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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
潜入!闇オークション!?
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オークション

悪魔が来た!


その情報で会場は大騒ぎになった。皆がバタバタと動き回っていたが凡その反応は命の危険を感じて逃げ出すもの、このオークションの公正さが保証されて競りに熱を上げるものの二通りになった。


『大賑わいですねぇ』


まるでお祭り騒ぎ、とアービルは笑う。その笑顔で何人かが泡を噴いたのを見てしゅんとした。


『笑うと人が倒れるんですが・・・』

『牙がみえちゃうからねぇ』

『うぐぅ・・・』


ぐんにゃりと項垂れたアービルを見てルルイエはよしよしと手を取って慰める。


『オークションにはそれなりの物が出るわ、ほとんど盗品だから全部買い取っちゃいましょ』

『盗品なんです?』

『ええ、エトナーに任せれば皆ちゃんと持ち主の所に帰るからお仕事と割り切ってね』


アービルことルナの父親は言うなれば警察に近い立場だ。それ故に盗品という言葉に反応した。


『ひとのもの・・・』

『忘れたの?私達が来た理由を』

『そうでした、エルフ!』


すこし不満そうなアービルにそう言うと、目的を思い出したのかむん!とやる気を見せる。

そのまま会場を進むと一際警備が厳重な場所に案内される。見張りが何人もいたがその見張りもアービルを見ると驚き、恐れおののいていた。


『ここが会場みたいね』


内装は元の物を流用しているのかやや古びていたが装飾そのものは豪華で、手入れは行き届いている。

どうやら度々ここでオークションが開かれているらしい。

先んじて入場していた客はアービルの姿をみて仰天していたが、そこは非合法なオークションに参加する一癖もある連中である。悪魔が参加することを知って何やら意味深な笑みを浮かべるものまでいる。


「こちらが出品リストになっています」


特別に用意された大型の椅子に腰かけるとボーイらしき男性がリストを持ってやってきた。


『これはこれは、まるで月の導きのようなラインナップね』

「蜘蛛の糸のような細い確率ですよ」


ルルイエが顔を向けるとボーイはウィンクをしてそのまま踵を返した。


『流石に仕事が早いわね、私たちも負けないようにしないと』


どうやらアダムは既に会場に潜入していたらしい。リストに目を落とすと件のエルフは競りのトリを飾るようだ。


『宝石、マントはいいとして・・・『小さな鍵の写本』か・・・これは使えるかも』

『小さな鍵?』

『あらゆる悪魔を召喚できる万能の魔導書よ、アービルが持っている鍵の斧と同じ効果』

『・・・なんといいました?』


さらっととんでもない事が言われた気がしたがルルイエはそんなことお構いなしに笑みを浮かべている。


『古代の杯と、小さな鍵の写本と、天使の経典・・・これはまず確保しなきゃ』

『その三つが大事なんです?』

『写本は趣味だけど、他はエトナ―に恩を売れるわぁ、杯と経典のページは日光教の重要な遺物だもの』


悪い顔をしている。なんだかんだでルルイエはエトナ―に対して弱い。色々と理由がありそうだがエトナ―が退かない場合はいつもルルイエが一歩引いた形になる。


『くっくっく・・・』

『せ、先生?』

『この三つに資金をツッパして、他は適当な額で入札して長引かせましょう』


アービルはルルイエにちょっと呆れつつもオークションの事はわからないので任せることに。


『ここでは入札には手を挙げるようね、手を挙げてから指の数一本につき一割ずつ割上乗せするみたい』


金額にもよるが上乗せは一割からというかなり高額になりそうなシステムである。もとより非合法なものなので仕方ないのかもしれないが。周囲は誰も彼もがマスクやフードを目深く被っていたりと顔を隠している。

声を上げれば額は刻めるのだろうがハンドサインを指定していることから彼らもできるだけ素性を隠したいのかもしれない。


「それではおまたせしました!リストの上から順番に競りを開始いたします!」


オークショニアが登場し、ガベルを手に壇上へ上がる。待ちきれないと言わんばかりに興奮した客は前のめりで言葉の続きを待ち望んでいる。先ほどから淀んでいた熱気がその言葉で噴き出したようだ。

周囲の面々も視線を向けてその言葉と、自身が競り落としたい物品の出番を待っている。


「前置きはいりませんね?それではまず最初の商品です」


オークショニアが指示を出すとボーイがカートを押してくる。その上には専用の台に布が被せられており、ぎりぎりまで見えないようになっているようだ。


「古代の女王の墳墓から持ち出された一品『アンジラビアの涙』です」


覆っていた布が取り払われると深青の輝きを放つ雫型の宝石が。特筆すべきは精密なカッティングと大きさだ。

拳大の宝石というだけでかなりの価値だろう。それに精密なカッティングと施された金細工の模様が美しい。


『宝石ってそれだけで魅力があるわよね』


ルルイエがそう言うとルナは同意するように頷いた。古今東西、宝石や貴金属の輝きは人々を魅了するものである。

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