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双鬼  作者: 鷹棒
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35話 数打ちゃ当たる

課題に追われているため執筆ができませんでした。申し訳ありません。

 兄さんと話すことができなかった。


 ものすごく落ち込んだが、山本さんからの依頼を完遂させないと恐らく悲惨なことになるのでコンビニに向かう。



 飲み物としか言われておらず、何を買えばいいか迷うこと5分。そろそろ店員さんが不審がる頃合いだろう。


 思い出せ!山本さんが日頃何を飲んでいるのかを!


 ………。


 頭に思い浮かぶ山本さんの生活。それは山本さんの行動にかりんさんが保護者のように怒る様だけ。


 飲み物について、全く印象に残っていない。


 ……いや!山本さんは飲み物についてでかりんさんに怒られていた!



「ちょっと山本!水道水飲むなって毎日言ってるでしょ!体に悪いんだからせめて天然水にしなさい!」



 コンビニに水道水が売ってるとでも!?


 仕方ない、数打ちゃ当たる戦法だ!


 山本さんから貰った500円に追加で俺の金を出して、炭酸飲料から果汁たっぷりのジュースまで数多くのジュースを購入した。



 本部に着いた。


「ただいまです」


「おかえり、遅かったね?っていうかなんでそんなに買ってきたの?」


 かりんさんが俺が手に持つビニール袋を見て言った。


「これはまぁ、かくがくしかじかでして…」


 とりあえず理由を知られたくないから濁して返したが、意味はなかった。


「なるほど、山本の好きな飲み物が分かんなかったからたくさん買ってきたのね?」


 かりんさんは、さも当たり前のように返してきた。


「なんで分かるんですかー?」


 ほんとだよね拓人君、なんで分かるんだろうね?


「山本はなんでも飲むよ?そこらへんのペットボトルに水道水入れて渡せば喜ぶと思う」


 衛生面で怒ってたかりんさんは何処へ…。


 俺はその疑問をぶつけると、


「あーあれ?怒りたいから適当な理由でっち上げてるだけ。山本の健康なんてどうでもいいし、なんなら風邪なんてひかなさそうだし…」


「おいかりん!聞こえてるぞ!」


「うるさい山本!自分の仕事してから喋って!」


 …うん、闇を見たね。


 俺は拓人君と顔を合わせて頷きあった。



 時刻は12時を示している。


 そろそろ昼ご飯の時間だ。


 そう考えていると敦さんがみんなに向かって言う。


「昼食をとったら着替えて出発する。急いで食べろよ」


「出発ってどこにですか?」


「あぁ、鉄平には言ってなかったな。今回、マフィアと話し合う場所は異能対策課の本部だ。俺がいつも会議に行っているところだな」


 俺が寝ている間に話していたのか。


「なんでわざわざ本部で?」


「異能生物に対しての話し合いだ。資料は多い方がいいだろう?」


「なるほど、分かりました」

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