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悪魔になったらするべきこと?  作者: Faust
ルナの新しい力
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ルナの力について

クロエとティナの練習におおよそのめどがついたところである意味アダムが一番頭を悩ませている

存在の話になった。


「それではフラウステッド、お前の事は悪魔化ができると言う事で進めようと思っている」

「悪魔化ですか・・・?」

「そうだ、でないとお前はあまりに特異すぎてFクラスから隔離されてしまうかもしれんからな」


Fクラスから隔離されるという言葉を聞いてルナの顔がキュッとなった。

よほど仲良くなったクラスメイトと分けられるのが嫌なのだろう。


「実際あとどれくらい変身できる?」

「どれくらいって?」

「蜘蛛だけか?という話だ」


アダムが言う言葉の意味を理解したルナはひそひそとアダムに打ち明けた。


「実はあと二つほど」

「そんなにか・・・」

「元はその三つを掛け合わせた姿なんです」


ヒソヒソと話を聞いていたアダムは頭が痛くなった。

キメラ型の悪魔が居るのはアダムも知っている。

と言うよりもそもそも悪魔には様々な側面を持って産まれるもの。古の堕ちた神を祖とするものもいるのだから当然だ。

しかしながら人間が悪魔に堕ちた場合、大抵は一つのモチーフによって体が再構成されることが通例である。


キメラであること。


それは悪魔の中でも古き者の系譜であること。

つまるところ、純血の悪魔と同じ系譜であること。

アダムは目の前の少女がいかなるものであるのかを理解した。


「大悪魔グレーターデーモンか・・・」


悪魔になったことは聞いていた。とんでもない奴がバックに

着いていることも、エトナーが気にかけていたことも。

その諸々のピースがルナから齎された情報でピタリとはまった。


「そうなると、マジで、隠さないといかんぞ」


大悪魔が、神が地上を闊歩する神代の時代はとっくに終わっている。魔法の技術も、人の技術も発達は目覚しい。

しかしそれと反比例して上位の悪魔に対抗できる聖職者の数は減っていく一方である。

悪魔を討伐できる神器や霊剣の類も遺物に頼り切りで、神器と呼ばれるランクになるとそれは更に数を減らしている。


「フラウステッドはとにかくコントロールだ、変身も魔力もとにかくコントロール!」

「は、はい?!」


突然の言葉にルナは驚いたがアダムの気迫にとにかく頷いた。


「それじゃ、学校ではとにかく蜘蛛だけで通せ。くれぐれも他の部位は出してくれるなよ?」

「分かりました」


それでは練習をしてみよう。とアダムに促されてルナは

頭の中で蜘蛛をイメージしてみた。


その時である。


「およっ!?」


下半身がぐにーっと伸びたかと思うとカタカタと甲殻の尾が伸び始めてそこから節毎に一対の足が。


「およよ?!」


下半身がまるで鎧を繋ぎ合わせたような威容を誇る巨体になった。


「お前・・・お前ぇぇぇ!」


アダムはキレた。


「おまえ、隠す気あるのかー!」

「うみゅぅえええ、ほへんははーい!」


アダムに頬っぺたをひたすら引っ張られながら涙目でルナはうねうねしている。

そんな彼女を見ているクラスメイトはというと・・・


「この甲殻・・・剣や防具の材料になるかも・・・」

「うーむ、これはすごい・・・」

「綺麗な色だね」

「ルビーみたい」

「脱皮したら貰おう!売れる!」

「友達の一部を売るの・・・?」

「そ、そんな言い方・・・!」


などと呑気だった。ルナの下半身はムカデのそれであったが山育ちと穴倉育ちと、

百足は富貴と鉱脈の象徴として崇めている鍛冶師の一族、そして百足と

気付いていない者と様々だが概ね「ルナ(ちゃん)だしな」という考えで一致していた。


「ええいもう、とにかく・・・なんでこんなことになったんだ?」

「うーん、蜘蛛の足を想像してたんですけど・・・」

「蜘蛛の足?たくさんあるとかか?」

「あー、はいそんな感じです」


見た目だけでみるとラミアなどの下半身が変化した悪魔や魔物にそっくりだがルナの場合

百足の体の頭部分にルナの上半身がついているような状態だ。


「たくさんの足が問題だろうな、変身のイメージに対して体の一部をイメージするとその中で強烈なイメージに引っ張られる」

「つまり蜘蛛より足の多い百足になっちゃったんだ・・・」

「古き者、冥府創造の功績のある百足だろうな。力の上では最上位に位置する存在だぞ」


日光教に伝わる天魔戦争、そこでは神罰として伝わる災厄として隕石の飛来がある。

その際に出た死者の数は凄まじく、供養塔を建てるために石山は平たくなり、墓標を建てるために

山と森ははげ山になったと言われている。

当然死者を管理する冥府もその際に大いに混乱し、多数の死者を受け入れる為に

冥府を拡張する必要が出てきたほどだったという。

神々に力なく、地上にいる職人は殆ど死者になってしまった。悪魔もまた

この戦争で天使に多数を殺されてしまい、残ったのは天使に対抗できる力のある大悪魔だけだった。

その時に神の声に力を貸したのは地中で眠っていた大百足だった。

岩石や土を主食とするもあまりの食欲に活動を控えていたが今がその食欲の使い道とばかりに

死者が暮らすための冥府をその巨体で掘り抜いたのである。

そしてその際に掘り出した金銀を使って死者の中から職人を呼び出して住居を建築。

冥府はそれによってようやく混乱から抜け出した。

その功績によって百足は神と悪魔から冥府創造の動物とされ、掘り抜いた土の一部が竈の材料になったこと、金銀の鉱脈を見つけた出来事から鉱夫と鍛冶師の守護神となった。

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