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時を戻った私は別の人生を歩みたい【書籍化】  作者: まるねこ


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誤字、脱字報告ありがとうございます。。゜(゜´Д`゜)゜。

 翌日、朝から侍女達に磨き上げられ伯爵家の馬車へと乗せられた。


 こんなにいい天気なのに私の心は曇天模様。

 いまにも大雨だって降りだしそうよ!

 ジャバジャバなんだから!


 今日の王家主催のお茶会はランドルフ殿下が参加するお茶会で同年代の令嬢、令息達が呼ばれている。


 同年代の貴族達の交流を目的としたお茶会となっているけれど、水面下では殿下の婚約者を見定めるために開かれたのだと思うわ。


 ここで問題を起こせば即脱落ね。


 ただ、我儘令嬢なだけでは家の名誉も落ちてしまう。人畜無害、王妃の器ではないような目立ったものがない感じの令嬢が家にも傷がいかずに済む方法だと思うのよね。


 別に伯爵家の評判が落ちようとも私は気にしないけれど、評判が落ちるような行為をするのは私のプライドが許さない。


 如何に上手く切り抜けるか。


 私の予想では爵位が高い順に殿下の席近くに座っていくはず。


 交流を目的としているので座席の移動もあるから座席は指定されていないのだと思うの。


 伯爵位とはいえ離れた席に座っても何ら問題ないはず。今日のお茶会の攻略法を考えているうちに馬車は悲しくも無事に城へと到着したみたい。


 馬車の扉が開くと、そこには一人の騎士が礼をして待っていた。私をエスコートしてくれるようだ。私はエスコートされながら城の中庭へと案内される。


 ……懐かしいわ。


 この庭園。

 いつも王妃教育で城に通っていた頃に眺めていた庭。

 またここに来たのだと思うと心がズキンと痛む。


 あれから発作は出ていないの。実は発作が出ないように馬車の中で自分の精神耐性が上がる魔法を掛けた。


 夢の中で何年も戦い抜いて恐怖心が鍛えられたとはいえ、もしも出たらと思うと怖かったから。


 普段も発作は出ないし、思い出す事もないけれど、思い出せばやっぱり嫌な感情として残っているわ。


 発作で倒れて即帰宅が道としては一番なのだと思うけれど、周りの目も変わるし、家の評判も落ちて自分が許せなくなりそうな気がするの。


 私が中庭に足を踏み入れると既に沢山の人が集まっていたわ。


 殿下が座ると思われる席を中心に公爵位の人達から座席に着いている。ほぼ過去で出会った事のある人達だわ。


 彼らはみんな同じSクラスという事もあり、仲が良さそうな雰囲気だ。私はそんな人達を尻目に伯爵位の席の中でも一番遠い席に座る。


 今回の会場は円卓ではなく、長テーブルを繋げた状態で縦三列横四列のテーブルで正方形の形に配置されていたわ。


 ここは座席でいうと丁度真ん中あたり。良い考えだと思うのよね。


 一番殿下と触れ合う事の無い席。


 男爵位の席は一番遠いけれど、端っこなの。男爵位の席に伯爵位の私が座れば違和感しかない。


 まぁ、病気を理由にいつでも退席できるからと座っても良かったのだけどね。


 でも殿下が挨拶と称して歩いてくる可能性があるのよ。今回の会場の作りが何故このような形かというと、やはり殿下と知り合うのは高位貴族が優先され、男爵位とは関わらないような配置なのだろう。


「隣に座っていいだろうか?」


 そう私に声を掛けてきたのは、ヨランド様だった。彼は伯爵子息だったわ。


 チッ、チッ、チッ。内心舌打ちの嵐だ。


「ヨランド様、殿下の側近である貴方がここにいてはなりませんわ」


 私は優しく言ってみるけれど彼が気にする様子は見られない。


「お気遣い有難うございます。殿下にはオディロンが側にいるし、警備も騎士達が後ろにいるので私は付いていなくても問題はないのです」


 私は『どうぞ』とも言っていないのに微笑みながら隣に座った。座ってしまったなら仕方がない。


「あら、いつもランドルフ殿下の側にいる婚約者予定の方が一人いないわ。何かあったのかしら?」


 私は何気なく思ったことを口にした。


「あぁ、クラーラ嬢はどうやら熱を出して急遽欠席になったようです。代わりに妹殿が出席されているんですよ」

「そうなのですね」


 ふぅん。クラーラ嬢が風邪なんて珍しい。

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