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いつも誤字、脱字報告有難う御座います。。゜(゜´Д`゜)゜。
私は自室に戻り服を着替えて治療院へと向かう。勿論認識阻害フル防備をした上で徒歩移動は欠かせないわ。
「先生、回復魔法の使い方が大分良くなってきたと思いませんか?」
「そうですね。最初に比べればかなり良くはなってきました。ですが、まだ繊細な部分を治療するための魔力コントロールが甘い。ここが良くなれば立派な治癒士になれますよ」
「将来は治癒士もいいですね。でも、こう、バーンって攻撃魔法を敵に打ち込む方が私らしいかも」
「そうですね。ユリア様は変わられた。もちろん良い意味で。前向きになりましたね」
「私を支えてくれた人達のお陰ですわ!」
「ところでユリア様は長期休暇の間はどうされるのですか?」
「私としてはずっと寮に居たいのですが、外聞が悪いと親から言われそうで。一度家に帰って何も言われないようなら寮に戻ろうと思っています」
「伯爵様のお考えにもよりますが、それが一番いいですね」
パロン先生と話をした後、エメにも伝えたわ。エメは自分が邸に一人で戻ることをとても心配してくれた。
気が重いけれど、寮に帰ってから父に手紙を書いて送ると、暫くして返事が返ってきた。
『ユリアへ。学院での成績には驚いた。優秀で何よりだ。このまま勉学に励むように。邸には戻らなくても良いが、王宮で開催されるお茶会には必ず参加するように。ドレスは明日侍女を送るので指示に従うように』と。
最低限の言葉だけが書かれていたわ。
相変わらずね。でも気にしない。
寮で過ごしていいのね! むしろ私は父の言葉に喜んだ。
私はすぐにパロン先生とエメの所に連絡して朝から手伝いに行ける事を伝えたわ。
それにギルドの依頼は学院があるので近場の物しか受けられなかったけれど、この期間なら誰にも邪魔されずに少し遠出が出来るわ!
休みの予定をウキウキ気分で立てていく。
因みに王宮で開催されるのは舞踏会だけだと思っていたけれど、今年はお茶会も参加しなければいけないらしい。
はぁ、今から気が重いわ。
翌日の終業式。
「リーズは家に帰るのよね?」
「えぇ。ユリア様は?」
「私はこのまま寮で過ごす事になったの。家に帰っても私の居場所なんてないし、勉強でもして過ごすわ」
そうしてリーズと昼食を取った後、学院の門前で分かれた。今日の門前は馬車の出入りが多い。
まだまだ馬車を待つ学生は沢山いるようだ。私は寮に帰って明日からの準備をしていく。
暫くすると邸の侍女長が侍女を三人引きつれてやってきたわ。私は侍女に身長から肩幅などすべてのサイズを測られていく。
「ユリア様、我が家に来る商会のデザイナーからいくつかのデザイン画を準備させました。この中からいくつかお選び下さい」
侍女長から紙の束を受け取りデザインを確認していく。お茶会用のドレスや城に登城用、舞踏会でも着られるダンス用などのデザイン画が数枚ずつ用意されている。
そしてその中の何枚かは過去に私が着ていたドレスもあった。
あぁ、確かこのドレスはお茶会の時に子爵令嬢からお茶を掛けられたのだっけ。このドレスはお城の中庭でお茶をした時に殿下から地味だって言われたドレスよね。
それとこれは王妃様から褒められたけれど、翌日侍女にハサミで切られていたのよね。
クラーラ・ブレンスト公爵令嬢の指示で侍女がやったのだ。つまり侍女は買収されてたって事。
ドレス一つとっても嫌な思い出が蘇ってくる。
今回は候補にも上がっていないので特に何もされていない。きっと我が家の侍女を買収していないのだと思うわ。
「侍女長、お茶会はこのドレスとこのドレス、後二着よね。他のドレスはこれとこれ、後は必要になれば既製品で構わないわ」
顔に出さないようにしながらドレスを選んで足りない所を少し書き足しておく。
過去と同じ物を着たくはないけれど、殿下や令嬢達の目に止まりたくないので地味と言われた物や華美な物以外を選んだ。
侍女長に本当にこれで良いのですか?と確認されたが、どうせお茶会なんて呼ばれないのだからどれでもいいのよと答えておいた。
装飾品は侍女長が後から合わせて選んでくれるみたい。そしてドレスが出来上がったら邸に置いておくのでお茶会がある日は前日に邸に帰ってくるように伝えられたわ。
明日からの休暇!
待ちに待っていた休暇よ!




