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Leaver and Stayer Online  作者: 星海 しいふ
第1章 青の咆哮、結ぶ誓い
5/27

あの蜥蜴絶対許さん


 デザートリザードは真っ直ぐこちらに向かってくる。


「バスラ!」


 魔力の光線を、デザートリザードは素早い動きで回避した。


「チッ、外した。バスラ!」


 もう一度射撃。しかし、また回避される。


「すばしっこいな。全然当たらん」


 デザートリザードは、もう目の前まで迫っていた。

 ザシュッ、と爪が頬を切り裂く。


[HP:17/20]


「ダメージ量は少ないみたいだな。って、あいつどこに──」


 俺の目が捉えたのは、ダッシュで走り去るデザートリザードの姿であった。


「逃げんな!バスラ!」


 躱される。


「あいつ、一撃だけ軽く攻撃してすぐ逃げやがった。なるほど、これが通り魔蜥蜴か」


 通り魔蜥蜴。デザートリザードの異名だ。攻略Wikiで見たが、実際にやられるとかなりウザい。特に軽装備でHPの少ない俺はあいつらの攻撃でも積み重なれば死の危機に瀕する。

 ちなみに、フルプレートの鎧とかだとノーダメージらしい。

 カスダメでじわじわ追い詰めていくやり方、これ作ったやつかなり性格悪いだろ。


 遠くに見える街に向かって歩く。

 蜥蜴が出てくる。


「死ねぇぇぇぇ!!バスラァ!!」


 シュッ、と軽い身のこなしで躱される。


 ザシュッと腕が軽く切り裂かれる。


「待てクソ蜥蜴ェェェ!!」


 この繰り返し。HPが8まで減ったときに、そいつは現れた。


 ズァ…っと俺を囲むように砂の中から──


「牙?舌?いや待て、これ食われてね?」


 巨大なワニの口内が現れた。


[遭遇(エンカウント):希少(レア)エネミー モールクロコダイル]


「待て待て食うな食うな!俺は食っても美味しくないぞ!」


 いや、待てよ。


「やっぱ食っていいぞ。噛まずに飲み込め」


 俺の声が届いたのかは知らないが、クソデカワニは噛まずに飲み込んだ。


 ワニの体のつくりは知らないが、今いるのはおそらく胃か食道だ。


 消化されかけているのか、ところどころ鱗のはげたデザートリザードが俺と同じ空間に一匹いるが、まぁ無視だ。


「ふっふっふっ、ワニよ。桃太郎……じゃねぇわ、金太郎?いや違うな。何だっけ……あ、そうそう一寸法師だ。ワニよ、一寸法師を知っているか?」


 浦島……じゃない、一寸法師は鬼の胃の中から針かなんかで刺すという、かなり拷問じみた攻撃方法で鬼を退治してたはずだ。うろ覚えだけど。


「要するに、中から攻撃した方がダメージ通りやすいってことだ!」


 杖を構える。


魔法付与(エンチャント):冷雪(フロスト)!」


 杖で思いっきり、体内からワニをぶん殴る。


魔法付与(エンチャント):冷雪(フロスト)!」


 さらに2発目。念のためマナチャージングを発動しておく。


「バスラ!」


 内部から凍らされたワニに、さらに追撃を加える。


 ワニは悶え苦しんでいる様子がわかる。そして、胃液と共に外へと押し流される。

 ワニの口の中から砂の上に落ちる。


「やっと吐き出したか。さーて、俺をゲロまみれにした落とし前、きっちりつけてくれるんだろうなぁ!?」


 ゲロまみれというか、俺自身が吐瀉物(ゲロ)なのだが。


 杖を構える。MPが切れて魔法は使えない。牽制である。すると、声にもならないような声を上げて、俺と一緒に吐き出されていたデザートリザードがワニに肉薄、爪で攻撃してこちらへ戻ってくる。


「お前もあいつを見返したいか?」


 返事はない。胃酸で傷ついていて、HPも少ないのだろう。だが目が物語っていた。あのワニへの敵意を隠そうともしない目だ。


「じゃ、共闘といこうか!バスラ!」


 ワニの目玉に直撃。クリティカルで隙が生まれる。その隙にデザートリザードが肉薄し攻撃。さらに俺も肉薄。もう2つしか残っていないゴブリンの石斧を両手に装備して下顎に攻撃する。


 バキン!バキン!と2つの斧が壊れ、俺が一旦退くと同時にデザートリザードが助走をつけて高く跳躍。


「ぶちかませ!」


 デザートリザードは上顎を爪で切り裂き、着地。


 モールクロコダイルのHPが0になり、ポリゴンとなって散る。


トドメの一撃(フィニッシュブロー)としては、中々派手でよかったと思うぜ」


 まぁ、モンスターにこんなことを言っても──いや、もしかすると──


 ザシュッ。


 手の甲を爪で切り裂かれる。


「……オイコラ、クソ蜥蜴!何かこう、共に戦って人とモンスターとの間で芽生えた友情みたいな、何かあるだろ!空気読め!」


 やっぱモンスターだ。人の言葉なんてものは通じないらしい。


「待てコラァァァ!!バスラ!」


 疲弊していて避けられなかったのだろう。ギリギリ10まで回復したMPで撃ったバスラは、左目を掠った。


「あの蜥蜴絶対許さんからな。顔覚えたからな」


 モンスターの顔など判別できないが。


[level up!]

[Lv.13→Lv.15]


 デザートリザードが逃げたことで戦闘が終了した判定になり、レベルが上昇する。


「お、新しい魔法習得してるじゃないか」


 習得したのはルル。MP20で触れたものを凍らせるらしい。


 ステータスポイントを割り振り、ドロップアイテムを回収し、街へ向か──


「待てよ、胃液まみれってことは酸まみれ、消化液まみれってことだよな……」


──ステータス──

センヨウ Lv.15

状態異常:酸

○種族

人間

主職業(メインジョブ)/副職業(サブジョブ)

魔法使い/なし

○所属クラン

無所属

○パラメ……

─────────


[状態異常:酸]

[酸を浴びた状態。30秒ごとに5ダメージ。1分間継続]


[HP:13/30]


 はーい。死にかけ。


[HP:8/30]


 街へ走れぇぇ!!

主人公の「これ作ったやつかなり性格悪いだろ」発言

リバステ製作陣に対してのものだが、作者が流れ弾食らってる。だって元を辿れば全部作者が考えてるんですからねぇ!!


私「一寸法師を思い出すのに時間かかりすぎでは?」

主人公「金太郎がどういうお話か知らないやつがよく言えるな」

私「うぐっ。いやね、知らないわけじゃないんだよ?熊と相撲とるんじゃなかった?それ以外なにも知らないけど」

(言い)争いは同じレベルでしか起きない


モールクロコダイルは、まぁほぼモルド○ジーク。てか完全にモルド○ジーク


HPは、パラメータ強化すると、加算された分だけ回復します。例えば、今回の場合主人公の残りHPは8でしたが、上限を10追加したことで、HPも10回復し、18になっています。その後酸のスリップダメージで徐々に減少し……

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