表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時を戻った私は別の人生を歩みたい【書籍化】  作者: まるねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/94

82

「師匠、ラシュフォールの鉱石を磨けました」

「どれどれ? うん、よく磨けているよ。じゃあ、この間からユリアが考えていた魔法円をこの鉱石に刻んだらいいよ」

「あの魔法円で大丈夫ですか?」

「んー大丈夫じゃないかな」


 王宮から戻ってきた師匠は難しい顔をしながら私の隣で報告書を読んでいる。話し掛けても話半分の返事しか返ってこない。


 ヴェーラが脱獄してから数日が経つが、騎士団と協力して彼女の行方を探しているけれどまだ足取りは掴めていないらしい。


 鉱石に魔法円を書き込むのはとても難しい。

 私はまず練習用の石を持ち、指の先から魔力を大量に放出ながら魔法円を石に刻んでいく。


 ただでさえ魔力を糸のような細さにして指先から出すのは至難の業なのに一定の魔力で休むことなく削り続ける。削る深さにムラが出ると効果にも影響してくる。


 魔力を放出するには豊富な魔力を持っていなければいけない。


 師匠はいとも簡単にネックレスや腕輪に刻んでいるけれど、並みの魔法使いには難しい芸当を彼はしている。


 そういう理由から魔道具を作ることの出来る魔法使いはほんの一握りの人しかいない。


 私のすぐ側にランドルフ様が寝ている籠がある。


「練習は完璧ね!」


 私はふうと一息吐いてラカン鉱石を持った。


「では、やります!!」


 指先に魔力を込めて緊張しながらラシュフォールの石に刻み始める。


 ……… …… … 出来た!



「師匠、出来ました!!」

「どれ、見せて」


 私は魔法円を刻み終えた鉱石を師匠に渡すと、師匠はジッと見ている。


「うーん。まあ、いいんじゃない? あと三個頑張って」


 そう言ってまた資料とにらめっこし始めた師匠。


 あと三個……。


 緊張しながら二個目を取り掛かり、三個目には緊張が途切れる。そして四個目、何となくコツを掴んだかも!?


「師匠、出来ました!!」

「どれ。……この二個は不合格。あとはあげてもいいんじゃない」

「良いんですか?」

「そのつもりだったんでしょ?」

「はい!」

「んじゃ、急いで行った方がいいんじゃない? 彼女、そろそろ寝込むころだし。それにもうすぐ日が暮れる」

「!! 急いで行ってきます」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ