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Leaver and Stayer Online  作者: 星海 しいふ
第1章 青の咆哮、結ぶ誓い
10/28

堂々としていれば逆に怪しまれない

ユザパァァァァ!!

やっぱアニメでもユザパられたぁぁっっっ!!

(書き溜めしてる時との時差ですね。これ書いてるときはユザパ登場回の放送日でした)


 夕飯やトイレを済ませて再度ログイン。


[現在時刻:19時46分]


「起きたか」


 ランシュが部屋に入ってくる。


「少し早いが王城の会議室に向かうぞ」

「早くね?」

「王城まで少し歩くからな。5分前に着くなら丁度いい時間だ」


 ランシュの後ろを歩き、屋敷を出る。


 外から見るとかなりの大きさであることがわかる。やっぱ貴族の権力ってすげぇな。


「てか、不法入国者なのに堂々と街歩いていいのか?変装とかしないの?捕まらない?」

「安心しろ。当主と一緒に歩いているのだ。疑う者はそういまい。それに、獣人国(ビーストランド)に人間が定住する前例もあるしな」

「え、前例あんの!?」

「ああ。6人ほどいるそうだ。貴族街に出入りできるものは1人だがな」


 結構いるな。しかも、貴族街も俺が初ってわけじゃないらしい。


「攻略Wikiには載ってなかったけどなぁ」

「うぃき……あぁ、あの情報を纏めた本棚のようなやつか」

「え?あぁ、うん」


 そうか。ウィンドウまでもが設定として世界観に組み込まれてるなら、掲示板や攻略Wiki、メール機能なんかも世界観の内なのか。

 普通に怖いわ。徹底しすぎだろ。


「冒険者にも派閥のようなものがあるのだろう?」


 ギルド……いや、クランのことか。


「彼らは我が国との窓口になるやもしれん。我が国のことを明かす機会をうかがっているのだろう。我等は積極的に冒険者と関わることはないからな」


 面倒なことになってきた。他にこの国に滞在していて、尚且つこの国に関する情報を秘匿しているプレイヤーがいるとなると、俺が勝手に情報を流せばそいつらから反感を買ってしまう。

 そうなると俺の平穏なゲームライフが……


 それに、全員が情報の秘匿で意見が一致してるってことは、その6人のプレイヤーはたぶん協力関係にあるはず。俺にも何らかの接触があるかもしれない。

 そいつらが、もし大手クランに交渉持ち掛けるつもりなら、当事者の俺も巻き込まれる可能性は高いわけで……


「クラン間のいざこざとかそういうのには巻き込まれたくないんだけどなぁ」


 今考えても仕方ない。諦めよう。


 そんなことを考えながら歩いていると、矛が目の前に突き付けられる。


「そこの人間、何者だ?」


 ランシュと違い、顔が完全に龍になっている、人の形をした生き物が、矛を突き付けながら言う。

 獣人(ビースト)っていうより、蜥蜴人(リザードマン)とか龍人(ドラゴニュート)って感じだな。


「滞在許可が降りている者とは別の人間だな。ランシュ、お前が連れてきたのか?」


 貴族家当主のランシュにタメ口ってことはつまりこの龍人の身分はそれと同等かそれ以上ってことだよな……あれ?そういえば俺もタメ口……処刑とかされないよね?リスポーンするけど。


「これはこれはジルギ殿。新しく騎士団を創設するのだろう?その騎士団長となる素質があるので連れてきたのだ」

「ほう、素質か。ふんっ!」


 途轍もない速度で顔面目掛けて繰り出される突きを、間一髪回避する。


「避けるか。まぁ、これくらいは当然だな。ランシュ、こいつはそれほど強いのか?」

「素質があるだけだ。だがまぁ、現状でもかなり強いぞ。レベル20にも満たない力で、アンフィニッシュドナーガを討ち取ったのだからな」

「あんふぃ……?それは強いのか?」

「イアルテ・ダルコルッダくらいだ」


 いある……何だ?誰かの名前か?


「そうかそうか」


 龍人──ジルギは武器を仕舞い、俺に近づき、肩を組んで──


「気に入ったぞ、お前。中々面白いではないか!はっはっはっ!」


 豪快に笑った。


 よくわからんが、気に入ってもらえたようで何より。


 まぁ、そんなこんなで王城の会議室に到着した。


 中に入ると、13の椅子に11人が既に座っている。俺たちが一番最後らしい。


「センヨウは私の後ろに立っておけ」


 とのことなので、ランシュの後ろに立っておく。


 1つだけ豪華な椅子がある。それに座っている、オレンジの長髪に猫のような耳を持つ男が恐らく王だろう。

 あとは動物の特徴を持っていたり、顔が動物だったり、動物と人間の割合には個人差があるようだ。

 1人だけ、獣人(ビースト)っぽくない、鬼のような角の生えた男がいる。オーガか何かだろうか。


 龍人とランシュが座ったところで、会議が始まる。


「まず私から。この人間、センヨウの入国と貴族街滞在を認めてもらいたい」


 俺に注目が集まる。


「理由を聞こうか」


 王が言う。


「新しく作られる騎士団、その団長の素質があると判断した。今は未熟だが、私が鍛える」

「理由はそれだけですか?」


 口を開いたのは、虎の顔を持つ男だった。

どうせ描写するタイミングないと思うので


王···獅子

近衛騎士団長···虎

軍師···鬼

軍団長···龍

経済···狸

政治···狐

立法···鼠

国内調査···蛇

国外調査···狼

医療・服飾・料理(世話)···兎

鍛治···熊

建築···牛

教育···猫


という感じで貴族家にはそれぞれ役割があり、それぞれの形で王に仕えています。ただし、ランシュが暗香疎影の樹海にいたように、役目に専念しなければならないってわけじゃないです。当主は好き勝手やってる人もまぁいる。熊の当主とかは素材調達のために高レベル地帯でスローターしたりしてます。

虎は近衛騎士団長ですが、良くも悪くも役目に忠実なので、王が頼み事をするときは狐や猫がよくパシられます。

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