38話 対談
皆さま知っての通り投稿ペースが馬鹿みたいに落ちています。受験勉強と両立したいとは考えていますが、これからもペースは遅いままだと思います。この場を借りてお詫び申し上げます。申し訳ありません。
「もうそろそろですねー」
拓人君がそう言葉を発した瞬間、ドアが開いた。
「待たせたな」
「2分の遅刻だ。早く席に着け。司」
マフィアが到着した。
龍宮寺さんを先頭に、虎徹さんや潤さん、フードの少女。そして兄さん。
これで全員らしい。
マフィアというのは思っていたよりずっと小さい組織らしい。
「すまなかったな。座るのはこっちでいいか?」
「構わない」
異能警察官とマフィアが机一つ挟んで向かい合う形となった。
「これより情報の共有、そして今後の関係について会議を始める。いい結果になることを期待している」
松島さんが言った。
「こっちとしても双方に利がある会議にしたいと思っている」
要するに、こっちの言い分も聞け。そう言っているように感じた。
「もちろんだ。双方に利がある会議にしよう」
松島さんからも同じ雰囲気が漂っている。
この会議、どうなるんだ……?
「まずこちらの意思を隠さずに伝えておこうと思う。異能警察官としてはマフィアと協力したいと考えている」
「そうだな。だがマフィアとしては異能警察官の戦力をそこまで必要としていない以上、ただの協力というわけにはいかないが」
「分かっている。だが、こちらには右側がいる。この意味がお前なら分かるよな?」
なんか最初から火花バチバチだなぁ。
いや、それより内容のことだ。
松島さんの発言から、やっぱり双鬼は何かがあるらしい。そしてそのことを龍宮寺さんも知っていると。
「あのー。会話切っちゃってすいません。ずっと気になっていたんですけど、そもそも双鬼って何なんですか?」
兄さんが小さく手を挙げながら言った。
兄さんも知らないのか?
だとしたら質問がおかしい気がする。
双鬼について全く知らないなら、双鬼の根本についての質問より先に疑問に思うはずだ。
なぜ双鬼がメインで話が進んでいるのか?
「双鬼については会議が終わり次第2人に話す」
松島さんの一言に、かりんさんが反論した。
「その双鬼が何か分からないから詳しいことは言えませんが、鉄君が狙われてるんですよね?だったらここで情報を共有するべきでは?私たちにも知る権利はあるでしょう?」
それに続いて潤さんも言う。
「こっちとしても可愛い後輩である治が襲われています。できないならそれでもいいですが、説明を願います。もし説明がないようでしたら……」
「分かった。ここで双鬼について説明しよう。しかし双鬼を説明するにあたって、少し場所を移さなければならない」
松島さんに続いて龍宮寺さんが言う。
「ここから徒歩で30分かかるが、それでも説明が必要か?」
全員が同意を示すように頷いた。
「分かった、移動しよう。文山、ここは頼んだ」
「分かりました」
文山さんも松島さんには普通に喋るんだ……。
「行くぞ」
龍宮寺さんの一言で、全員が立ち上がってドアの方に進んでいった。
その途中、松島さんは誰にも聞こえない声量でボソッと呟いた。
「できるなら2人だけに言いたかったな……」




