表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Leaver and Stayer Online  作者: 星海 しいふ
第1章 青の咆哮、結ぶ誓い
17/28

黒き鎧を砕き蝕む

久々に見たらブクマめっちゃ増えてて驚愕してる私です。さすがに割烹でいうのもあれなので、前書きでちゃんと感謝を伝えます。ありがとうございます

え?久々ってことはなろうに来てなかったのかって?そうですよ!現実が忙しくて全然執筆できてませんよ!今日は絶対執筆するからな……ノンストップでするからな……


 欠けた蛇牙刃(タッタードファング)を構え、肉薄。鋏をパリィ、続く針を避けて顔面に一撃。


「チッ、ヒビすら入らねぇ。やっぱスキル補正ないと割るのは厳しいか」


 鋏をパリィ、ブラックスコーピオンが後ろに飛び退く。スキルハイホップで前方に跳び、距離を詰める。そのままヒビを入れた右側に回ろうとするが、針に阻まれ、再度距離を取られる。


「ヒビに近づけさせないように立ち回ってるな」


 今度は向こうから肉薄、右の鋏をパリィし、そのまま側面へ。針もパリィするが、そのタイミングで方向転換、その勢いのまま左の鋏が襲いかかる。


「やべっ」


 ギィン、と刃と鋏のぶつかる音が鳴る。側面からの攻撃に反応こそできたものの、威力が足りず、弾けなかった。受けた刃ごと吹き飛ばされ、体が浮く。

 ズザザザザ、と滑りながら着地。ブラックスコーピオンに距離を詰められ、再度鋏で殴りかかられる。それをパリィして飛び退き、距離を取る。

 今度はこちらから肉薄、針を弾いて側面に回るが、俺の左側面に針で攻撃を仕掛けてくる。それをパリィ、またもブラックスコーピオンは飛び退いて距離を取る。


「あのヒビに追撃を入れられないよう上手く立ち回ってやがる」


 あと一歩、届きそうなギリギリで邪魔が入る。


「狙いを変えるべきだな」


 ブラックスコーピオンが接近、右の鋏での攻撃をパリィ、左の鋏の追撃も弾いて側面に回り込む。

 針をイスチューコンダクトで回避し、脚を切り落とす。


「お前にとっては8本ある脚の1つ程度、どうってことないのかもしれないが、こっちは一撃でも傷口から毒を侵入させられればあとは耐久戦なんだよ」


 向こうからの肉薄。鋏を開き、俺を挟み込もうとする。ハイホップを使った跳躍で鋏を躱し、上から頭に刃を突き刺す。


「よっしゃ刺さった!」


 落下時の慣性を利用した一撃が硬い装甲を破り、ブラックスコーピオンはポリゴンとなって散った。


「ドロップは甲殻2つと針か。鋏も欲しかったなぁ」


 ま、無い物ねだりしても仕方がない。さっさと先に進もうか。


[獣道の山脈]


「ここには食用になるモンスターが多く生息しているらしい」

「食用、ね」

「メェェ」


 黄色い角を持つ羊がこちらを見つめている。


「ジンギスカンでもするか?」

「じんぎ……?何だそれは」

「羊料理だよっ!」


 突進してくる羊を欠けた蛇牙刃(タッタードファング)で迎撃する。羊はポリゴンとなって消えた。


「一撃か。あんまり強くないんだな」


[クッションシープの肉(毒汚染)]


「毒汚染……欠けた蛇牙刃(タッタードファング)で斬ったからか?」


 変なところまでリアルにしなくていいのに。


「これ売れんのかな……」

「毒に汚染された肉も売れるぞ。価値は下がるが、毒を除去する魔法で処理されるから普通に食べられる」

「価値は下がる……ま、仕方ないか。次からは魔法で仕留めよう」


 そう言った矢先に牛が目の前を通った。


「モォォォ」

「バスラ」

「モ゛ッ!?」


 やはり一撃。ここのモンスターはそこまで強くないらしい。警戒心も薄く、かなり近くにいたが向こうはこちらの存在に気づいていないようだった。


「拍子抜けというかなんというか、平和なエリアだな」

「ああ。ここにいるモンスターは一般人でも狩れるような雑魚ばかりだからな」


 山脈とは言うもののそこまで高いわけでもなく、特に何の問題もなく、数分でエリアを抜けられた。


[平穏無事の盆地]


「ここが……」


 モンスターが一切発生せず、故にエリア全体が街として機能しているという平穏無事の盆地。


「ザ・田舎って感じだな」

「中央にはしっかりと発展した町があるらしいぞ。ギルドも恐らくそこにあるだろう」

「中央までひたすらウォーキングかぁ。あ、そうだ。着くまで魔法とかスキル使いまくって熟練度稼げばいいじゃん」






 中央まで約45分。


「おおー、しっかりしてんな」

「ここには元々、このような街はなかったらしい。冒険者が一から作り上げ、現在に至るそうだ」

「これを一から、すげぇな」


 プレイヤーメイドのわりにスタルテスやマルドネと対して変わらない普通の街だ。むしろこっちの方が活気もあって街として機能している感じがする。


「随分と人が多いな」


 そう言うと、ランシュは顔を隠すようにフードを深く被った。


「我々は積極的に人間とは関わらない。できるだけ目立たないようにしなくては」

「それ逆に怪しいけど。てか俺に関わってんじゃん。しかもそっちから」

「別に関わることを禁止されているわけではない。それに、我々の存在はまだ知られていないんだ。下手に騒ぎを起こしたくない。面倒だからな」

「そっちが本音ね」


 不審者以外の何者でもないランシュと歩いていると、ふと看板が目に入る。


「これ町内マップか?整備されてんなぁ」


 看板には町の地図が貼られている。


「えーっと、魔法使いギルドは……あった」


 そこまで離れていない。ギルドは町の入り口付近に集まっているようだ。


「なぁ、なぜギルドに行くんだ?理由を聞いていないが」

「あぁ、会員証だよ。ギルド行くの忘れててさ」


 会員証は身分証明書となる。これがないとNPCとのやり取りで不便なこともあるらしい。というか、持っていないとならず者だと思われる。


「チュートリアル適当に流すべきじゃなかったかなぁ」


 昨日、寝る前に少し攻略wikiを見ていて知ったが、知らなければ一体どうなっていたことやら……

欠けた蛇牙刃の毒は出血毒です。出血毒は血液を凝固させ、凝固因子を消費させることで逆に血液が止まらなくなり、フィブリンを分解することで血液凝固を妨げます。それと同時に血管系の細胞を破壊して内出血を起こします。簡単に言えば体内出血が起き、それが止まらない状態です。このゲームでは、その出血がダメージとして表れているわけです。

毒の仕組みとかは結構重要で、例えばアシドーシスを起こす毒を食らった状態でアルカローシスを起こす毒を食らうと打ち消されて毒が消えてしまいます。毒と薬は紙一重なんですね。

他にも、リバステにはフィブリンによって血流を塞き止め、血圧を上昇させて内出血を起こす毒とかもあるんですけど、それは欠けた蛇牙刃に含まれる毒と相性が悪いです。フィブリン分解しちゃうので、欠けた蛇牙刃の毒だけが残ります。

あとは魔力中毒と赤血球を破壊する毒なんかも。魔力中毒って一酸化炭素中毒とかと仕組みは変わらないので(魔力とヘモグロビンが結び付いてマノキシヘモグロビンになります)、併用する意味はないですよねっていう話。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ