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タイトル未定2024/04/07 09:44

 家に帰った佐久は、自室に入るとブレザーを脱ぎハンガーにかける。ブラウスも脱ぐと、姿見に映った下着姿の自分を観察した。


 望月には決して及ばない胸のふくらみ。高一になったというのに未だAカップだ。


 Aクラスに配属されたのは何かの嫌がらせかと思ったくらいだった。


 胸の下の腹部は文字通り処女雪のように白く滑らかで、ぜい肉の欠片もない。


 無地のショーツからすらりと伸びた足はお腹と同じように白くシミ一つない。羨ましがられたことはあるけれど自分では好きになれなかった。

 やせぎすの手足は、細くて綺麗というより細すぎる。望月のようにむっちりと肉が欲しい。


「運動しすぎて、足が太くなっちゃった」と彼女は言っていたけれど。


 ブラの上からキャミソールを羽織ると、肩ひもがずれてすとんと床に落ちた。どこに引っかかることもなく。


 屈辱と共に着直し、上からワンピースタイプの部屋着を着る。パジャマとしても使える上に裏起毛のスウェットタイプのため暖かい。


スマホの電源を入れるとコミュニケーションアプリに着信があったので起動する。家族以外の連絡先と言えば、彼女しかいなかった。


『こんばんは~。今良い?』

『……いいよ』

『学校でのことだけど…… ああいうぶっきらぼうなの、よくないよ。みんな少し引いてたよ』

『……わかった。今度からは気を付ける』


 佐久の簡潔な返事に、望月は軽くため息をつく。


『私もできるだけフォローするから』


『……そこまで無理しなくてもいい。下手すると望月までクラスで浮く。わかってるでしょ? いくら気を使っても、好かれようと努力しても。駄目なときは駄目』


 わずかな間、望月からの返信が途絶えた。


『……あなたが私を心配してくれるように、私もあなたが心配。望月は好かれやすい性格だから、自分を優先して』


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