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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
悪魔としての格!
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暴発とアイテムと

アダムはどうにも相手の悪魔が大人な対応をしてくれるらしいことにちょっと安心。


『代償無しに何かを為すのはルール違反、しかしそのまま帰るというのも面白くないな』

「ええと、じゃあこれを・・・」


全く釣り合わないとは思いますが、とルナは申し訳なさそうに焼き菓子を取り出した。


『菓子か』

「ほんの、ほんの気持ちになってしまいますが・・・」

『ふふ、構わない。バエル様にお持ちする貢ぎ物としては申し分ないからな』


手作りだね?と確認を受けてルナはこっくりと頷く。最近なにかとお腹が減るようになってしまったルナは食べ物をよく持ち歩くようになったのだがそれが幸いした。


『さて、これで手ぶらで帰る心配は無くなった。あとは君に何か贈り物をしてこの契約はお終いにしよう』

「ありがとうございます!」


ほっとした様子を隠さずルナは笑みを浮かべた。その無邪気さは本来なら不躾にも見えるところだが彼ら悪魔にとってはルナはよちよち歩きの赤ちゃんのようなもの。かえってそれが好印象になった。


「ヴィネ様に失礼がなくてよかった」

『ふふふ』


ヴィネはルナがふにゃっとした笑みを浮かべて自分を見上げているのを見て自身も思わず笑みを浮かべる。

子供にお小遣いを上げるような気持ちでヴィネは懐からコンパスを取り出すとルナに手渡した。


『失せ物にこれを使いなさい。これがあればその針の示す先に進めば探す事ができる』


魔法使いも探せるぞ、とヴィネはそう言うと契約を終了し本の中に姿を消した。



「わぁ、凄かったね」

「うん、私悪魔初めて見たかも」

「ほんとほんと」


ひやひやしていたアダムを他所にFクラスの面々は興奮気味に先ほどの悪魔とのやり取りの感想を話し合っていた。

ティナたちは揃ってまだまだ学も経験も浅いのでこのことがどれほどの事かわからなかった。

アダムはこのことをどう伝えたものか考えていたが・・・。


「フラウステッド、とりあえずノート持ってるときは私語禁止な」

「・・・はぁい」

「えー、どうしてですか!」

「さっきも見たろう、暴発したから」

「ノート取ってて暴発したら確かに困るけど・・・喋れないの辛いですね」

「とにかく今日の授業が終わったらルルイエに聞いとけよ、これに関してはワシも管轄外だ。召喚術は特殊だしな」


ルナは黙って頷いた。その日は流石にルナにとって退屈な授業になった。




「はぁ・・・喋れないの辛い」

「そうだねぇ、ルナちゃんが質問しないと授業もそのまま流れてっちゃうし内容がよくわからないままだし」


放課後、帰り道を歩くティナとルナとマリーの三人は授業がスムーズに進んだことについて話していた。

アダムも他のメンツが手を挙げて質問することを期待していたが全員の目が死んでいることに気付いてアダムも溜息をつきながら授業していた。おそらく今日の部分をテストに出されたらティナたちは全滅だろう。

ティナはあっけらかんとしているが再テストになる度にルナに泣きついているだけに実際はかなり深刻である。



「それじゃ、ルルイエ先生にも会わないとだし急ぐね」

「はーい、バイバイ」

「またねー」


ルナは二人に手を振ると人気のない丘の方へと走って行った。


「ルルイエ先生ー」


ハンドベルを振ってルルイエを呼び出すと景色から滲みだすようにルルイエが現れる。


『はぁい、どうしたの?』

「召喚術が暴発しました!」

『・・・』


眉を八の字にして困り顔のルナにルルイエは溜息をついた。本来なら魔力を籠めて、場を整えて等いろいろと制約があるのだが悪魔である彼女ともなると魔力は垂れ流しに近いし、魔力で全てを無理矢理発動させても大丈夫というザルな状態なので術の行使が容易くなっている。

さらに質が悪いのが彼女の手に万能の召喚術の鍵が宿ってしまったこと。悪魔からすれば上客の呼びかけが届いたに等しく、地上に出られる機会を待ち望む悪魔にとっては願ってもない呼びかけなので優先的に飛びつく。

またルナの悪魔としての姿であるアービルは魔王バエルのお気に入りということでバエルに取り入りたいものや親しい者も喜んで彼女の呼びかけに応えるだろう。しかも魔界は意外と少子化が進んでいて若者に会う機会も少ないため余計に野次馬根性が出ているものも。


『いろいろと封印した方がいいかしらねぇ・・・』

「封印?」

『もしくは手順を定めて権能を制定するか』

「手順?」


頭に?が浮かぶルナだったがあっ、と何かを思いついたのかルルイエに提案した。


「鍵なんだから開ける動作をすればいいのでは・・・!」

『鍵を開ける動作って?』


ルルイエが首をかしげるとルナは手の甲に浮かびあがった鍵と錠前の模様が浮かび上がった手を合わせると


「ガチャ」


そう言いながら合わせた手の内右手をずらした。


「これを本を挟んでしないと発動しないようにするんです!そうしたら大丈夫なはず!」


むん!と何故か自慢げに答えるルナに噴出しそうになったルルイエだったが手順を踏むことでコントロールが容易くなるのは儀式の中でも割とポピュラーなことで、詠唱や魔法陣を描くことなどはそれに該当する場合もある。

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