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Leaver and Stayer Online  作者: 星海 しいふ
第1章 青の咆哮、結ぶ誓い
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天空ピンボール


 アスレチック三番勝負。初級は勝ち、中級は負けた。現在同点。


 中級も普通にやったら勝てそうだったが、ランシュが"もうそろそろ本気でやらないと厳しいな"とか言って3段ジャンプのスキルを使いやがったのだ。

 もちろん俺は抗議した。が、訓練施設のNPCの"アスレチックでのスキル使用は一部を除いて認められていますよ"という言葉がクリティカルヒットした。


「最後は上級だな。ここで勝った方が武器を奢る。いいな?」

「そっちこそ、負けて後悔しても知らないぞ」


 上等だ。


「フルダイブの高難易度アスレチックなんざ、BBB恒例のフラットマンアスレチックでやり慣れてんだよ!」


 7作目、メタルフォースのフラットマンアスレチックは特に難しかった。全力ジャンプして、タイミングよく空中で大剣を装備して足場に突き刺し、崖掴まりモーションで乗るところはかなり苦戦した。あれ、大剣出すのが早すぎると重さで落下して届かないからな。それにメタルフォースってSF要素が若干入ってるから、スパイ映画とかでよく見る赤いレーザーのやつもあったな。しゃがみ、ローリング、ジャンプ、手で着地して腕の力だけでジャンプ、着地すると足場が崩れて落下、タイミングよく地面に攻撃して落下ダメージを相殺して高速で動き回る足場に飛び移って……

 12作目、獅子の咆哮もシンプルに難しかった記憶がある。

 最新作の宝箱は……思い出したくもない。どうにか裏ルートがないか、正規以外で行けないか考えて、結局正規ルートでクリアしたのも、今となってはいい思い出である。


「シリーズ14作中、5作のフラットマンを初見クリアしたアスレテク、見せてやるよ!」


 スタート。まず最初は幾つもの障害物がある雲の道。ここはアスレチックというより、パルクールに近い。

 難なく躱していく。


「滑り台か」


 スキーのジャンプ台のようになっている。ここを滑って勢いよく飛んで遠くの雲に着地するということだろう。


「ギリギリを狙って……ここ!」


 かかとがジャンプ台の端に来る。蹴るのは床ではなく、側面。跳躍スキルを起動して跳び上がる。


「ここで、武器展開!」


 欠けた蛇牙刃(タッタードファング)を取り出し、雲に突き刺す。そして、柄を起点にバク転。欠けた蛇牙刃(タッタードファング)をしまう。

 雲を2つ飛ばしてショートカットだ。


 次は動く足場だ。


「遅い遅い!」


 動く足場なんて何度やったと思ってる。余裕だ。

 次はホバリングジェル。このアイテム、面白い性質をしていて、その場に留まって浮遊し、衝撃を与えると爆風が発生する。

 3つ並んでいるホバリングジェルの1つを踏んで爆風で跳び上がる。


「次は……届かないな」


 次のホバリングジェルには上の方にあるので、乗れそうにない。だが、乗らなくても衝撃さえ与えればいい。


欠けた蛇牙刃(タッタードファング)!」


 腕を上に掲げた状態で武器を呼び出す。武器は装備中のものを任意で呼び出し、収納ができ、呼び出すときは基本的に装備している方の手に現れる。


 剣の峰でホバリングジェルに触れ、起爆。爆風で前方に飛ぶ。


「こりゃまた、遠いな」


 欠けた蛇牙刃(タッタードファング)で届くが、今回は上ではなく、ほぼ同じ高さだ。武器で触れても後ろに飛ばされるだけ。ならば──


「一旦下がればいい」


 欠けた蛇牙刃(タッタードファング)で起爆、後方に飛ぶ。体勢で風を受ける向きを調節し、若干上向きに飛んでいく。さっき剣の峰で叩いたところまで戻ってきた。ホバリングジェルのエリアは、全て横に3つ並んでいる。残った2つのうちの1つに背中でぶつかり、起爆。背に風を受け、勢いよく飛ばされる。


「これで……届いた!」






 結果は、同着であった。

 俺はアスレチックに慣れているが、パラメータが低いが故に無駄が多かった。対してランシュはパラメータやスキルが充実しているが、アスレチック経験はこの数分だけ。


「ま、何はともあれクリアだ」


 俺は、ランシュと勝負するためにここに来たわけではない。アスレチックのクエストを受注した理由は、上級のクリア報酬である。

 それは──






[獣人国(ビーストランド) 貴族街 熊の屋敷]


「じゃ、頼むよ」

「おう、任せときな。お望みの武器を作ってやるから楽しみにしとけ」


 レーベに素材を渡して武器作成を行ってもらう。鍛治オタクの雑学はもう懲り懲りなので早々に退散することにした。あの時のは俺が発端だったことからは目を逸らす。


「レベルの不安もあるし、あとはレベリングかな」


[現在時刻:02時05分]


 いや、寝るか。明日も学校あるし。もうそろそろ寝よう。


 あの後、レアエネミーと遭遇したり、降りたところでモールクロコダイルと遭遇したり、マルドネで買い物したり、そのためにドロップアイテムを泣く泣く全て売り払ったりと、まぁ色々あって帰るのが遅くなってしまったのだ。かなりいい乱数引いて、ドロップ数が多かったのだが、全部売った。


「あとやるべきことはレベリングとスキルの育成くらいか」


 10月2日の木曜日──いや、もう日付が変わっているので3日金曜日だな。今日も高校があるので寝る。


 ログアウトし、そのままVRチェアで寝た。

Q主人公たちはどうやって雲海から砂漠に降りたの?

Aホバリングジェルや綿雲(エリア:天空の雲海に在る実体の存在する雲)で衝撃吸収しながら降りてきました。あとは、上級の報酬とかも使ってます。


サンダーバード君はユザパりました。というのも、タッタードファングで毒塗り込んでじわじわ耐久戦だったので、描写も面倒だし面白くないので。丸々カット。

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