44話 異能研究会①
「異能研究会?」
周りのみんなを見渡しても、全員が疑問の表情を浮かべている。
松島さんは部屋を見渡して、他に何もないことを確認した後言った。
「読み上げる」
全員の顔付きが真剣なものになった。
この世界で1番な謎である『異能』それを研究しているであろう組織だ。
「異能研究会とは……」
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どうせなら異能研究会についてまとめておこうと思う。
異能研究会っつう、小さそうな名前してるが実際は違う。
国だ。まさしく国といってもいいくらいデカい組織さ。
というかトップが総理大臣だからな。
そういう意味じゃ規模感とか無しにしても国って言っていいのかもな。
そうだ!多分見た奴は見た瞬間この本から読むだろうな。
じゃあ向こうの世界の説明もしといた方がいいかもな。
そうだなぁ、向こうの世界は……。いや、まずは向こうの世界についての説明が先だな。
簡単に言っちまえばパラレルワールドさ。
向こうの地理はこっちの世界と全く同じだ。
歴史や物理法則もな。
だけどそれは第二次世界大戦までだ。
原子爆弾からある物質が発見された。
簡単に言っちまえば異能の素さ。
そのよく分からん物質を日本は馬鹿みたいに研究していた。他国に秘密でな。
そして俺は2000年に産まれた。
それでなんやかんやあって2020年、日本はついに『異能研究会』とかいう組織を作ったってわけだ。
もちろん俺はその組織に所属していたさ。
————
「こっちの世界じゃそんな事は一切ありませんでしたよね?」
「間違いなくそのような事は聞いた事がない」
確かパラレルワールドって、どこかで分岐した世界……みたいな感じだったよな?
このパラレルワールドの分岐点は異能の素が原爆から発生したか否か。そういうことか……。
「今が2050年ですから異能研究会ができてから大体30年くらい前のことですねー」
「そして俺がはじめて異能生物を倒したのが20年前だ」
「双鬼である2人が産まれたのが18、17年前か」
「はい」
「父さんが産まれたのが2000年でしたから……」
「まとめると、1945年に異能の素を発見。2000年に鉄君のお父さんが産まれた。異能研究会ができた年が2020年。2030年に敦さんが異能生物を討伐。2、3年後に鉄君のたちが産まれた。そして2050年の今がある」
そういうことになる。
時系列としては何もおかしいところはないな。
「続きを読むぞ」
「了解」
ついにサブタイトルに①を使い出した




