初期設定に時間がかかる
これ書き溜めなので前書きやら後書きやらの話題が現実時間軸から少し離れてたりします。
科学技術が発達し、フルダイブVRゲームが主流となった時代。技術がかなり発展し、黎明期のようなクソゲーもほとんど作られなくなり、それと同時に革新的な技術改革というものもなくなってしまった。そんな中、今までになかった技術やシステム、新感覚のシナリオなどを取り入れ、瞬く間に総プレイヤー数2000万人を突破し、神ゲーと祭り上げられたゲームがある。それが──
「──それがLeaver and Stayer Online、通称リバステ。多くの著名人がプレイヤーを公言し、自由度の高さにも定評がある。そして、このゲームの特徴は、2つの仮想空間を行き来し、2つの物語が同時進行でプレイヤーたちによって進められていくことだ」
簡単に言えば、2つのゲームが合体しているようなものだ。
「SF要素も散見されるファンタジー世界、マジックバースと、ファンタジー要素も散見されるSF世界、サイエンスバース。プレイヤーはその2つの世界でそれぞれのワールドクエストを進めて、攻略を目指す」
発売されたのは今年の2月、そして今は10月。発売当初からかなり話題になったいたし、完全に乗り遅れてしまった。俺、河野陽輝はVRチェアに座り、起動する。
「アカウント開設ね。メルアドとパスワード登録して……これでよし。次はキャラメイクか」
リバステではマジックバースとサイエンスバースでアバターを使い分けることができるらしい。プレイヤーネームも使い分け可能だ。
「できた。まぁ、こんな感じでいいだろ。ボイチェンはなし。プレイヤーネームは両方ヒセンでいいかな」
次はマジックバースの職業選択だ。
「職業によって初期パラメータが変化するのか。才能とか友好みたいな、他のゲームでは見たことないパラメータもあるな」
パラメータは体力、魔力、攻撃、防御、速度、持久、技術、幸運、才能、友好の10個に分かれている。
「うーん、最近は物理職ばっかだからなぁ。偶には魔法職にするか…うっわ、何これ。魔法使い(炎)に魔法使い(水)って、属性ごとに分かれてる。僧侶も同じ感じか」
どうやらかっこの中は得意な属性で、初期に習得している魔法や、覚えやすい魔法の属性などに関係し、得意な属性は若干威力に補正が入るらしい。ちなみに、物理職の場合は属性の代わりに、得意な武器種が設定でき、習得しやすいスキルなどに影響するようだ。
「炎、水、氷、電気、植物、風、土、毒、石、バフ…色々あるけど、氷かな」
炎は草むらや森林で火災になる可能性があるので却下。このゲームは魔法で火事が起きたりするらしい。同じ理由で電気も却下だ。水はなんとなく、攻撃より防御のイメージがあったのでやめた。土も同じく。バフは物理職の味方がいる前提だし、毒は状態異常という特性を持つため、おそらく攻撃自体はそこまで威力が高く設定されておらず、瞬間火力に欠けると思われるので却下。あと単純に危ない。敵を凍らせて動きを阻害しつつ攻撃できそうな氷を選んだ。
次はサイエンスバースの武器選択だ。選択といっても、カスタマイズに近い。
「銃か剣か、いや拳武器もいいな…あ、刀あるじゃん。よし、刀にしよう」
武器種から刀を選択すると、いくつかの機構武器が表示される。
「軽量な代わりに攻撃力が少し低めの白斬か、バランス型の銀月か、攻撃力が高い代わりに重い断黒か、迷うなぁ」
それ以外にも小刀や刀と呼んでいいのか怪しいサイズの、大剣のようなもの、逆刃刀、七支刀など、様々な種類の刀があるが、普通の刀でいい。逆刃刀にはちょっと興味があるが。
「バランス型って悪く言えば器用貧乏だしな、重い武器はあんまり得意じゃないし、白斬にしよう」
決まった。機構武器を決めれば、今度はチップをセットしていく。チップとは、武器ごとに備わるスキルのようなものだ。チップはノーマルチップ3枠とサブチップ5枠、スペシャルチップ1枠をカスタムできる。
「ノーマルは飛ぶ斬撃は欲しいな。あとは抜刀と、刺突系のチップにしよう」
これまた色々種類があるのだが、刀身と同じサイズの斬撃を飛ばす飛刃、抜刀時に衝撃波によって当たり判定が大きくなる剛伐、貫通性能が上昇する針通にした。
「サブは補助って感じだな。耐久上昇とか攻撃上昇とか軽量化とか。あとは装備者に影響を与えるのもあるな。移動速度上昇とか防御上昇とか」
これは同じものを複数個セットできるようで、俺は切れ味が上がる鋭化3個と耐久上昇の頑丈2個を入れた。
「スペシャルは必殺技みたいなもんか」
これは武器ごとに変わるようで、白斬の場合は純粋な高火力の一撃を放つ白光一閃か、多段ヒットの白乱烈斬のどちらからしい。
「これ、一撃か多段ヒットかの違いだけで威力は変わらないみたいだし、どっちでも──いや待てよ、サブチップは掛け算ではなく足し算。つまり多段ヒットの場合ヒット数だけ威力が加算されるわけだ。ってことは、白乱烈斬の方が火力高いじゃねぇか!」
というわけで、武器選択を終えた。
最後に、どちらの世界に入るかの選択だ。
「まぁ、久々に魔法職試したいし、マジックバースから始めるか」
物語が始まる
当初、タイトルはPLANET CIRCLEの予定でしたが、色々あって(設定がこねくり回され)、タイトルまで変わってます。サブタイはつけるか迷って結局つけました。主人公のPNも当初はハルでしたが安直すぎて没に。プロットの要素はどこへ行ったのやら……
主人公くんのプレイヤーネームはいつか回収するので、今は何か拘りがあるんだなぁ程度に思っていただけたら。