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第一節一説『物理的』


 動画投稿サイト『オクテラ』の語り、

人気配信者の古河出雲のホラー配信。

 その配信を見るのが、僕のルーティンになっている。


 学校のクラスメイト曰く、

ホラーよりも食い気だそうだ。

 最近の話題は、アイドルや女優の話、

あそこのラーメン屋が旨いなど。


「アナタ君は、オカルト好きなんだね!」


 女生徒は、困り顔で僕の話に耳を傾けていた。


「好きっていうか、これは人生だよ」


「その古川出雲さんだっけ?怖い話を買い取って、

オクテラに投稿してる人」


「うん、隠言堂というアカウント名の、ホラー配信者さんだよ」


「なら、うちの学校の七不思議も売れたりするのかな?」


「どうだろう?でも『冷やかしは規約違反とみなします』

て書いてあるから軽い気持ちでは、メッセージ送れないかな」


「へ~そうなんだ。じゃあ、試しに送ってみてよ」


「話聞いてた?それで垢BANされたら、笑い話にもならないよ」


「偽物じゃないなら、いいんじゃないの?」


「本物を探すの!僕が?」


「ちょうど肝試しの回覧板メールが送られてきてるし、

参加してみたら?」


 その夜は、女生徒との会話でモヤモヤしていた。

僕は、ベッドに寝転んで、今日の出雲さんの配信をチェックする。


 そのホラー配信のタイトルは『一節一説、物理的』タイトルの

意味を考えながら視聴した。


 まずはオープニングテーマソングが流れ、

しばらく待つこと数分。


「おはるんばー、えっ!今起きたかって?

そだよ~、おはるんばー。初見に古参の方々、

今日の配信が始まるよ~。集まって~、ではでは」


 出雲さんの声、少し眠たげな声なのに、妙に耳に残るんだよな。


『第一節一説、物理的』


 敵国から四方を囲まれた国があった。

しかし一つの方角からしか、敵は攻めてこない。


 その国は、疫病が流行っていた。

しかし肉の卸売りで栄えている。


 な~ぜだ?


 ある日、国の王は、肉を食べた日に

黒い斑点と高熱を出して死んだ。


 不思議なことに王の遺体が見つからない。

町の噂では、王は市民と同じ場所にいると言う。


 肉を食わせた人物は、王の癇癪で死んだ料理人に似ていた。


 供養しないことは、越えてはいけないタブーであり、

さまざまな弊害を生みます。そういった弊害により、

王は殺されたのかもしれませんね。


 おあとがよろしいようで。


「古川出雲です。今日の配信も、ありがとうございました。

怖かったですか?うんうん、怖いですよね。

楽しめましたか?なら、良かったです。

次回も、よろしくお願いします」


 そしてエンドテーマソングが流れ、

一言『あなたの怖い話を買い取ります』

と小さく、今日のタイトルの下に書かれ、

QRコードが添えられている。


 明日の肝試し、参加してみようかな?

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