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見習い陰陽師  作者: くろ
3/4

#3

「涼・・・・・香夜の封印あれ事故じゃないだろ・・・」


「ええ、あれは呪いよ・・・・鬼の・・・コレ見て」


涼は肩を蓮に見せる。涼の肩には刺青のようなものがあり

ほんの僅かに力を帯びている。


「あの子の呪いを解いたときに鬼の力が襲ってきたの

・・・・そんな顔しないで折角の男前が台無しよ・・・」


涼は鬼のような形相の蓮の顔を触る。蓮が怒っているのは香夜に対してでも

涼に対してでもない、香夜を呪った鬼に対してだ。


「大丈夫よこの呪いは私の力を当てれば浄化出来るから」


そう言って涼は肩に手を置く。






「香?昨日どうだった?」


リビングの母が聞いてくる。


「ん?楽しかったよ」


「そう、良かったわねでも来週から高校よちゃんと勉強もしなさいよ」


母さんはいつも二言目には勉強しなさいだ、もう聞き飽きた。

いちよ香夜は中学時代上位の成績を取っていた。だが人間と言うのは

上を目指す生き物である。母親でさえ欲を出す。


「わかってるよ!心配しないであと今からちょっと出てくるから」


そう言って香夜は家を飛び出す。母さんが何か言っていたが気にせず

涼の家を目指す。


涼のマンションは駅のすぐそばで香夜の通う予定の高校

私立幸島こうじま高校の近くにある。

しかもそのマンションは馬鹿でかく、家賃も桁外れの額の高級マンションである。


マンションの前に行くと蓮がいた。


「来たな」


「おはようございます」


「敬語は止めろ、もっと砕けた感じで良いぞ」


蓮は敬語で話されるのが嫌いらしい


「わかった、友達感覚でいいの?」


「ああ、付いて来いあと合鍵だ」


蓮は鍵を投げてくる。涼の部屋は最上階にありフロアの半分が涼の部屋になっている。

あの若さで・・・・年齢は知らないが見た目大学生の女性が

こんなところに部屋を借りられるのか疑問に思った。


「涼、香夜来たぞ!」


蓮が涼を呼ぶと奥から涼が小走りでやって来た。

部屋が大きいせいか玄関に来るのにも一苦労だ。


「ハァハァ・・・・いらっしゃい香夜君、どうぞ入って」


涼の部屋は落ち着いた感じの配色になっていた。

リビングに入るとテーブルの上に札やペンダントなど色んなものが置いてある。


「蓮、紅茶とケーキおねがーい」


「わかった」


蓮は異を唱えず、それに従う。


「香夜君今日は色々説明するわね、どっから話そうか?

歴史とかは良いわよね?知りたくなったら本貸してあげるし

・・・・・術とかしか説明できないわね・・・・・

何か気になることある?」


「あの何で悪霊を陰陽師は退治できるんですか?」


「陰陽師じゃなくても出来るわよ、悪霊とか妖魔は生きている人間の霊力や

死んでいるけど生前に私たちの様な事をしている者達の霊力が苦手なの

悪霊たちは負の力、人間達は正の力を持っているから退治できるの」


「そうなんですか・・・・」


大体のことは理解できるが、やはり難しい。


「フフ大丈夫よ慣れていけば自然と覚えられる様になっていくから

じゃあまず香夜君の霊力を浄の力に変えましょう」


涼は香夜の呪いを解く時と同じように香夜の胸に手を当てる。


「良い?今から私の力と、あなたの力を共鳴させて浄の力の感覚を

覚えてね」


涼が力を込めると体の中心が暖かくなり、全身の神経が研ぎ澄まされていく。


「何か熱いです」


「よく覚えて今体の中心が暖かいでしょ?そこが霊力の発生場所なの

霊力を操るには集中とイメージ力が大事なの、例えば体の中心に湖があって

そこから体中に水が流れていくイメージ」


涼が手を離すと力がスーッと抜けていき感覚が元に戻る。

今度は自分の力だけでそれを行なう。さっき涼が言っていた事を思い浮かべ

集中すると先ほどよりは粗いが体の神経が研ぎ澄まされていく。

涼のほうを見ると満足げな顔をしていた。


「合格!凄いね香夜君一発で成功させるなんて、私のいとこなんて

そこまでいくのに一週間かかったって言ってたのに」


普段褒められる事なんて無いから照れる。

涼の指導の下今のを何回も続け、気が付いたらお昼になっていた。


「あらもうお昼?レーンもうケーキ出来た?」


「ああとっくに出来てる」


蓮が持ってきたのはかなり大きいショートケーキと

色んな料理、どれも美味しそうだった。


「んー良い匂いやっぱ紅茶は蓮が入れた物よね」


涼は紅茶の匂いを嗅ぎながら言う。

予想どうり蓮の料理はどれも美味しく、30分で殆どの皿が空になった。


「ご馳走様でした、蓮美味しかったよ」


「ありがとな」


蓮に笑いながら言うと蓮が笑い返してくれた。

涼は嬉しそうに2人のやり取りを見ていた。


「仲良くなちゃって」




―――幸島こうじま高校入学式。

幸島高校は結構人気がある高校だ、学校の方針が自由と自立で

校則も緩く、文化祭なども生徒に自由にやらせている。

しかも私立にしては年間費も安い。そして幸島高校の人気の1つは

何といっても私服校だからだ、私服といっても式典などでは指定のブレザーだが


体育館で入学式を済ませ教室に向かう。

香夜のクラスは1―B、クラスの人数は40人、中には同じ中学の者もいた。

今日は簡単な自己紹介と諸連絡だけで終り、帰ろうとすると何人かの女子に

取り囲まれた。


「進藤君だっけ?ねぇ彼女いる?」


「いないけど・・・・何?」


「何でもないの!気にしないで」


そう言って女子は他の男子の所に行き、香夜にした質問と同じ質問をしている。

だがクラスの男子全員じゃなく、カッコいい系の男子にしか質問をしていないのを

香夜は気が付いていなかった。質問されなかった男子は次の日肩を落としながら

学校に来たらしい。


昇降口を出て校門に向かうと人だかりが出来ていて出ようにも出ることが出来ない。

ココからじゃ見えないが誰を囲んでいるらしい。

囲まれている人もよく嫌にならないもんだ俺だったら直ぐ逃げ出すよ。


裏門から出ようとその場を離れようとすると、人だかりの中心から俺の名前が呼ばれた


「―――――香夜!」


振り向くと中心には蓮がいた


「・・・蓮・・なんでいるの?」


「何でって今日はうちで飯食って行くんだろ?

今日は何が食べたい?何でも良いぞ」


答えたいけど周囲のヒソヒソ話が気になって答えずらい。


「えと・・・じゃあチャーハンで・・」


「チャーハンで良いのか?」


「うん」


蓮はわかったと言って、香夜の手を取り歩き出す。

香夜は引っ張られる形で連れて行かれる。

今日から俺は一人暮らしだ。

ちなみに涼の家には塾の代わりに言っていると親に言っている。

月の値段の安さに驚き直ぐに許可してくれた。値段は5000円

他の進学塾に比べてかなり安い、うちは母子家庭で父さんは俺が5歳の頃

記憶がないので覚えていないが死んだらしい、家族構成は母、俺、弟に妹の4人家族

母の職業はH県のトップ校の教授をやっているからお金には困らない。



後ろを振り向くと後ろを付いてくる人が居た、手にはカメラを持って。

既に何枚か取られている。蓮の顔を見るが気が付いていないらしく涼しい顔をしている。


「ねぇ蓮、何で実体化してるの?」


「ん?ああこれか涼の命令だ、俺は式神だから基本主人の命令には絶対だ

まぁ涼はめったに命令しないがな、前なんて召使みたいに使われている式神を

見たことがある」


「そうなんだ・・・・・」


式神も大変なんだ・・・・召使って・・・・

香夜はこの時もし自分も式神を作り出せるようになったら友達みたいに接しようと心に決めた。



マンションの前に行くとストーカー的な人はいなくなっていた。

多分マンションのでかさに驚いて帰ったのだろう。



「香夜君いらっしゃい、今日は結界の術の練習するからねお昼ちゃんと食べて

エネルギーつけてね!」


「はい」


蓮はさっさとキッチンへ行き料理を作り始めていた。


「涼さん何で蓮に実体化させて迎えに来させたんでしたか?

大変だったんですよ?」


「やっぱり?ゴメンねでも蓮って式神じゃない?友達なんてつくれない

私以外の人間と接することが出来るのって香夜君だけなの・・・・だから

たまに迎えに行かせても良い?」


「勿論でも今日本当に大変だったんですよ、校門の蓮の周りに人が群がって

出れなかったんですから!」


「本当?見たかったなぁー今度は私も行こうかな?」


涼は恐ろしいことを言い始めた。涼が来たら今度は男子も来て

大変なことになる。止めて下さいと言おうとしたら涼は立ち上がって

ササーっとキッチンのほうに行ってしまった。



昼ごはんを食べ終わると早速授業?に入った。


「良い?今日やるのはさっきも言ったけど結界の術ね

今つけているペンダントもいちよ結界の役割を果たしているけど

自分でも出来ないとね」


そういって涼は五枚札を取り出し五つの方向へ投げ一つ一つに

霊力を流しこみ言葉に力を乗せ『結』と唱えると

札が隣の札とつながり、(繋がるといっても霊力の糸の様なもで)

円を描き涼の体を包むように光りの柱が出来上がる。


「良い?これが結界、ある程度上達できたら札の数減らして最終的には

一枚で出来るようにするの、五枚じゃいざって時に間に合わないし

じゃあやってみて、ちゃんと出来てるか力を当てて確かめるから」


涼は少し黒く笑いながら言う。

俺は言われた通りにやりいちよ結界を張ることに成功できた。

だが涼が力を当てると直ぐに解けてしまった。


「上出来よ、じゃあもう一回私の攻撃に3回は耐えられないと

死ぬわよ?」



そのあと俺は休憩なしで6時まで練習をした。3回耐えたのは3時だったが

涼がこれなら5発は行けるとか言い出し終わったのが6時だった。

俺は疲れ果てて眠ってしまって起きたのは次の日の6時だった。

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