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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
潜入!闇オークション!?
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サピやん!

それから名前の候補をいくつか挙げてみたものの、カティナが愛称なのに本名より長い名前を言ったりとグダグダした。


「えー、決まらないのでサピやんに決定」


そして授業をしたいアダムの独断でサピやんに決定した。


「サピやん!」

「よろしくサピやん」

「・・・サピやん様!」

「様付けるの変じゃない?」


わーい、とFクラスの面々はサピスキアを囲んで胴上げでもしそうな勢いである。


「ふっふっふ」

「おお、首をくるくるしてる!」

「すげえ!」


嬉しいのか首をくるくると円を描くように上下させている。心なしか嬉しそうではあるものの基本的に表情の乏しいせいで無表情に近いためかなり不可思議な動きに見える。


「私の、時代か!」

「なんの時代だよ」


アダムはワイワイしている生徒を一人ずつ席に戻すと黒板を綺麗にし、ついでにサピスキアも机に向かわせた。


「では授業を開始する」

「「「はぁーい」」」

「はーい」








『ここだったわね』


所変わってルルイエはメモに書かれた場所を訪れていた。

メモの場所は高級感あふれるレストラン。それだけだと探せばそれなりにあるが、そこにはある特徴があった。


『へえ、エルフの情報を欲しがる連中ってカーテル国なのね』


特定の国の人間が好んで利用するレストラン。

その特定の国とはこの国と貿易で繋がりのあるカーテル国だった。ルルイエは記憶を頼りにかの国についての情報を思い出していく。


『たしか、最近どっかの国と揉めてるんだったかしらね』


カーテル国は隣国と最近揉め事を起こしているようだった。それ故に先んじて諜報戦を仕掛けようと始祖のエルフを捕らえて情報を引き出そうとしたのだろう。エルフはどの国にも溶け込んでいる。始祖のエルフを抑えれば彼らの記憶から風土や政治、商売の諸々が全て筒抜けになるのだ。

また、エルフは総じて魔法に適性が高く、魔法に関しての技術者などとしても働いているため漏れなく軍事転用されている魔法技術も漏洩することになる。


『今のご時世にエルフを締め出すことは不可能、混血が進み過ぎてどの子もたどればルーツはエルフに縁がある。そんな種族を迫害すれば自分のルーツを否定されるも同然・・・できるわけがない』


文化的にも、血筋的にもエルフはまるで家の土壁に根を張った植物のように浸透している。それを引きはがそうとすればそれは大きな出血を伴うだろう。そして何よりそう言った種族・文化・宗教の弾圧そのものを日光教は認めない。もしもそれが行われた場合、その国は周辺国から、そして何より日光教を信仰する全ての民衆から反発を招くことになる。


『始祖のエルフを攫うだけでも十分に危ない橋、それをやろうとするなんて・・・』


カーテル国の関係者が犯人だと仮定した際にルルイエは自分が行動することでどれだけこの国を滅茶苦茶にできるかを考えてみた。


人身売買を行おうとした?諜報戦にエルフを悪用しようとした?


それだけでは少し弱いだろう。ルルイエは頭を働かせる。こういったことは準備と根回しが大事だ。

相手だって逃げ道はいくつも用意してあるだろう。貿易商の男はどうやら恐ろしい男らしい。それならば簡単には引っ掛かってはくれないはず。しかしこちらは相手の欲しいものを知っている。


どう転がせば彼らは苦しむのか、狂気の渦に彼らを落とし込めるのか。


ルルイエの口角は自然と、そして不自然な高さまで吊り上がっていく。


『いけない、ついつい・・・悪い癖だわ』


エトナ―は雑念を振り払う。エトナ―が怒ることなどいつもの事だが今の自分にはルナがいる。彼女を汚い政治の世界に触れさせるきっかけを作るのはよろしくない。


『今回は警告に留めないと・・・そう、警告に』


暗がりを通り抜ける際に姿かたちを組み替えてルルイエは支配人の男に成りすました。


「すまない、『カーテルの風に当たりたい』のだが」


レストランに入ってボーイにそう言うと礼儀正しく出迎えたボーイが畏まってルルイエを奥へと通した。


「メモに書かれていた通りに来たぞ」

「決心がついたのか」


通された部屋では数人の男性が食事をとっていた。しかしその雰囲気は剣呑なものでとても食事の風景とは思えないものだ。


「値段の交渉を?」

「いくらだ?」


食事をとっていた人物の内の一人がフォークを逆手に持ったのを制して一番上座に座っていた男が尋ねた。

おそらくは彼が件の貿易商だろう。


「金貨100、さらに積んでくれれば安全に運び出す手間も省く」

「・・・金貨250出す、商品は本物なんだろうな?」

「人語を話す鳥の特徴を持った、一見するとハーピィにも見えるエルフだ」

「羽根の色は?」

「青、ところどころラメが入ったように鮮やかな模様もある」


すらすらと特徴を言うと男性は自分の隣の席で食事をとっていた人物に目線を向ける。


「正確です、おそらく本物かと。ハーピィに青の羽根色を持つ者はほぼいません」


その人物は口元をナプキンで拭うと答える。貿易商はそれを聞いて目線をルルイエに戻した。

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