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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
潜入!闇オークション!?
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闇!

ルルイエはにっこりと笑みを浮かべると貿易商の男を見据えた。


(ふむ、確かに鋭い目線・・・)


ルルイエが始末した支配人の男はこの男に足して恐怖心のようなものを感じていた。おそらくは関わるつもりもなかったのだろう。それだけ鋭い、そして表情だけでは読み取れない雰囲気を纏っている。


「それで、受け渡しは何時に?」

「早い方がいい。最短でどれくらいだ?」

「三日くれ、そうすればどうにか準備できる。受け渡し場所にもよるが・・・」

「国境だ、そこまで来い。船で運ぶ」

「わかった」


簡単な受け答えと共にカーテル国が頻繁に停泊する国境沿いの港を指定された。ここまで来ると彼らは自分の出自を隠す気もないようだが・・・。


「それじゃあ三日後に」


ルルイエはあえて質問もせずに店を後にした。そしてそのまま無人になった支配人の持っていたオークション会場へと向かう。


「さて、ふぅむ・・・追いかけてくるのは一人・・・いや、二人」


ルルイエはレストランを出てから自分の後ろをついてくる人影を振り返る事なく察知した。おそらくやり取りの微妙なずれを察知されたのか。もしくは彼らにとってこれくらいの用心は当然のことなのかもしれない。


「面白い、久々に遊びがいのある相手か」


ルルイエは笑みを浮かべながら袋小路に向かって歩を進めた。そしてそこから数匹の使い魔を烏やネズミに変身させて放った。そして何食わぬ顔で再び大通りに戻ると追跡者を使い魔に捕捉し監視させつつ支配人の男の根城に向けて再び歩を進めた。


「レストランでこちらにフォークを向けた男と、もう一人はしゃべらなかった女・・・ふぅん、監視というよりこちらに忠告でもしたいのかしら」


使い魔が彼らが武器を携えて会場に侵入したことを告げる。ルルイエはエントランスでソファに腰掛けながら微笑んだ。





「ここがあの男の根城ね」

「最近オークションが開かれたはずだがその割には閑散としてるな」


男がそう言うと上着に隠していたナイフを取り出した。彼らは貿易商の部下であり、カーテル国の諜報戦を担うスパイの中で武力行使に長けた人物である。


「ボスはなんて?」

「取引を確実にするために釘を刺しておけって」


女性はそれを聞いて袖からハンマーを滑らせて取り出すとギュッと音を立てて握りこんだ。


「釘か・・・」


二人は警備も何もない会場に侵入してそのまま正面玄関から侵入した。


「誰もいないのか」

「この広さを探すのは骨だぞ」


二人がエントランスに侵入すると薄暗い建物の中でうごめく影を視界の端に捉える。男は咄嗟にナイフをそちらに向けたがその先にはネズミが走っただけだった。


「チッ、ネズミか」

「人がいる気がしないな、手分けして探す?」

「その方がいいかもな」


二人はそう言うとエントランスから分かれて行動するべく男はオークション会場に使われた部屋を、そして女性は倉庫の方へと歩を進めた。


「あの野郎、手間かけさせやがって・・・見つけたらどうしてやろうか」


ドアを開いて会場に入ると男は散らかったオークション会場を見やる。装飾品は豪奢だがそこにはうっすらと埃が積もっており、まるで何カ月も放置されたような状態である。


「もしかしてガセだったのか・・・?こんなところでオークションなんてできるわけがない」


貿易商の男からはここで高額な取引が行われていると聞かされていた。しかし蓋を開けてみるとここは既に廃墟に片足を突っ込んだような荒れようである。


「ヤツは殺すべきかもしれないな」


そう思いながら会場を出ようとしたときだった。


『オークションにようこそ!お客様』


突然部屋が暗くなったかと思うと壇上にスポットライトが当たった。男が驚いて振り返ると黒いドレスに身を包んだルルイエが大げさに手を広げてこちらに笑顔を振りまいている。


「オークションだと・・・?お前は何者だ?」

『ふふふ、そう緊張なさらず!お客様も大満足の品物がこちら!』


ルルイエはそう言うと六つの布が被せられた台を指し示した。その台は一人でに壇上を移動するとその内の一台がルルイエの前で停まった。


『№1!右腕でーす!』


笑顔で布をめくるとその下から男の見覚えのある腕が現れた。


「り、リディア!」

『おーっと、名前がわかりましたね!この腕はリディアちゃんのものだそうでーす!』


ルルイエが芝居がかった動きで言うと会場は何時の間にか蠢く黒い影で満員になっており、まるで盛況なオークション会場になっている。


「リディアを殺したのか!」

『んー?彼女が死んだか?そんなわけありませーん!』


ケタケタと笑いながら腕をなぞるとその腕がびくりと反応し、布を被せられた台の中で最も小さいものがモゴモゴと動き始めたのだ。


『さぁ、オークションの開始です。頑張って競り落としてあげてくださいねぇ』


ルルイエが指を弾くと布が一斉に取り払われた。そこには両手と両足、そして胴体と首がそれぞれ台の上に乗っている。


「イース、た、たす、たすけっ」

『この商品、元気一杯です!頑張って競り落としちゃってください!』


黒い影がルルイエの声に合わせて狂喜する。イースと呼ばれた男性は相方の姿に冷静さを失わないようにするので精一杯だった。


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