悪魔化とは?
「そうなるとフラウステッド君は悪魔化をどのようにして習得したのかという話になるが・・・」
「それに関してはあの悪名高い「ルルイエ」に可愛がられているということで説明がつきますよ」
「あー・・・そういえばそのような事を言っておったのぅ・・・」
校長は以前からFクラスに入ったルナが特殊な事情でここに編入になったことを聞いてはいた。
しかしながら悪魔化という特殊技能を持ち合わせているとなると相応に理由が必要だった。
悪魔化とは何か?
それは文字通り悪魔の力をその身に宿して悪魔と化すことである。
魔法使いの至る極地の一つとして悪魔として転生する方法があるがそれはあくまで理論上の話、
勉強すれば誰だって超一流の大学でて一流企業入れますよといったレベルの話であり
それができれば苦労しねえよ
というレベルである。それ故に極地、究極の到達点の一つなのである。
それのハードルを下げたのが悪魔化というわけである。
悪魔化に関しては習得そのものにはハードルは高くない。悪魔に対価を支払えばいいのである。
悪魔に契約して体の一部を借りるのである。腕か、足か、体か、目か、あるいは羽根や翼などの部位。
悪魔は体をいくらでも再生できるし、魔力で構成された体でもあるのでリスクは無いに等しい。
しかしてこの悪魔化という一件イージーな技能が何故に一般に浸透していないか。
答えは簡単。使うのに制約や条件が多いからである。
一つ、魔法使いの素養があること。
当然ながら魔法が使えないこと、魔力が感知できないものに契約は無理である。
二つ、十分な魔力量があること。
お金を稼げる大半の魔法使いが悪魔化を断念する一番の理由である。
界隈には悪魔化を一種の魔法と考えるものもいる。
そのカテゴリーから考えると悪魔化というのは非常にコストの悪い魔法なのだ。
三つ、契約してくれる悪魔を探す事。
そもそもこれが無いと始まらない。悪魔とコンタクトを取る手段と、契約を納得してもらうだけの
貢ぎ物が必要だ。中には「先祖からの付き合いだから」という理由で契約してくれる
ものもいるが大半は貢ぎ物で納得してもらう。
初回の契約と魔力の問題を乗り切れば体の一部を悪魔の体に置き換え、晴れて悪魔の力を行使することが
できるのだ。
というわけで結局は悪魔化も別の意味でハードルが高く、家柄の良いものや特殊な産まれの者の半ば特権と化している。
「どちらにせよ目立つことは目立つのう」
「そこは仕方ないですね」
二人はそう言うと頭を掻いた。
「本格的にレベルアップしたいよね」
校外学習から数日後、成績にプラス評価がついて一安心の中ティナが突然言い出した。
「どうしたの突然」
「いやさ、あの魔法使いと戦ってから色々と考える事あったじゃん?」
「ああ、あの時の・・・」
皆は授業が始まるまでの時間で一カ所に集まってあの時の戦いを思い出していた。
「確かに、何もできなかった・・・」
「けど相手の魔法使いは一流だったって話だ、勝てなかったのは情けないが仕方なかったんじゃないか」
「それとこれは別だよテーちゃん」
「テーちゃん?!」
ズビシ、と指をさすティナ。突然のあだ名にテイロスは仰天している。
「勝てないのは仕方ない?それは成長を放棄する言葉!やることやってからじゃなきゃ!」
「それはそうかもしれないが・・・」
「物作るのも、魔法の練習するのも変わんないよ!できないからやらない!わからないから知らないまま!そんなのは良くないと思うんだよね!」
「とても勉強をサボってるとは思えない言葉・・・」
マリーの突っ込みが入るがそんなことはお構いなし。ティナは自身のやる気を漲らせながらいつになく
張り切っている。
「せっかく実技の許可が出てるんだし、確かに練習はしたいね」
「うーん・・・そう言われればそうかも」
旧館には魔法の練習に使える部屋があったはずだ。ルナ達はそれを見て色々と考える。
魔法をコントロールすること、新しい魔法の習得、魔力の洗練など。
「おーし、授業始めるぞ」
そんなことを言っているとアダムが出席簿を手に入ってきた。
「せんせー!実技がしたいです」
「そうか!ダメ!」
「なんでさー!」
「校長が校外学習なんぞ突然言い出したせいで座学が全く進んどらんからだ」
ティナはブーブー文句を言っていたがいざ授業が始まると一応真面目に授業を受けた。
皆校外学習で得た経験が意欲につながっているようだ。
「Zzz・・・」
「アッテンボロー!!!寝るな!」
「あがっ!」
一名を除いて。
「よし、休憩時間だし実技しよう!」
「次は一応実技だ、魔力のコントロールをするからあんまり無茶するなよ」
アダムはそう言うと旧館にある実技用の部屋の場所を教えてくれた。
実技に使う部屋は何かあった際に魔力を散らす素材が壁や天井に使われており、火など建物を破壊しかねない魔法がすぐに消えるようになっているとのこと。




