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Leaver and Stayer Online  作者: 星海 しいふ
第1章 青の咆哮、結ぶ誓い
7/27

毒草踏みしめ独走す

( -`ω-)✧

(サブタイを見ながら渾身のどや顔)


 宿で部屋を借り、ベッドに座ってリスポーン地点を更新する。


「まさか宿に金がかからないとは」


 食事など、色々なオプションに料金が発生するが、泊まるだけならお金はいらないらしい。


 リスポーン地点は、ベッドに触れると更新するかしないか選択するウィンドウが表示される。


「よし、行こう」





[HP:5/30]


 デザートリザードから受けた傷をローポーションで回復する。


 辿り着いたのは砂漠の端、次のエリアに進むためのボスエリア、ではなく──


[豊穣の輪状森林]


「このエリアは文字通り輪状に森林が広がっている。ドーナツ型ということは、つまり中心が空白であるということ。その空白には何があるのか、その答えは──」


[暗香疎影の樹海]


「──上級者向けエリアだ」


 初心者(ビギナー)殺しの森と言われるそのエリアは、毒草に毒を扱うモンスターと、とにかく毒だらけの危険なエリアである。上級者でも油断すれば毒まみれになり、重複した状態異常にHPを削られ、瞬く間にベッド送りになる(リスポーンする)


「好き好んでこのエリアに入る初心者なんて俺以外にはいないだろうなぁ」


 そう、目的はこの上級者向けエリアだ。

 上級者向けのモンスターってことは経験値の量も上級者向けなわけで、それは初心者からすれば何レベルも上がるほど多い経験値。危険は付きまとうがレベリングには一番いい気がする。


「てかレベル上げようにも輪状森林じゃ雑魚モンスターしかいないせいでほとんどレベル上がらないし、砂漠は通り魔蜥蜴に攻撃が当たらないからな」


 ついでに素材もゲットできればいい武器が作れる。


「ここに生えてる植物も売ればかなりの額になるよな」


 群生していた黒いバラに手を伸ばし──


「痛っ、棘が刺さった」


[状態異常:猛毒]


「っておいマジかよ!?」


 だがしかし、俺とて準備もせずここに来たわけではない。金嵐商会で忘れそうになったがしっかり5つ買ってきたものがある。


[解毒薬(アンチドート)]


 丸底フラスコに入った液体を飲む。


「ふぅ、あぶねぇ」


 やはり油断ならないようだ。


「攻略Wikiでしっかり調べたんだが、包胞草に気を取られすぎて、他をちゃんと見てなかったからなぁ」


 包胞草、これが一番やばい。この森の事故率に一番貢献しているであろう植物。その植物の特徴は風船のように膨れ上がった部分である。それを踏むと音を立てて破裂し、中に入っている胞子を撒き散らしてプレイヤーに毒を浴びせるのだ。


 棘に気を付けながら黒いバラを6本回収。


「シャー!!」

「うわっ、イヴェイシブアクション!」


 回避スキルを使いつつ、数メートルほどの長さの、蛇型のモンスターの突撃を横に跳んで躱す。


[遭遇(エンカウント):アンフィニッシュドナーガ]


「来たか、モンスター!」


 蛇はこちらを凝視し、出方を伺っている。


 俺は右手に杖を、左手に魔導書を持つ。蛇に杖を向ける。何か仕掛けてくると思ったのか、そうはさせまいと口を開け、補食しようとする。


「撃たねぇよバカヤロー!ルル!」


 ルル。触れたものを凍らせる魔法。近づいてきた蛇の頭に向かってそれを発動し、触れたあたりが凍る。


「そしてぇ、魔法付与(エンチャント):冷雪(フロスト)ォ!」


 左手の魔導書をしまい、両手で持った杖を凍った部分に思いっきり叩きつける。クリティカルと表示される。


「やっぱりな!凍った部分は脆くなり、クリティカル判定が出る!」


 ミドルマナポーションを飲み、MPを50回復する。

 

「もう一回!魔法付与(エンチャント):冷雪(フロスト)!」


 クリティカルによ怯みモーションの隙を狙い、凍った部分に追撃。クリティカル。


 スキル、マナチャージング起動。マナチャージングを、リキャストタイムが終わり次第即座に発動するオート発動に切り替える。


「まだまだぁ!魔法付与(エンチャント):冷雪(フロスト)!」


 さらにクリティカル、蛇が怯む。


 一旦下がり、ミドルマナポーションでMPを回復する。


 怯みが終わった蛇は動かない。


「なんだぁ?ビビってんのか?」


 蛇は動かない。煽りは効かないらしい。


「んじゃ、こっちから動くまで!バスラ!」


 射撃。蛇は顔を横に避けて躱す。顔を少し掠ったが、あまりダメージは期待できない。


 そのままこちらに噛みつき攻撃。横に跳んで躱す。しかし、それを読んでいたのか、尻尾が俺めがけて地面に叩きつけられる。これも躱し、尻尾に触れて魔法発動。


「ルル!」


 さらに杖を両手で持って──


魔法付与(エンチャント):冷雪(フロスト)!」


 クリティカルだが、顔のときより怯みのモーションが早く終わり、再度噛みつき。肩を掠める。


「チッ、掠っただけでHP10以下まで持っていかれた!毒は予想通りだな。バスラ!」


 ローポーションとミドルマナポーション、アンチドートを飲みつつ、バスラで牽制。


 飲み終わり、蛇に肉薄しようとして──


 プシュッ、と音が鳴る


「クッソ!こんなときに!」


 包胞草を踏んでしまった。


「バスラ!」


 咄嗟に攻撃、牽制してアンチドートを飲む。


 残りローポーション3個、ミドルマナポーション2個、ハイマナポーション1個、解毒薬(アンチドート)2個。残存MP50(1の位以下切り捨て)。


 尻尾が横薙ぎに飛んでくる。


魔法付与(エンチャント):冷雪(フロスト)!」


 杖でパリィして尻尾に対応する。


[武器破損注意]


 杖の耐久値がかなり危ないところまで来たようだ。


「アイテムのストックも空腹値もフル無視だ!絶対に倒す!」

Q冒頭、デザートリザードは攻撃力3のはずなのに被ダメージ数が25っておかしくない?

Aデザートリザードは戦闘の中で己を磨き、己の攻撃手段となる爪を研磨し、鍛えます。故に攻撃力には若干の個体差が出ます。また、物理法則にしたがった運動エネルギーによる加算攻撃力などもあるため、同じ攻撃力で固定されているわけではありません。前話でもユザパったデザートリザードたちの中には攻撃力の高い個体や低い個体がいました。


暗香疎影の樹海、分類としては一応隠しエリアに該当するのだが、隠すどころか迷い混んだ初心者が凶悪なモンスターたちに蹂躙される始末。


アンチドートは1000ダーラです。

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