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不毛な☆高☆校☆生☆活☆  作者: 盲目正法
学校打ちこわし編
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クラス替え孤立

 高校2年生になった。クラス替えになっちゃった。このクラス替えとはなんとも残酷なシステムが採用されているのである。成績をもとに最上位、上位クラス下位クラスに分けられる。可視化される学業の評価により、あるものは自信を失い、残りのうちの半分も半年後に自信を失う。このシステムで幸せを感じられる生徒は学年300人弱の中上位の10人にも20人にも満たない人たちのみだろう。そして、自分でも何故だかよくわかっていないが、僕はミラクルが起きて喜ぶべきことに最上位クラスのSクラスに配属された。だが、不幸にも半年後に自信を失い1年後には消えているといわれる層に属している。追加で、席順がスクールカーストの振り分け基準の一つになることから心中お察し願いたい。さらに、前回Bクラスの自分にはSクラスに知り合いが一人もいなかった。心の中で、「この3拍子どないしたらええんやろか?」と関西弁でおどけてみる。高2になるこの時期のクラス替えは特に重要な意味を持っているだけに若干の緊張が走らないでもなく、友達は皆配属されたクラスに愕然とうなだれているのを見て安易に話しかけられずにいた。結果その日は誰とも話せず1日が過ぎ、2日、3日と続いた。そうしている間に同じように1人でよく過ごしている彼と行動を共にする時間が増えるのは至極当然、必至の事態であった。 とはいうものの何かと知り合いはいるもので彼以外の周囲の人間となじむのも時間の問題だった。

 この学園はいわゆる小中高一貫校で、高校編入コースが併設されている。そして、彼は高校編入組で僕は中学からの内部生。県内1の進学校であり、医学部の合格実績は全国でも類を見ない。ところがどっこい全国的に知名度はさして高いわけでなく、内部の実情はひどいと言って差し支えないだろう。恐らくこの真実を語るには4年もこの学校に染められた僕の口から言うよりも、「泣く子も唸る超拗らせ人間、平松」、つまり例の彼に語ってもらうのが手っ取り早い。

 そう、彼はひねくれている。雑巾のように芯からひん曲がって、あげく絞られて干されむしろ1周回ってまっすぐになってるまである。ただ、あの類のひねくれは学園生活のうまくいっていない学生特有のものであることはいうまでもない。読者諸君には初めに忠告だけはしておこう。とはいいつつも彼は優しい人だけど、ものすごく不器用なだけでもあるんだ。彼の話をここ一つ聞いて感じ取ってほしい。

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