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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
悪魔としての格!
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召喚術とルナ

ルルイエはルナの自主性とイメージを尊重して彼女にそれでしか発動しないと約束させることにした。


『悪くないわ、イメージは魔法に不可欠なもの。貴女がそう強く思えば思うほどそれが条件として設定されるわ』

「そうなんですか?てっきり魔法ってもっと手順とかやり方が決まってるものだと思ってました!」


ルルイエは内心でかなり困っていた。実際はそうなのである。普通の魔法はイメージこそ必要なものの発動や維持にはちゃんと手順ややり方が決まっている。しかしルナのそれは『権能』なのである。

バエルはアービルが神として信仰される動物である百足や蜘蛛の姿を持っている事をいいことにこれらをルナの体に宿る力にしてしまった。つまるところ彼女の特殊能力に設定されてしまったわけだ。

ルルイエはそんな状況に歯噛みしていた。


一つは師匠として。今のルナの力の増大は彼女の意図を外れたもの。後ろ盾を頼んだ間柄とはいえそういう形で彼女を甘やかされると彼女に思わぬ不幸を招きかねない。

そうなればますますエトナーやアダムがルナを自分から遠ざけようとするだろう。


そしてもう一つは純粋な彼女の欲望として。

あの子に最初に目をかけたのは自分なのに!あの子の可愛いところは自分だけが知っていれば良かったのに!

そんな気持ちだった。エトナーは仕方ないとしてもまさか他の悪魔達も自分の弟子と知って尚関わりを持ちたがるとは思っていなかったのである。


『これに関しては特殊も特殊、魔法陣や召喚術をなんの準備もなく使用できるなんてむちゃくちゃなのよ 』

「ほぇー」

『あぁもう可愛い』


頬を両手でもちもちしながらルルイエは目尻を下げた。


『それじゃあ練習しましょ、そうやって上手く定義出来れば問題なくできるわ』


ルナはこっくりと頷くも本を両手で挟むと先程の動作を行った。すると錠前を外したような音が響き、本が手を離れて浮かぶとページが捲られ始めた。


「魔界の王、バエル様!」


ペラペラと捲る動きが止まるとそこに魔法陣が浮かび上がった。


『あとはこれを作法として定義する』

「むーん!」


ルルイエが手を横に振るとルナの手の紋様が一瞬輝いた。


『用はなにかな?アービルよ』


魔法陣から声が響く。それにルナはすぐに答えた。


「力が暴発するのでちょっと練習してました!」

『・・・そうか』


ちょっと困惑したような響きだったが恐らく心当たりがあったのだろう。バエルも何も言わなかった。


「あと、今日勉強が捗らなかったのでお手紙かけないかもです」

『あ、アービルよ・・・もしかして不都合があったのか・・・?』

「教室にヴィネ様が出てきちゃって大変だっただけですよ」

『お、怒っとるのか?』

「いーえ?」


怒ってるやつ!とルルイエは内心でひやひやしていた。ルナは滅多に怒らないが一度へそを曲げるとどうにも頑固。人懐っこい人にそっぽを向かれると辛いのである。


「むーん、それではまたー」

『あ、ちょ』


ぱたん、と本を閉じた。


『ま、そうなるわよね。だから反対だったのよ私』


ルルイエは短く呟いた。





翌日。召喚騒ぎも落ち着いたのでいつも通りの授業が始まるかと思いきやFクラスは実技大会の話で盛り上がっていた。


「実技大会ってどんな感じなんだろうねぇ」

「クラス対抗って言ってたけど何人かが参加するのかな?」


主に興味を持っているのはカティナとティナ。懐事情の厳しいカティナとお金を節約してトクをしたいティナは特にやる気を見せていた。


「クラス対抗とは言っているが実際は代表者を選出しての少人数だぞ」

「そうなんですか?」


出席簿を手に教室に入ってきたアダムは出席をとりつつ答える。


「クラスには人数によってばらつきがあるだろ?問題やらには多人数の方が有利な場合が多いし、なにより人数を頼みに大喧嘩になったこともあるからな」


アダムが言うにはクラス対抗の実技大会は昔、文字通りにクラス全員でやっていたそうだ。

しかしながらそうなると競争の途上で妨害や乱闘騒ぎが起こり、最終関門や上級生の参加した際には山がはげ山になるほどの戦闘が起こった事もあるという。


「会場が更地になったせいでやってない年もあった」

「バイオレンス・・・」

「なにそれこわい」


学費の免除など金銭が絡む事案だったためにそう言ったことも起こったのだろう。なんとも生々しい話だ。


「学費云々もそうだがやはりAクラスや上級生はメンツもあるからどうしても同級生たちに負けたくなかったんだろうなぁ」

「なるほど・・・」

「今はそう言った経験から先生が関門で立っているから無茶はできんようになっている」


乱闘や露骨な妨害が無くなった事、人数を絞ったことでようやく安定した開催ができるようになったようだ。


「そうなると何人なんですか?」

「最大で三人くらいかな」


そうなると、と二人はルナを見た。


「「ルナちゃんと私達だね」」

「ん?」


ルナは実技大会に出場が勝手に決まった。何か言いたげな雰囲気であったが二人の熱量をどうにかできるほどでは無かった。

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