは言ってもそれはあくまで勉学に置いてであって頭の回転そのものは悪くない。思い立ったらそれを実行に移すまでの時間が短いだけだ。

準備不足で失敗をすることも多いが次はそれを少しずつでも長く、周到にしていくこともできる。あくまで勉学以外ではあるが。


『馬鹿が悪い事ばっかりじゃないわ、開拓者は馬鹿じゃないとできないところもあるし』

『といいますと?』

『未知の領域に突っ込むならあの子はたぶん誰より適任ですよ。前をずんずんと歩いて、どんなにひどい目にあっても、また再び先頭を切って歩ける子だと思います』


聞けばティナの両親は元は行商人だったようだ。新規のルートを開拓し、時には旅から旅へ。そして資金を稼いでここで開業したのだそうだ。その経験からか母親はティナのことをそう評した。


『あと、怖いもの知らずで誰とでも友達になれます。こればっかりは天性のもの、商人としても外せないお得なスキルですわね』

『それはそうですな』


そのスキルはまさしく天性のものと言っていいだろう。しかしいくらなんでもまさか悪魔と友人になっているとは思うまい。相手はお人好しの悪魔ではあるが。


『だからまあ、どこに行っても大丈夫とは思ってます。たまたま今回は魔法学校だっただけ。あの子が望むならあの子はきっとここで学んだことを糧にして頑張るでしょ』


ティナの母親はそう言った。アダムはなんとも逞しい親子だと思った。そしてそうした身内からの評価を鑑みて改めてティナを見ると確かに、彼女は図太くやっていけるだけの能力がある。

もう少しだけでも勉学の方にこの積極性やらがあればよかったのになぁ、とは思ったが。



「まあいい、内容まではワシも教えられんが訓練はしとくべきだろう」

「訓練ですか?」


色々と考え込んでいたアダムに三人は不思議そうにしていたがやがて口を開いたアダムに揃って首を傾けた。


「お前たちの得意分野を把握して連携をとれるようにしとくべきだということだ」

「なるほど!」


アダムの勧めに従い、ティナたちは揃って自分の得意分野を話すことにした。


「ぶっちゃけ皆何が得意?」

「魔力が匂いで分かります」

「たべられる草がわかるかな」

「マジか、ってかそれはカティナちゃんもできるんじゃないの?」

「ここらへんは植生が違うから何とも言えないかな」


ティナはルナが悪魔であることを知っているのであえて魔法の、とは言わなかった。

彼女が困るだろうことはわかったし、カティナが困惑するだろうことは明白だったからだ。


「匂いってことは・・・風下にさえいればどんな人がいるかわかるってこと?」

「属性しかわからないかな」

「匂いとこのコンパスでなんとかできるかな」


ヴィネからもらったコンパスを取り出してルナは言う。金属製の箱で作られたコンパスは今はまるで示すものがないとでも言いたげにくるくると回っている。


「どうやって使うのさ?」

「えっと、これは魔法使いの場所とかもわかるって言ってたから・・・」


試しにルナはティナをイメージしてみる。するとくるくると回っていた針がティナの方を向いた。

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